そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

自民党内では数少ない女性を閣内に招いたが、気が付けば”セシュー”ばっかり

2023-09-14 | 国際・政治

政治における世襲は日本独特な奇異な風習である。世襲を英訳すると heredity、あるいは  descent ということになるが、遺伝的な継承や降下もしくは転落ということになるであろう。むしろ相続人 successor とい言葉に近い。ということはこのような風習は、世界の民主主義国家にはないということである。
今年世襲を自慢気に掲げ当選するという事態まで平然と起きている。岸信介直系の若者が、岸家・安倍家の系譜を自身のブログのトップに掲げたのである。そしてほんの一部の批判を横目に、補欠選挙に勝利したのである。報道各社は漏れなくこの若者の当選を信じてい疑わなかった。このことこそが貧相な日本の政治風土を物語っている。
世襲のほとんどは自民党議員である。自民党議員に限るとほぼ半数が世襲議員である。しかも世襲を享受するのがほとんどが長男であるが、このところやや変化がみられ、それが今回の岸田内閣にも見られる。女性大臣を5人送り出しているが、留任と再入閣の高市と上川を除いた3人は、モロ直系の娘である。
日本以外の国では、「政治は世襲で引き継ぐもの」が当たり前などではなく、地盤や後援会システムをそっくり引き継ぐものでは皆無と言って良い。
日本の世襲は親から、地盤(ジバン:選挙区)、看板(カンバン:名前)、鞄(カバン:金)を受け継ぐのであるが、選挙区民がそれを受け入れる風土こそが問題である。
民主主義が公平が原則なら、こんな選挙民の前では候補者は政策や人物での評価ではなく、親が持つ地盤かどうかを問われることになり、公平ではない。
その親は、国政を担う立場にいながら、選挙区への利益還元をすることで、ジバンを固め息子に譲るのである。
選挙区民は中央へ陳情しそれを選挙区当選議員が受けて、利益を還元する構図が、「おらが先生」の集票マシーンとなる。国会が閉会の時期には地元に戻り、「ドーモドーモ」を手を振り顔を見せる。各種イベントや冠婚葬祭の顔出しは欠かせない。これが世襲にとって有難いジバンである。
これが国政を担う議員のジバンである。こうしたことで票を集めることが続く限り世襲はなくならないのでないか。日本の国会議員の質が磨かれないのは、いつまでも続く集票意識の低さにあるのでないか。
タレント議員が馬鹿でも当選するのは、カンバン(名前)が知られているからである。そんなこと国会に議員を送り出す低劣さもここにある。
議員になることだけが目的の、低劣な議員がどんどん増えるのはこうした背景があるからである。世襲議員はその象徴的な存在である。

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