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術後11ケ月の記録

2012年11月13日 | 卵巣摘出手術の記録




あれからもうすぐ1年……。


この1年は色々ありすぎて、なにがなんだか分かりませんでした。人生が加速していましたね。昨日の記事で「新しいことが始まる」と書きましたが、まさに去年の今頃から「新しいことが始まっていた」のでした。生きていると色々あるなあ。書かずにおこうかとも思いましたが、やっぱり書いておくことにします。


去年の11月、私は自分を健康そのものだと思い込んでいましたが、胃痛と不正出血のために病院へ行ったら、「卵巣嚢腫」だと診断されました。しかも、薬ではどうにもならない段階まで病状が進行していたために、要手術を宣告される。その後1ケ月は諸検査、12月に左の卵巣の摘出手術を受け、1週間の入院、術後3ケ月で完治となりました。まず、この流れが異常に速かった。パニックをおこして、全然ついていけなかったなあ。
当時の詳しくは、このカテゴリーにまとめてあります『卵巣摘出手術の記録』

まあ、ともかく、私は「卵巣嚢腫」というそれまで知りもしなかった病気にかかったわけです。しかし調べてみるとこの病気にかかる女性は意外と多いようなので、私も完治した人間として、今後もことあるごとに情報を提供していきたいと考えています。病気が分かった当初は私もものすごく不安でしたから。



さて、今年の夏ぐらいのことでしたが、宇多田ヒカルさんのツイートが話題になりました。宇多田さんもごく若い時にこの卵巣嚢腫を患ったそうです。
「そういう病気をしたら、もう子供は持てないの?」という疑問に対して、宇多田さんがツイートしたというのが話題になっていたのです。
宇多田さんの場合は片方の卵巣の一部を切除したものの、残りは温存できたとのことでした。つまり、卵巣はまだ2つあって、機能的にも問題なく保持できているということです。つまり、もちろん子供を持つことはできるということ。宇多田さんはそういうことをおっしゃっていました(ちょっと記憶が不確かかも…スミマセン;)。

私も術後につくづく実感しましたが、卵巣がそもそも2つある意味というか、卵巣というのは1つだけでも十分に機能するものなんですね。月経周期が1ケ月おきになる…ということすら「ない」! 不思議!
さらに私の場合は左側の卵巣を取り除いたあとのほうが、むしろ体調は安定し、一時は枯れ枝のように痩せ細っていた身体も女性らしい丸みを帯びるようになりました。ホルモンのバランスって大切ですね。

そしてもうひとつ、ここからが重大なことですが、私は卵巣を一つ失いましたが、このたびめでたく子供をもつことになりました。ていうか、すでに現在25週とちょっと。つわりなど諸々の肉体的変化がキツすぎて、いままでこれについて書く気になりませんでしたが、これから忙しくなってますます更新頻度が下がるだろうと思うので、そろそろこのブログでも報告しておこうかなと。今のところは母子ともに順調です。来年の2月に生まれるらしいです(と、他人事のように書いてみる;)が、お産のことを考えると不安でたまらない…ああ、どうしよう……今年の秋もまたまた性懲りもなくパニックに陥っている腑甲斐ない私でございます(^o^;)


去年の今日には、まだ私は卵巣嚢腫を患っているということも知らなかったのです。それが、その後はこんな流れですよ。

 *2011年11月 卵巣嚢腫と告げられる

 *2011年12月 摘出手術

 *2012年3月 完治

 *2012年6月 妊娠判明

 *2012年7月 入籍

 *2012年9月 福岡への移動が決定

 *2012年11月 福岡へ引っ越し

何事においてもできればここから一歩も動きたくない、というタイプの私にはあまりにもハードな日々でしたね。いや、まだ全然終わってないどころか、始まったばかりなんですけど。
どさくさに紛れて出来婚を告白しているというか後半の流れは病気とはまったく関係ないのですが、要するに、手術から1年も経たないのにすっかり健康になりましたよ! ということが言いたかったのです。実際、治りははやい病気のような印象でした。単に私が幸運だっただけかもしれませんが。というよりも、何よりも大事なのは早めに分かれば薬で治ることもあるということですね。変だと思ったらすぐに検診を受けてみてください。私は重症化するまで全然気づかなかったために手術することになりましたが、初期であれば投薬のみで治ったかもしれません。

それでも、やはり薬では治らずに卵巣を摘出しなければならなくなった…という女性が、きっと今もいらっしゃることでしょう。将来のことを考えてとても不安でいらっしゃることと思います。「卵巣嚢腫」と一言にいってもその病状は人によってだいぶ異なっているようですから、簡単にひとくくりにしてしまうことはできませんが、とりあえず私のようなケースもあり得るのだと、少しでも前向きに考えてもらえればいいですね。
ちなみに私は現在36歳です。35歳で摘出手術を受けました。これは比較的若い人に多い病気だそうですが、手術になっても宇多田さんのように卵巣の機能を残したまま一部分だけを切除したり、私のように片方を丸ごと取り出してももう片方は無事であることもありますので、いろいろと諦めないで乗り越えてほしい!


