半透明記録

もやもや日記

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人形の夢と目ざめ

2010年11月17日 | ヒャクボルコと行く


*ヒャクボルコお嬢さんがお目ざめ*


…白い箱に入れられて、ずっと眠っていたようね。
あれからどのくらい経ったのかしら?

最後に林檎がどうとか言っていたのを
覚えているんだけれども……


長い長い夢のなかで、私は「ヨコハ…」なんとかという街にも
居たように思うわね。

ここは今、どこなのかしら?



電源タップから飛び出したあの日も、
そう言えばこんな季節だった。

あれからどのくらい…?







落葉がはらはら落ちてくるのを見ていたら、この人(ヒャクボルコ。電子部品。もとは電源タップの中で働いていましたが、ある日職務放棄によってタップを故障させたためリストラの憂き目に。その後、私の手で顔と名前を得、地味な旅を続けるお嬢さん)を思い出しました。

長いこと忘れててごめんよ。
あー、昔作ったアニメもリンク切れだしなぁ。うーむ。うーむ。






金色の夢と香り

2006年10月03日 | ヒャクボルコと行く
(秋。金色の光。白いあずまや。薔薇。林檎。)


ヒャクボルコ:(目を閉じたまま、つぶやく)
        ………。
        遅いわ…。どうしたのかしら? もうずっとこうして
       待っているのに。

        ちょっと起き上がって、あちらを見渡してみようかしら。
       いいえ、だめね。じっとしていなければ…。

        そう。それに、わたしの喉には林檎のかけらがつまって
       いて苦しいの。ほんとうに苦しいわ。はやく王子さまが来
       てくれないと、たいへんだわ。

        どうしたのかしら? 遅いわね……。


(ヒャクボルコをみつめる二人の人物。)

かえる: ちょっと、この人ったら一体どうしたのかしらね?
    白い箱になんか入っちゃって、お葬式ごっこかしら? 
    あんた、なにか聞いてる? なんの遊びなの?

オネコタン: さあ?

かえる: 全然動かないけど、なんだか面白そうではあるわね。
    それに、ここ、なんだか良い香り。
    あ、あんなでっかい林檎があるわよ!
    (林檎に近寄る)
    ちょっと、見てよ! 一口かじったあとがあるわ!
    いやねえ、この人、食いかけたままで寝てるわよ。
    だらしがないわさ。

オネコタン: わけがわからんな。
       しかし、ヒャクボルコはいつもよりずいぶんと
      青ざめているな。真っ青だぞ。大丈夫だろうか。

かえる: そりゃ、心配ないでしょう。なにせこの人は……。
     それにしても良い香り。
     林檎と、それに薔薇の香りだわね。

オネコタン: ああ、ふたつは親戚だからな。
       黄金の花と果実だ。

かえる: なんの夢を見てるのかしらね。暇だわ。




(ふたたびヒャクボルコ。ついに目を開ける)

ヒャクボルコ:(起き上がり、箱に片足を乗せる)
        来なかったわ…。
        ええ、わかってはいたの。あれはただの物語。
       それにわたしはお姫さまでもないし。それでも

        林檎を喉につまらせて、箱の中に寝てました。
        王子さまの口づけでよみがえるのを夢見て。

        それでわかったの。
       あのお姫さまは最初から王子が来るのを知ってて
       林檎をかじったんだわ。毒がまわらないように、
       かけらは喉のところで止めておいて……。
        すごい執念だわ。だって死にそうに苦しいもの。

        そしてわかったの。
       わたしは最初から王子を待ってはいないことが。
       わたしは、ただ、林檎が食べたかっただけ。
       わたしは、ただ、林檎の夢を見たかっただけ。
       わたしが、待っているのは、ほんとうは……。

        それに、毒のない林檎のかけらなら
        もうとっくに飲み込んでしまったわ。

       (箱から飛び出す)
        さ、残りを食べましょう!
        あら、かえるとオネコタンもいたの?
        ご一緒にいかが?

かえる・オネコタン: やあ、喜んで!


(薔薇の音楽。林檎をかつぎあげ、三人はぐるぐるまわる)


  さあ今のうち うつくしい秋
  のこりはみんな たべておこう

  ゆめをみる ゆめをみた
  もうなんだか わからない

芽と根と

2006年03月21日 | ヒャクボルコと行く

寒かったわ。
ええ、私だって寒いよりも暖かいほうがいいのよ。
暑いのも嫌ね。
でも、ちょうどいい季節は、
知らぬ間に過ぎてしまうから悲しいわ。


……………

気をつけて、注意して、
起きたら、もう春だった。



*****

久しぶりのヒャクボルコです。
短篇アニメはこちらからどうぞ。

はる
 





透き通っている

2006年01月20日 | ヒャクボルコと行く
見えるものがそこにあることは何となくわかるわ。
でも、見えないからと言って
そこにないということにはならないのよね。


ないものにも掌の中にある、と
あのひとが言っていたものは何だったかしら?



……………


通り抜けるかと思ったのに、私をよけていったわ。







*****

2006年最初のヒャクボルコは何と原案あり!
最高に素敵な梶谷さまのアイディアをいただきました。
それなのに、私の手にかかるとこの有り様……。
も、申し訳ないです;
……。
もっと美しいイメージだったはずなのに……。
私の表現力よ、そろそろ姿を現してもよい頃ですよ……。

次はもっと頑張りますので、
懲りずに今後ともどうぞよろしくお願いします!


短篇アニメはこちらから
ようしつ