スタニスワフ・レム 飯田規和訳(早川書房)
《あらすじ》
菫色の霞におおわれ、たゆたう惑
星ソラリスの海。一見なんの変哲
もない海だったが、内部では数学
的会話が交わされ、みずからの複
雑な軌道を修正する能力さえもつ
高等生命だった! 人類とはあま
りにも異質な知性。しかもこの海
は、人類を嘲弄するように、つぎ
つぎと姿を変えては、新たな謎を
提出してくる・・・思考する<海>
と人類との奇妙な交渉を描き、宇
宙における知性と認識の問題に肉
迫する、東欧の巨匠の世界的傑作
《この一文》
”「ワンピースを着たままでは、これは着られないよ。そいつは脱がないといけない」
「コンビネーション? また何のために?」ハリーは興味を示して、すぐにワンピースを脱ぎにかかった。しかし、そのとき驚くべき事実が明らかになった。ワンピースは脱ぐことができなかった。ボタンもなければ、チャックもなく、ホックもなければ、何もなかったのである。胸の中央に一列についている赤いボタンはまったくの飾りにすぎなかった。ハリーははずかしそうにほほえんだ。 ”
面白いテーマです。
タルコフスキー監督の映画『惑星ソラリス』も観てしまいました。
しかし、この間のソダーバーグ版『ソラリス』はまだ観てません。
それなのに、早川文庫の表紙が映画公開にあわせてジョージ・クルーニーさんの顔入りになっているのを買ってしまったのは、なんとなく複雑です。
いえ、いいんですけど、表紙なんて別に・・・。
国書刊行会から原典邦訳版が出たらしいので、そちらも読んでみなくてはなりません。
少し内容が変わっているそうです。
というより、これまでのものが本来と少し違った内容だったというべきでしょうか。
興味津々です。