というわけで、医療技術のますますの進歩と発展を願いつつ、本日もみなさまが健康でありますように!








卵巣摘出手術の記録(最終回)

2012年05月17日 | 卵巣摘出手術の記録


(前回までの記事)
 *111222生還シマシタ!
 *術後3カ月検診
 *手術 その前と後

 *術前検査まとめ(前編)
 *術前検査まとめ(中編)
 *術前検査まとめ(後編)



おそろしく間が空いてしまいましたが、去年の暮れに受けた卵巣摘出手術のまとめも今回でようやく最終回です。
いよいよ本題の「摘出手術」の詳細をまとめてみようと思います。


手術の前日に、あらかじめ担当の先生から手術内容についての詳しい説明をしてもらうことになっています。その際には、このような書類も用意されていました。



「手術説明書(腹腔鏡下手術)」という全4枚の資料です。図解付きで内容が分かりやすく説明されてあります。これに加えて、「麻酔を受けられる方へ」という手術時の全身麻酔に関する説明も別途、麻酔医の先生から受けました。


さて、「手術説明書(腹腔鏡下手術)」ですが、私の場合はこんな風にまとめられています。

 1.病名 : 卵巣嚢腫

 2.病状 : 腰痛
(他にも「月経困難症」「過多月経」「下腹痛」などのチェック項目がありましたが、私の場合は「その他」で「腰痛」…)

 3.手術名 : 腹腔鏡補助下卵巣腫瘍摘出術


そして、腹腔鏡下手術についての概要。以下、その写し。

 4.腹腔鏡下手術概要

(1)腹腔鏡手術とは
 腹腔鏡とは、腹腔内を観察するための内視鏡のことです。腹腔内を炭酸ガスで膨らませた後、臍付近に5~10mm前後の切開を加えて、お腹に入れた筒(トロカール)を通して、腹腔鏡(CCDカメラをつけます)でお腹の中を観察します。また、下腹部の別の位置から入れた 1~3本の筒の中に、鉗子などを挿入してお腹の中を調べたり手術をしたりします。

【図解添付。やや生々しいのでご注意ください】


臍の上に1cm、臍の下に(私の場合は対象が大きいので)4cmの切開。
上の切込みからカメラを、下の切込みから鉗子を入れます。
そこから、中身の溶液を吸い出した後の卵巣を引き出します(左図)。
お腹はガスで膨らみ、尿道にはチューブを通します。
その他の臓器は、脇へ寄せておきます(右図)。



(2)この手術の適応となる産婦人科疾患とは

 不妊症/子宮内膜症/卵管癒着/良性卵巣嚢腫(私はこれ)
 子宮外妊娠/子宮筋腫/その他(悪性を疑う場合は現在適用外)


(3)この手術が適用とならない場合とは

 全身麻酔が不可能な方/著しい肥満の方/頻回の開腹手術既往の方
 その他医師が適切でないと判断した場合 など


(4)手術に必要な検査

 普通の開腹術と同じ検査(血液検査、心電図検査、胸部X-Pなど)


(5)腹腔鏡下手術の長所と短所

 *長所      /   *短所

 手術創が小さい / 全身麻酔が必要

 術後疼痛が少ない/ 腹腔鏡下手術特有の合併症

 入院期間が短い / 手術時間が開腹手術より長い

 術後の癒着が少ない対象臓器を蝕知しながら手術できない

 視野が拡大されて見え、繊細な手術が可能二次元画像下の手術のため距離感がつかみにくい。手術操作(止血や縫合)が困難

 骨盤深部など開腹手術では視野が得られない場所も良く見えるTVモニター画像外での偶発症(腸管損傷や血管損傷など)が起こる可能性


 6.疾患別手術方法(卵巣嚢腫の場合)

 嚢腫の大きさや性状により、処置方法や切開創の大きさや数が異なります。
 (1)体外法:卵巣嚢腫内溶液を吸引などにより縮小させた後、下腹部正中約2-3cmの切開創から嚢腫を体外に誘導し、嚢腫部分のみを摘出後、正常卵巣部分を形成して体内に還納します。

 ※私の場合はこの(1)を選択。上の図解にもあるように、卵巣を一度外へ引張り出して切除となりました。また、「正常部分」が残っていなかったため左の卵巣は全摘出しました。

