
これまで防衛事業の大転換としながらも岸田文雄は平然と、「専守防衛は全く変わらない。」と言い続ける。変わらないなら予算を倍にする必要もないのであるが、変える事実を覆うための言葉である。
安倍晋三が憲法に自衛隊の明記することを提案していた。今ではこれは統一教会からの案であることが分かっているが、安倍晋三は、「明記しても何ら自衛隊が変わるものではない」と言っていた。それなら今のままでいいのでないか。
同じ言訳を岸田文雄は随所で繰り返す。GDP2%にすると言っていながら、これは世界第3位の軍事大国であるにも拘らず、軍事大国ではないというのである。アメリカ中国に次ぐ位置である。誰も信用しない言葉で、逃げようとする。
敵基地攻撃能力をいつの間にか、「反撃能力」と言い換えるのも事実を追い隠す言葉であるが、反撃を思いとどまらせるのは相応の武力が必要になる。相手国の武力を上回割らなければならないが、同様に相手国も負けずに、反撃を思いとどまらせる武力を持とうとする。軍事拡大になる。
つまり軍事拡大で、反撃を思いとどまらせることなど、空論でしかない。こうした軍事拡大を、岸田は宏池会でやってはならないと学んできたはずである。
そもそも岸田はどのような外交交渉をしてきたというのであるか。岸田に限らず、自民党政権は一貫して仮想敵国として中国やロシアや北朝鮮を意識して防衛を論じていた。外交努力どころか、一貫して単に刺戟をしてきたに過ぎない。外交努力なくして、軍事増強は言い値で、即金で買わされ、メインテナンスもお任せの、格落ちの武器の処分場の、単なるアメリカの軍事産業振興にしかならない。岸田の言語は、矛盾と言訳で満ち溢れている。
専守防衛が、憲法枠内の自衛隊の存在するギリギリの線である。それを明かに踏み越えている。
自衛隊の軍事増強に反対する。