
妙な選挙であった。自民党と立憲民主と維新の会の選挙結果を予測したものは、誰もいなかった。
自民党は単独過半数を上回った理由は、直前のバカ騒ぎの総裁選挙で、菅義偉を下したことにある。本ブログでも、菅はそのままでいてくれと皮肉を込めて書いてみた。一見温厚な岸田を選んだことも大きく、結果的に自民党を救った。自民党はゾンビのような政党である。ゾンビの栄養は総裁選挙と総選挙である。
しかし、ゾンビは本当は死んでいる。国会議員としてのモラルをなくし、虚言癖の総理を頭に持ち、憲法を蹂躙し、虚偽のデーターで経済政策を粉飾する政権は死んでいるも同然である。ゾンビとして蘇られてもどうかと思うが、国民は一定の支持を与えてしまった。格差社会の敗者の多くは棄権し、勝者政権を抱き込んだからである。
立憲民主党は明らかに党としての理念が受け入れられかたっと見るべきである。小選挙区で議席を伸ばせたのは、共産党やれいわや社民党などの票を掬い取り込むことができたからである。それは、比例区で国民は立憲民主の政党名が記入されず、極端に議席を減らしたことで解る。枝野代表は、立憲民主党が、30%近く支持があるときに積極的に動かなかった。今回も総選挙が噂されるまで、大きく動かなかった。明らかに吹いている風を受け止める姿勢を欠いてたと言わざるを得ない。
何より驚いたのは、日本維新の会が大阪で全勝したばかりでなく、全国に立てた比例区で圧勝したことである。4倍増の議員を抱えて、松井代表は来年夏の参院選に国会で憲法改正案をまとめ、参院選と同時に国民投票を実施すべきだと、驕りとしか言いようのない発言をしている。松井代表は発議に参議院の3分の2の参道が必要なことを知らない、地方から抜けない代表の無知な発言である。
日本維新の会は、自民党と立憲民主の隙間を狙ったかに見える右翼政党である。大阪に地盤が限られ弱く、やがて自民党に吸収されるか、あるいは国民民主党と合流するであろう。理念がばらばらでとにかく品性を欠き、地方議員も国会議員も不祥事が絶えることがない。政権政党の道は遠い。それでも現与党もそれ以下かも知れないが。
共産党は、自公を政権の座から引きずり下ろせば、少なくともよくはないと見込んだ共闘であっらであろう。失敗とは言えないが、成功したとはとてもじゃないがいえないだろう。この共闘で共産党は停滞期に入るのでないか。
自民党の強さは、思い知らされる。私は当地で10年ほど前の総選挙で、TPP参入反対と言っていた議員が、たった3カ月で翻意してそのままで、今回もぶちきりでいち早く当確となっている。握手し名前を連呼し、嘘を平気で公約することが民主主義とどのような関係にあるのか、私には理解できない。
子どもたちに、どこでも何時でも誰とでも、政治を論議する教育から始めなければ、この国に民主主義など定着しない。