
朝令暮改を繰り返すトランプであるが正確な表現をすれば、ただの迷走に過ぎない。誰か忠告してやればいいのに、まさしく「裸の王様」状態である。
ロシアの仕掛けたウクライナ戦争は就任翌日に終わらせるは、当選確定後から就任後もう何度も訂正している。そしてプーチンに軽くあしらわれ右往左往し、ゼレンスキーとは衆目に晒されたままで口論となる。仲介に入るべき副大統領も一緒になって、ゼレンスキーを詰り始めた。一国の最高権力者が、虚言に満ちた言葉で非難、通常の神経の持ち主なら恥ずべき行為といえる。
ガザに至っては、一方的にイスラエルを支持する偏向を続ける。ほとんど無抵抗に近いガザの住民が8万人も殺害されているのに、自らを支持したアメリカ国内の選挙民へアピール政策を続ける、外交を放り出す稀代の愚かな大統領といえる。
不法難民を容姿や入れ墨などで分別し自国に戻すのならともかく、親トランプの大統領のエルサルバドルでは非人道的収容所に受け入れ収容し、アメリカから補助金を引き出している。トランプはもっと強制収容所を作れてと煽る始末である。
トランプのアメリカファーストとは、協調も協議もなく人道的でもない。トランプのアメリカファーストには金の基準しかない。超巨大国家であるから、嫌々ながら受け入れる国があるのである。属国となった日本のように。
世界一斉に掛けた関税は、トランプの思惑通りには全く行っていない。そのいい例が中国である。中国は100%を超える関税に意味はないという。保護主義に基づく関税合戦に勝者はいないと、逆に窘められる始末である。
ドルの相場が不安定なことや、株価の乱高下にもビクとも動かなかった連邦準備制度理事会 を、解雇予告をしておきながら手が出せなかった。あいつは思ったよりいい奴だというのである。
就任当初あれ程持ち上げたイーロン・マスクにも、関税の見直しを表明され、行き場のなくなったトランプである。本人が意気軒高なのは無責任主義者であるからに他ならない。トランプは窮すると嘘をつく。上手く行かなくなれば、犯人をでっち上げる。トランプのこうした行為を誰も咎められない。彼には取り巻きに敵がいないだけでなく、この男には見えないのである。
トランプが消したいと持った中国であるが、ここに来てアメリカに関税かけられた諸国との外交が活発である。習近平はベトナム、マレーシア、カンボジアと歴訪している。とくにベトナムとは、外交・防衛・公安の三省による3+3の閣僚会議を新たな設置をした。王毅はイギリス、オーストラリアそれにスペインと歴訪している。7月にはEUの首脳が、EV者の関税緩和の手土産持って訪中する。アメリカの方が行き場をなくして来ていることに気が付いていない。
国交は押せば推した分だけ下がるものではない。叩けば叩くだけ強くなるものである。今回の中国をはじめとする、トランプが叩いた国家の反応がいい例である。
中国は、アメリカの関税政策は自由主義経済を冒涜するものだと、非公式ながら国連安保理開催の要請を提案し、開催されることになった。中国、お前が言うかという思いがあるが、中国に美味しいところを持って行かせたのは、トランプの愚策の最大の汚点になるだろう。
アメリカ国内では急速にトランプの支持率が34%と低下している。明日で政権発足100日目である。ご祝儀時期としてはかつてない低支持率となっている。
