
トランプは4月14日、政府の要求を拒否したハーバード大学に対し、22億ドルの複数年の助成金と6000万ドル相当の複数年契約を凍結すると発表した。
トランプ政権は事前に、政府の要求に従わなければ90億ドルの助成金を凍結するとハーバード大学に通告していた。
ハーバード大学は14日、トランプの要求に従うことはできないとする学長声明を出していた。 トランプはハーバード大学の「反ユダヤ主義対策合同タスクフォース」は「名門大学に蔓延している、厄介な特権意識をさらに助長するものだ」と非難し補助金を凍結した。
トランプは、反ユダヤ主義的な嫌がらせを助長する、あるいはイデオロギー的支配を反映しているプログラムや学部に対し、DEI(多様性、公平性、包括性)プログラムの廃止 など、第三者機関による大学の監査の実施事前報告を求めている。
メキシコ湾をアメリカ湾と報道しなかったメディアの記者会見への出席の拒否など、アメリカは自由の国ではなかったのか。多様性を認め国ではなかったのか。
これに対しハバード大学側は、政府宛の書簡で改革要求を拒否することを通達しその一方で、政権の法的権限の範囲内での対話に応じる用意があると述べている。トランプの補助金凍結はメリカ合衆国憲法違反である。
トランプは、テロリストに触発された大学への、非課税優遇も取り消すと述べている。昨年来繰り返される、反ユダヤデモ念頭に置いた発言である。
これらは明らかに法令違反であるが、トランプはお構いなしである。国内のトランプ支持者をつなぎ留めるパフォーマンスである。岩盤支持層やユダヤ系の原理主義者の支持者を固めておくための政治的演技である。法廷で勝てるはずがない。このパフォーマンスでチジミ上がってくれればこれ幸いである。
しかし、アメリカは独裁国家に変容した感がある。トランプは意気軒高であるが、これは長く続かないと、トランプが仕掛けた関税戦争にしても、4年の我慢程度の捉え方が少なくはない。