 (2)体内法:腹腔内で嚢腫部分を摘除し、腹腔内で正常卵巣部分を形成します。

 (3)嚢腫壁焼灼:強度の癒着等で嚢腫部分の摘除が不可能な場合、嚢腫壁焼灼を行ないます。

 (4)付属器(卵巣・卵管)摘除:正常卵巣部分を残せない場合や年齢的に残す必要のない場合、また出血のコントロールが困難な場合など状況により付属器摘除を行ないます。


 7.手術の合併症

 腹腔鏡操作による合併症は、トロカール挿入による偶発生(腹壁血管損傷、創部血腫、後腹膜血管損傷、腹腔内臓器損傷)や炭酸ガス注入による合併症(皮下気腫、ガス栓塞、呼吸器合併症、循環器合併症)、術中操作による偶発症(腸管損傷、尿管損傷、膀胱損傷)、また器械の不具合による偶発症などがあり、非常に稀なものから1%前後の頻度で発生するものもあります。
 また、開腹手術同様、重篤で致命的な合併症に、深部静脈血栓症などによる肺塞栓症が0.01~0.04%の頻度で報告されています(弾性ストッキングまたは抗凝固剤にて予防)。
 開腹術に比べ頻度は低いですが、術後の合併症として卵管・卵巣の(再)癒着や卵管(再)閉塞やそれらによる不妊、稀ですが腸管癒着によるイレウス等が発生することがあります。

_________________________


以上が、大体のまとめです。翌日が手術でしたが、全てここで説明された通りに行なわれ、私は何も問題なく退院することができました。ありがたや、ありがたや!

しかし、もしも途中で何らかの問題が発生した場合のために、次のような説明もされてあります。

 10.その他

 腹腔鏡は、あくまでも手術のアプローチの手段のひとつです。もしも、腹腔鏡による手術が無理であると判断された場合や、腹腔鏡操作等による合併症が生じ腹腔鏡下での修復が困難な場合などには、開腹術に変更となることがあります。また腹腔内の状況により、予定術式が変更となることもあります。

 卵巣嚢腫や子宮筋腫・腺筋症手術の場合、術前検査・術中所見にて良性と判断された場合でも、術後の病理組織検査で悪性組織が認められる場合があります。このような場合、追加療法(再手術や抗癌剤治療)の必要な場合があります。


とのこと。幸い、私のケースでは術後の病理組織検査でも問題が見当たらなかったので、手術から1週間の入院、その後の定期検診(全2回)で全ての行程が終了し、無事完治となりました。


ちなみに、手術については何もかも担当の先生がうまくやってくださいました。私はひたすら寝ていただけで拍子抜けするほど簡単に治ったので、あまり病気をしたという気がしないほどです。しかし、さすがに手術直後には、体力の衰えが激しく、術後2日目から立って歩くように指導されるのですが、それもままならず。フラフラよろめいて看護士さんを心配させてしまいました。日頃の体力作りが大事ですね!

それから、手術当日には母が付き添ってくれましたが、終了後、先生から摘出した患部を見せられたらしく、「鳥の皮みたいだった!」と言っていました。へ、へえ~……

あ、もうひとつ。私の病状は「卵巣嚢腫」でしたが、しばらくして様子を見に来てくれた先生(開口一番「大きかったで~!」と満足げ)によると、お腹を開けて嚢腫を取り出してみたら、「「子宮筋腫」も見つかったからついでに取ったったよ~!」とのことでした。やだ、ラッキー☆……?

「子宮筋腫」については、大きさは1mm程度の小さなものだったそうです。私は退院前に、手術時のカメラ画像を鮮明なカラー写真で見させられたので、子宮筋腫の様子も確認してきました。ポツっと白い点状のものなんですね。その他の私の内臓および腹腔内は綺麗なものでした。鶏の臓物にそっくりでしたよ。やっぱり私も一個の生物に過ぎないんだなあ。と、あれから精肉売り場へ行くたびに、しみじみします。


術後は麻酔から覚めやらず朦朧としながら母と会話をしましたが、私の母もまた以前「卵巣摘出」したそうで、その時は術後の疼痛に悩まされたそうです。また、その数年後に「子宮筋腫で子宮を全摘」したときは、痛くなかったそうです。

…えっ…!!??
ちょ、それ、先に聞いておきたかったわ…!!(特に「子宮筋腫」の方)
遺伝は関係ないとは思うものの、これだけ一致するとやや不安。
(´;ω;`)次も子宮筋腫、クルコレ?


というわけで、身近なところにも経験者はいるかもしれないので、病気が分かったら周囲の人にあれこれ聞いてみるのも良いかもしれません。
私は病気が判明してから入院と手術が決まるまでは、一切誰にも報告しなかったのですが、いよいよ手術日が決まり病状もほぼ確定したところで実家に連絡したら、さぞかし心配させるだろうと懸念していた母から

「あ、お母さんも卵巣が片方ないヨ☆(ゝω・)v だいぶ前だけど、どっちか取っちゃった(右か左かすら忘れ…)」

みたいに言われました…orz このことで、何となく無駄に心配してしまっていたなと、私は病気や手術に対する不安や抵抗感がすっかり解消しましたね。清々しい諦観とでも言いましょうか。いずれにせよ、気持ちが落ち着きました。


さて、長くなりましたが、これから手術におもむくという方々のお役に立てますように。また、ご無事と早い快復をお祈りします。
これらはとてもありふれた病気ですし、うまくいけば治りも早い病気です。
ともかく定期的な検診を心掛けましょうね!!





