この休みを利用して、野田首相がアメリカにオバマに会いに行く。日米首脳会談というような、ご立派なものではない。基盤のなくなりつつある野田が、オバマの威光を貰い受けに行くのである。
当初の腹づもりでは、消費税を10%にしました、TPP参加を決めました、程度は手土産にできるのではいかと思っていたであろう。ところが、これらはすべて何も決まっていない。オバマを失望させるに十分である。
更には、アメリカでのBSEの発生で、昨年ちょっとばかり口にした、20カ月を30カ月にしますと、牛肉の輸入緩和も怪しくなってきた。韓国が中止したのに日本が、規制緩和をできるわけない。第一、国内関係者の何の了解もとっていない。
更に、米軍移転合意も直前になって反故になってしまっている。普天間はこう着したままである。何も野田の手土産がない。せいぜい、北朝鮮への姿勢の確認くらいである。
アメリカメディアは、野田の訪米を全く報じていない。小沢の無罪判決の方がよほど大きい。要するに、これに支持率の低下も加わり、野田の相対的な地位の低下を見ているのである。
国際公約をした消費税のアップも、更には原発の再稼働という短期的な視点だけではなく、中長期の方向性も打ち出せないでいる。
最もオバマが望んでいるTPPは口にも出せないであろう。すべてが国内で、中途半端に、というより宙ぶらりんになったままである。
野田の訪米は予定通りの行動である以外の意味がなく、選挙で頭がいっぱいのオバマと、総論以外何も話すことはないのである。野田の訪米は何の意味がないのである。