そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

国会を閉じ、議論を放棄し、不都合なことには答えず、五輪へ、総選挙へ

2021-06-16 | 菅義偉

通常国会は今日閉ざされた。東日本大震災が起きた10年前、当時野党であった自民党を主導して国会を閉じている場合でないと、会期の延長を民主党政権に促したのが他ならない気鋭の若手議員、菅義偉その人である。今日は野党の要請を振り切り、国会を延長することなく閉じてしまった。
経済的には東日本大震災を上回り、継続性と地域的な広がりを考えれば、新型コロナの方が国難としての比重は明らかに大きい。震災処理が命題だった時に比べ、疫病はこれから何が起きるかわからない。
与党には、国会開いて質問をこれ以上受けると、菅総理はボロを出すから早く閉じた方がいいという声もある。
先般の党首討論会を見ていて、与党の心配はさもありなんと思われる。何を聞かれても、具体的な事例を示しても、「安全、安心を配慮し国民の命を守る・・・」という言葉を繰り返すだけである。質問には答えていない。下を向いて、文章を読み上げるだけである。
”ご飯論法”と安倍晋三の回答を名付けた法政大学の上西充子教授はこれを、『やぎさんゆうびん』と名付けた。相手の質問を食べて飲み込み読んでいないというのである。もう10年近くも、こんな政権がこの国を支配している。まともな論議ができない、論議がなされない。
民主主義は国会議員の数ではない。逃げることなく議論を重ねることこそが、求められている。更にはその経過の透明化である。民主主義とは論議であり透明化である。
安倍晋三は論議もせず(できないのであるが)、不都合なことは忖度させるか恫喝する、あるいは忖度者のご栄転を見せつける。それでも不都合な公文書が出ると、改ざんする、隠ぺいする、破棄するといった野蛮な行為は民主主義の根幹を否定するものといえる。
更に菅義偉はもっと酷い。記者会見をしない。質問者も内容も時間も限定し、記者会見したかのように振舞うアリバイ工作には執心である。
こうして自民党は民主主義を破壊する。しかし、選挙は重要である。集票のためなら何でもする。ポピュリズムに堕した政党が虚言で議席を獲る。これが民主義であろうはずがない。
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亜星氏の慌てない急がないという感性を惜しむ

2021-06-16 | 文化

小林亜星氏が、先月30日に亡くなられていたことがわかった。小林亜星氏のコマーシャルソングで真っ先に耳に入っていたのは、「テニスコートの春がくりゃ♪ ♬ワンサカワンサカ 」というレナウンのコマソンが耳から離れない。耳から離れないと言えば日立の、「この~木なんの木、気になる気になる~」も耳の奥のどこかに残っている。
解り易いメロディーは、彼の人格からくるものであろう。作曲も思いつくまで取り組まない、急がない焦らないが反映されたものといえる。
官僚の父と女優の母を親に持つ優秀な少年は、親の勧めに従い慶応大学の医学部という難関を突破した。しかし、音楽が好きな亜星氏は経済学部に移り音楽を続けた。
突き出た腹で演じた寺内貫太郎一家は、向田邦子が亜星氏を意識して企画したが、彼は断り続けて一年ほど待たされたものである。下手くそな演技など見られたものではなかったが、ドラマの中では見事な存在感を示していた。
向田邦子のドラマでは、幾つかの作品で音楽を担当し静かな音楽を流している。
気取ったところがないが、自身の作品が盗作されたと服部克久を訴え勝利している。最高裁まで争ったが、毅然たる亜星氏の姿勢の前に、服部の親の七光りの敗北に終わっている。
小林亜星氏の死を悼み、彼の楽曲をいつまでも記憶し、彼の死を悼む。
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羅臼港

春誓い羅臼港