術前検査まとめ(後編)

2012年04月13日 | 卵巣摘出手術の記録


(前回までの記事)
 *手術 その前と後

 *術前検査まとめ(前編)
 *術前検査まとめ(中編)




さて、いつまでこの記事が続くのか、ちょっと長々しくなっておりますが、いよいよ術前検査も終盤です。前回のMRIの結果と、手術のために必要な検査をまとめたいと思います。



【第4週】MRI画像/術前検査


《MRI画像》を見せてもらう

前の週に撮影した「MRI」の画像が出来上がっていたので、診察室でN先生から数枚の画像を見させてもらいます。私の腹部の正面、側面、断面の画像が、医療ドラマでもしばしば目にする白いライトボードに掲示されてありました。

私も先生も至って真面目にやり取りしていたつもりでしたが、あとで振り返るとどうしてもコントにしか思えなかったので、ちょっと漫画にしてみました。不謹慎かもしれませんが、私はどうにも可笑しくてたまらなかったのです。

ちなみに、正常な子宮や卵巣はこの図のような感じになっていて、卵巣は親指の第一関節程度の大きさだそうです。図の丸く両脇に2つ付いているのが卵巣です。




それを踏まえて、私の肥大化した卵巣の画像を見させてもらった場面はこんなことになりました。下でカエルのように描かれているのが私です。体型的にはカエルに近似してたのですよ。



「腸はどこへ行った」。当分忘れられそうにないフレーズです。私は病院から帰る途中も思い出してニヤニヤしてました。いや、笑い事じゃないんですけど、実際にここまでハッキリと大きいことが分かると、かえって面白くなってきましたよ。
もちろん、笑っていられるのも、画像を撮ってみたその解析内容が良かったからですけれど。

先生がおっしゃるには、膨らんだ卵巣の中身は予想通り「粘液性のもの」だったとのこと。お腹の中に巨大な水風船が入っているような感じですね。この場合、風船部分が卵巣ということになります。卵巣がそんなに膨らんでしまえるということに驚きました。

そういうわけで、手術もこれで「腹腔鏡手術」ということにほぼ確定です。お腹に小さな切れ目をいれて取り出すことになりました。その詳細についてはまた後ほど。

ひとつ残念だったのは、MRI画像を撮れば分かるかもしれないと言われていた、「大きくなった卵巣は右なのか左なのか? それとも両方なのか?」という疑問には、この時点でも答えてもらえなかったことでしょうか。
上に私が描いた漫画では、MRI画像については特に誇張もなく、記憶のままに再現したつもりです。本当にあのようにミッチリと腹部を埋め尽くしていて、他の臓器の所在が確認できないほどでした。よって、右なのか左なのか、ひとつなのか両方なのかは、腹を開けてみないことには断定できないということ。…仕方がありませんね。



《術前検査》

さて、MRI面白画像を見た後で、手術に向けた最後の検査を受けます。これは手術や麻酔を安全に受けられるかどうかを調べるための全身状態の検査です。

内容はこの通り。予め詳細も教えてもらったので書いておきます。


 *血液検査

  ・一般血液検査:貧血などの検査
  ・血液化学検査:肝臓や腎臓の機能を調べる
  ・出血凝固能検査:出血が止まりにくくないかの検査
  ・血液型検査:手術時の出血に備えて
  ・感染症検査:梅毒血清反応、B型肝炎ウイルス、
   C型肝炎ウイルス、HIV抗体

 *尿検査
  ・尿中のタンパクや糖をチェック

 *安静時心電図検査
  ・心臓に異常がないかどうかをチェック

 *呼吸機能検査
  ・肺の機能に関する検査

 *胸部レントゲン検査
  ・胸(肺、心臓)の検査


ということでした。全部で1時間ほどで済みます。

これら一連の検査の中で面白かったと言えば、心電図ですかね。私はあの心電図検査の時の吸盤が胸にペタリと貼り付く感触が苦手なんですが、この時の私はマックスで痩せていたため、脇腹のあばらが浮き出し波打っていて吸盤が貼り付かず、呼吸して胸が上下するたびに3度くらい落下させてしまいました(´∀`;) 担当者は「まあ~、痩せてて羨ましいわぁ~★」とかおっしゃいますが、とてもそんなレベルではありません。。。
その担当してくださった方(年配の女性)はとても陽気な人で、「大丈夫! こんなときのために秘密兵器があるのよ!」と、なにやら接着剤のようなものを塗って、無事に吸盤は私の脇腹に貼り付くことができたのでありました! めでたい!

あとは、呼吸機能検査ですかね。息を吸ったり吐いたりする時の、肺の容量などを調べるようでした。鼻をつままれ、筒をくわえさせられて、モニターに表示された波グラフに合わせて、深く息を吸ったり吐いたりします。ちなみに私の肺活量は人並だそうですが、グラフに合わせて呼吸をする才能は素晴らしいようでしたね♪(「すごい! うまい!!」としきりに誉められました(照)。まさかそんな私にそんな能力があったなんて!)

