2009年 日本 ロシア
監督:芦野芳晴
STUDIO 4℃/Molot Entertainment
おう……。これはあらすじを書くのが難しい。
1942年のソ連。主人公は14歳の少女ナージャ。ドイツとの戦闘に巻き込まれて記憶を失うが、特殊な能力を持つ彼女は実はソ連軍諜報部に所属し、任務遂行中の身の上であった。膠着する戦況のなか、世界征服を目論むドイツは700年前の伝説の騎士ヴォルフを冥界から呼び出す。ナージャは騎士ヴォルフがロシア軍人の首をはねる予知夢を見、それを阻止すべく自らも冥界へおもむき、戦死したかつての仲間を現世へ呼び戻しともに戦うことになる。
というようなお話。どういうジャンルのアニメなのか分からないまま観ていましたが、オカルトでした。
えーと、それで……とくに言うことはないですかね。日本のスタジオがアニメ制作をし、脚本などはロシアが担当した合作作品のようです。オープニングはカッコ良かった。
音声はロシア語と英語の2種類が用意されていて、私はロシア語音声で本編を観たのですが、なんというか、映像と声のイメージが一致しなくて、(日本語字幕で観ていても)内容が全然頭に入りませんでした。感情表現がこう、不自然と言うか、妙な感じです。これは私がロシア語を解さないからというだけではないと思うのですが、演技に違和感を覚えましたかね。日本のアニメに外国語の音声という状況に慣れないせいかと言えば、それもまた違うようです。外国語に吹き替えられたアニメ作品にも優れたものはたくさんありますものね(たとえば『ハウルの動く城』など)。比較のために日本語バージョンもあればよかったのにな。
物語も60分という限られた分量のせいもあるかもしれませんが、全体的に唐突かつ強引で、おまけに特に盛り上がる場面もないまま「あれっ!?」と終わってしまいました。うぅ。せっかく呼んできた仲間、最後気がついたらいなくなってたけど、どうなったん!?(^o^;)
ちなみに、少し調べてみたところ、この『ファースト・スクワッド』には先行して作られた別バージョンの短いアニメが存在するようで、そちらはミュージックビデオとして公開されていましたが、とてもスタイリッシュで切れ味の良い仕上がりになっていましたね。戦闘シーンが素晴らしいです。
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『First Squad』
上に比べると本編のほうはなかなか惜しい60分間となってしまいましたが、そのなかでいくらか良かった点としては、ナージャが敵に追われてモスクワの地下鉄に駆け込むシーン。ホームがめちゃくちゃカッコ良くて、そこらへんがさすがロシア!という感じで楽しめました。それから、ナージャが冥界へ送り込まれる時に、潜水服風の装置が置かれた実験室みたいな部屋に連れて行かれるのですが、そこの部屋の色合いなんかは綺麗でしたね。もうひとつ、騎士がマントをひるがえして向こうからやってくるところの、マントのひるがえり方なんかは私は結構好きでした。
日本とロシアの合作アニメという、なかなか珍しいものを観られて、まあ面白かったです!