担当の人が明るいと、検査も楽しいものです☆



というわけで、術前検査はこれで終了です。検査結果は詳しく聞きませんでしたが、問題はなかったようですね。
いよいよこの次の週には、入院と手術ということになります。そちらはアッサリとまとめようと思いますが、まだもうちょっと続きます!






術前検査まとめ(中編)

2012年04月08日 | 卵巣摘出手術の記録


(前回までの記事)
 *手術 その前と後

 *術前検査まとめ(前編)




これまでのあらすじは、近所のクリニックへ胃痛と不正出血で行ってみたら思わぬことで手術の必要ありと宣告され、念のための癌検診では問題なし、さらに詳細な検査のために大病院を紹介してもらったというところでした。
今回は市民病院へと診療先を移し、私の腹部に肥大化するものの正体を突き止めるべく受けた精密検査についてをまとめていきたいと思います。


まず、病院の選択について述べておきますと、手術の術式で「腹腔鏡手術」というのがあるのですが、それをやってもらえそうな先生がいる病院を調べて選びました。ネット社会の便利さよ! 私の場合は幸い近所の市民病院にその方面で経験のありそうな先生が見つかりました。最初にかかったクリニックでは5、6の病院を候補としてあげてくれましたが、なるべく自分の都合や条件、希望に合った病院を調べておくとよいかもしれません。私の場合はそれが最寄りの市民病院でした。


さて、紹介状を持参して市民病院へ移動すると、すぐに検査が始まります。まず受けたのは、このような検査です。


【第3週】初診 市民病院にて精密検査

 *触診
 *超音波検査
 *血液検査
 *尿検査
 *MRI撮影


《触診》《超音波検査》

市民病院のN先生から「どうしました?」と訊かれたので、「どうやら卵巣が腫れているようで、胃も痛むのです」と申し上げると、N先生は「そう(…胃、ねえ?)」とおっしゃいます(カッコ内は先生の顔つきから判断した私による想像)。もちろん、ここは婦人科ですから胃は関係ないのです。
しかし早速診察台で腹部を診てもらうと、N先生は「こ、これは…! たしかに…ものすごく大きいね」と腹部の広範囲にわたって超音波をかけながら、ひとしきり張り具合を確認なさいます。
「なるほど、これほど大きいと胃も圧迫されて痛くもなりますね。じゃあ、この日に手術することにしましょうか!」と納得されたご様子で(気のせいかもしれないけど、先生は俄然やる気を増したように見え…)、それからはテキパキと事が運んでいきます。

私のように、卵巣が巨大に腫れ上がってしまう症例は時々あるそうですが、それでもここまで大きくしてしまう人は多くもないようです。腹の中に巨大なものを抱えて手術までの日々を暮らすには不安もありますが、先生がおっしゃるには、「ここまで大きくなるものには良性のものが多い」、「中身は予想では水分(粘液)で全体的に柔らかく、すぐに破裂することもなさそう」とのでした。

不安要素としては、やはり触診と超音波検査だけでは、「腫れている卵巣が片方か両方か判別不能」ということでした。詳細を知るためには「MRI検査」の結果が待たれます。

そういうことなどを説明されつつ、とりあえず手術の日取りは2週間後に設定されました。この日に入院手続きをしておきます。


《血液検査》/《尿検査》

目的はよく分かりませんが、おそらくは私の身体の基本情報集めのための検査かと思われます。また、再度「腫瘍マーカー」も検査項目のうちに含まれていたような気がします。そう言えば、市民病院での検査結果については、口頭による説明のみで、最後まで詳細についての資料をもらうことはありませんでした。言えば貰えたかもしれません。しくじりましたね。ご注意ください。


《MRI撮影》

精密検査のメインとなる「MRI撮影」は、初診の翌日朝一番に受けました。検査前の3時間は絶食、ただしコップ1杯分の水分を摂取、1時間前からは排尿禁止です。検査前にはあらかじめ「造影剤使用」に関するリスクの説明と許諾書へのサインを済ませてあります。
検査室に入る前に金属類を外し、薄い羽織を着て、細長いベッドに横たわり、担当者からヘッドホンを渡されます。担当のお兄さんから「閉所恐怖症はありますか?」と質問されるので私は「大丈夫です」と答え、ベッドは筒型の巨大な機械の内部へとスライドし、頭部を少しだけ出した状態で身体を筒型の中へ納めると、白い四角い部屋に、重いドアをガチャ…ン!と閉じる音が響き、巨大な装置に格納されたままひとり取り残されたら検査開始です。

私は「MRI」は初体験でした。
事前の説明では、所要時間はおよそ40~50分間とのこと。意外と長い。
「閉所恐怖症はない」と答えた私でしたが、部屋にひとりっきりになってみると、頑丈な重い扉を閉められてしまったこともあり、いくぶんドキドキが止まらなくなってきました。私は閉所恐怖症ではない…ではない…断じてない!…と念じていると、余計に恐ろしさが増しますね。愚かなことでしたわ!(´;ω;`)
怖いけど寝てればいいか、と思いきや、ヘッドホンを渡された意味が検査が始まるとすぐに理解できました。ものすごくうるさいのです。まるで踏切近くの工事現場に横たわっているような気分でした。コチコチコチ…ズガガガガガガガガ!ドドドドドッド!てな感じで、とても寝られません。怯えながら耐えます。

結局チキンな私は検査中ずっと目を閉じて硬直していたので詳細は把握できませんでしたが、およその流れはこんな感じ。

 ・検査開始

 ・途中でアナウンスが入り撮影開始(騒音注意)

 ・いったん部屋に人が戻ってきて、造影剤を投与される
 (目を瞑っていたため、造影剤の正体不明。注射形式だったかと…)

 ・さらに撮影続行

 ・終わりのアナウンス

これで、大体1時間弱というところでしたね。ひとりでいる部屋に突然アナウンスが入るので、ちょっと飛び上がりました。ビビり過ぎ(^o^;)寝てるだけでなぜそんなにビビるのか…もしかして本当に閉所恐怖症なのだろうか…?

途中「造影剤」を投与されるところでは、数人の担当者が入室してきて若干賑やかになりますが、私は固まったままで、まともに目を開けることもできず、「では造影剤を入れますね~☆」という問いに、首をガクガクッと落として頷くばかりでありました。恥ずかしや~; せっかくの面白体験が台無しですね。

ともあれ、これは貴重な体験となりました(横になってただけだけど)。結果は1週間後。これが凄かったんですよ…



思ったより長くなったので、さらに(後編)に続く!





術前検査まとめ(前編)

2012年03月23日 | 卵巣摘出手術の記録


(前回までの記事)
 *手術 その前と後



さて、今回は卵巣嚢腫切除手術に至るまでに受けた各種検査についてまとめたいとおもいます。

私の場合は病気が発覚後、手術までにはちょうど1ケ月かかりました。そして、その間にはだいたい1週間ごとに検査を受けることになります。

また、それぞれの結果が出るのが大体数日後から1週間後でしたので、検査結果をただひたすら待つ時間が無限のように長く感じました。特に初期には。後期に至って「おそらく良性であって、どうにか大丈夫だろう」という結果が出るまでは、悪い方へ悪い方へと考えが進んでしまいます。こういうときの過ごし方については工夫が必要ですね(今思えば)。

さあ、そういうわけで、週ごとに検査をまとめますが、段階を進むにつれて詳しい結果が出て来るとともに、腫瘍の性質も「良性」判定に近づいていくことになります。逆のパターンもあるところでしょうが、私の場合はラッキーでした。

では、以下。

_____________________

【第1週】初診 最寄りの小規模クリニックにて

 *触診
 *超音波検査
 *子宮頸癌検査
 *子宮体癌検査
 *血液検査(腫瘍マーカー、貧血の疑いのため)


初日にはこれだけ受けました。
「不正出血」があった旨をお医者さんに告げると、原因についていくつか説明されました。この日の私は胃がむかむかして気分が悪かったのでほとんど聞き漏らしてしまいましたが、「不正出血」で考えられるのは、「排卵時にときどき起こる無害な出血」「卵巣、卵管のトラブル」「癌などの病気」ということだったかと記憶しています。そして最も避けたいのはやはり「癌」ですので、私はすぐさま「癌検診(2種類)」を受けることになりました。風邪気味と胃もたれでクリニックへかかりましたが、先生がおっしゃるには風邪も胃もたれも「不正出血」には関係ないそうです;


《触診》《超音波検査》
まずは触診と超音波による検査をしてもらいます。
先生は私の下半身を見るなり「こ、これは…だいぶお腹が張っていますね…」とおっしゃいました。そして腹部に超音波をかけてもらうのですが、お腹をなぞりながらモニターに内部を映してみると、なにか巨大なかたまりがずっとあばらの下のほうまで続いているようでした。先生しばし無言。「おぉ…こんなところまで…」というつぶやきが聞こえました。そして「これは手術で取らないといけませんね」

 …ッ!!??(いきなり大ショック!)

ちなみにこの段階では、腫れているのが卵巣なのか他の部分なのか、卵巣だとしても右の卵巣なのか左の卵巣なのか、それとも両方なのかということは分かりません。ただ「何か」「ものすごく大きなかたまり」があるらしいことだけは分かりました。
また、腫れているのが卵巣の場合、これほどの大きさになってしまっては切除以外の選択肢は無いということを告げられます。前の記事でも書きましたが、初期の場合には薬でも治るんだそうです。それと、人によっては腫れる際に痛みを伴うようですが、私の場合はさっぱり痛みませんでした…単に太ったのだと……

それ以上の詳しいことについては設備の整った大病院で診てもらわないと分からないということなので、市内にある大きな病院を紹介してもらうことになります。私はとりあえず近くの市民病院を選びました(後日)。


《癌検診》子宮頸癌/子宮体癌の検査
癌検診は「子宮頸癌」と「子宮体癌」の2種類、「子宮頸癌」のほうは綿棒のようなもので局部をなぞるだけのような簡単なものでしたが、「子宮体癌」のほうは子宮本体の組織を採取するので、予め先生から「出血を伴ってかなり痛みますがやりますか?」と幾度も質問されます。ここまできて「嫌です」というわけにもいかないのでやってもらいましたけれども、これは猛烈に痛かったです。私は割と痛みには耐える方ですが、それでも耐え難いような種類の痛みでした。たちまち顔色が失われ、動悸、息切れ、吐気、目眩の症状があらわれ、診察台から起き上がることができず床にかがみ込んでしまいました。冷や汗でびっしょり(しかし思い出してください。この日私は胃が痛くて最初から具合が悪かった! 検査はできれば体調の良い日に受けた方がいいかもしれないですね…^^;)。


《血液検査》腫瘍マーカー/血液成分検査
私は癌検診時にうっかり貧血症状を起こしたために先生から貧血を疑われ、血液検査も追加されることになりました。

その血液検査ですが、「腫瘍マーカー」という、血液の成分から腫瘍の性質を判断する検査があるそうで、それもついでに受けさせてもらいます。

この時のトラブルとしては、貧血状態の私の腕からは採血のための注射針をさしても血が一向に出ない! いやー、ああいう時ってあまり血が流れていないんですかね。全身の血はどこへ行っちゃうんでしょう? しばらく針をさしっぱなしにして看護士さんと苦笑いし合いながらも(看護士さんから私の顔がまだ真っ青だと心配されているうちにちょろちょろ出始めて)、どうにか血液を採ってもらえました。




このように初日は青い顔をしてクリニックを出ましたが、検査結果が出るのはこの日から3日後のことでした(最初は1週間後と言われていたけれども、3日後に診察予約の電話をしたら、もう結果が出ていると言われたので即日聞きに行きました)。
最初にも書きましたが、病気が判明してから一番辛かったのはこの「検査結果待ち時間」です。とくに初めの検査の結果を知るまでが最も精神的には辛かったです。神頼みに行くレベル。神を信じない私ですら近所の神社へ小銭を握りしめてお参りに行きました。まあ結局私は健康のことを願わなかったですけどね…(^_^;)条件反射でつい世界平和を願ってしまったわい。


【第2週】検査結果と病院紹介


さて、緊迫の3日間を過ごしたのちの結果はこちら。


 *触診 → 極端な腹部の張りが判明
 *超音波検査 → 腹部全体に大きなかたまりの存在が判明
 *子宮頸癌検査 → 異常なし
 *子宮体癌検査 → 異常なし
 *血液検査 →(腫瘍マーカー)異常なし
        (貧血その他)異常なし


というものでした。これでひとまずは第一段階をクリアです。急を要するような病状(進行した癌とか)ではなさそうで安心しました。

こういうシートを受けとる。これは子宮癌検査の結果表。

↓子宮頸癌結果。

↓子宮体癌結果。



検査結果を受けて、先生も私もわりと穏やかな空気に包まれました。私の血液検査の結果はとくに面白く、「貧血なのかと思ったけど、むしろヘモグロビンが多いね」「そうですか。それってマズいんですか?」「いや、全然。酸素を運ぶ能力が高いということです。長距離ランナー向きの体と言えますね! ハハハハハ!」「アーそう言えば、私は走るの遅いんですけど、持久走だけはちょっと得意でした!☆(ゝω・)vキャピ」と談笑する余裕さえありました(^o^)

こうして【第2週】はほとんど面談と病院紹介だけで終わります。前回の診察時にいくつか候補を挙げてもらっていたうちの病院から、私は市民病院を選択。すぐに紹介状を書いてもらい、診察予約もしてもらいました。

腹の中の巨大なものの正体が依然として分からないので、次は市民病院にてMRI検査などを受けて詳細を調べることになります。ここからも長かった!


 つづく~~~!


手術 その前と後

2012年03月16日 | 卵巣摘出手術の記録




さて、今回は、卵巣摘出手術の前後で私の身体がどのように変化したかについてまとめてみたいと思います。

いまちょうど不運にして「卵巣が腫れているから手術で摘出しなければならない」とお医者さんから宣告を受けてしまい、たまたまこの記事に行き当たったという方に、あるいは今後同じような局面に立たされるかもしれない女性の方々に、少しでも参考になるような内容だといいのですが。


まずはじめに、卵巣が腫れるという症状自体はごくありふれたものらしく、初期だと薬の服用で治るのだそうです。私の場合は、呆れるほどに卵巣が肥大していたために取り出さざるを得ない状況でしたが、万一「摘出手術」が決定してしまっても、運がよければそれほどの負担もなく完治する病気です。手術の方式も、現在では患者に負担の少ない方法を取ってくれるようですしね。手術と言うと構えてしまいがちですが、私のように手術まで1ケ月、入院は1週間、そして3ケ月の(うち全2回の)通院で完治、というケースもありますので、もしも同じような状況におかれましてもどうか元気をだしてください(^_^)

ちなみに、私の左の卵巣は本来ならば「親指の先くらいの大きさ」であるべきところでしたが、最終的には 全長30cm、重量およそ3.5kg という大物に成長しておりました(笑えるほどデカかったので、しつこく何度でも書きますヨ^^マジデケー!マジウケル!)。

そんなに大きくなるまで気がつかなかったものだろうか? という疑問がわきますが、私はまったく気がつきませんでした。
鈍くてスミマセン…(´;ω;`)



【自覚症状はあるのか?】

(私の場合)
*生理不順はなし
*下腹部の痛みもなし
*下腹部が少しずつせり出して来ていたが、中年太りだと思い込んでいた!

こんな状況でした。痛くもかゆくもなかったので、まったく気がつかず。
では、どうして気がついたのかと言うと、

*あるとき、風邪気味で胃の具合が悪かった
 同じ日に、はじめて不正出血があった
 ↓
*翌日、近所の「内科&婦人科」クリニックで受診
 (この段階では、風邪か胃もたれだと思っていたので内科併設を選択)
 ↓
*不正出血があった旨を先生に伝え、がん検診2種類(子宮頸癌、子宮たい癌)と、腹部のエコーを受ける
 ↓
*エコーをかけるまでもなく、先生から下腹部の異常な膨らみを指摘される。その後エコーにより、なにやら巨大なものが腹部全体を占めているらしいと判明
 ↓
*モノが大きすぎて逆に正体が分からないが、おそらく卵巣が腫れているので「手術が必要ですね」と言われる


…胃もたれじゃなかった!Σ(´∀`;)

先生からは、「これほど大きくなる前に、痛みとかはなかった?」と3回くらい聞き直されましたが、私は「……???^o^;いえ? なかったと思います…」と答えるしかありませんでした。痛くは…なかったよな? うーん、少なくとも耐え難いような痛みはなかったです。

上にも書きましたが、現在35歳の私は、このごろ下腹部がせりだしてきたのは話に聞いていた「中年太り(内臓脂肪バージョン)」だと思い込んでいたため、日夜腹筋のトレーニングに励んでいたのです。普通の腹筋では効果がない…では「ひねり」も追加だ! というなかなかハードなものだったのですよ。今思えば逆効果でしたね…うふふ。やればやるほど腹が出て来ていましたわ。とほほ!

先生にも正直にそのように伝えたところ、「脂肪じゃないからトレーニングしても無駄だよ(笑)」、私「ですよねー(笑笑)☆」などという和やかなやりとりもありつつ、しかしいきなり手術が確定してしまったことは、それなりに衝撃的なことでしたね。


と、このようにほとんど自覚症状らしきものがないまま、私は病気にかかっていることと要手術が確定してしまいました。ですから、痛みがなくても、こういうことはあり得るということです。もしもあの時に不正出血がなかったら、一体どうなっていたのだろうかと思います。…やっぱ破裂…?ブルブル(/o\;)

不正出血にはさまざまな要因があるそうですが、もし出血があったらすぐさま病院へ行ってみるのが大事ですよ!(私も病院は嫌いですが、そんな私ですらそのようにしました。そしてそれが正解でした)


それからの検査と手術の詳細は別の記事であらためてまとめることにしまして、次に、卵巣を取る前と後で、私の身体が具体的にどのように変化したのかを書き出してみます。


【体型】

(前)ウエスト=計測したくないくらいの太さ
  今考えると、右方向に傾いて、かなりいびつに膨らんでいました。
  よくよく見れば、異常でしたね。
  しかしその事実に気がつきたくなかったので、気づきませんでしたorz

(後)ウェスト=驚きの61cm!
  「手術ダイエットwwww」と術後に先生と爆笑しましたww

全体の体型については、手術前には腹部だけが極端に飛び出していて、手足は次第に痩せ細っていきました。手術直前にはとうとう棒のように細くなり、また胸部もあばらが浮いて、ガリガリという以外に表現が見当たりません。(そうなるまで気づかない私って……)

手術を終えてから初めての入浴の際には、身体があまりに細いのにびっくりしました。それと、お腹のぺったんこ具合にも驚きましたね。本当にぺったんこ、というよりか、むしろ凹み、「凹」←コレ、冗談抜きでこの漢字みたいになってましたヨ。


【体重】

(前)44.5kgくらい

(後)41.2Kgくらい

取り出した卵巣の重さがおよそ「3.5kg」でしたので、ぴったりその分軽くなりました。それについても先生と「手術ダイエットww1日で激痩せwww」と大ウケしましたね(^o^;)終わってみれば呑気なものです、ははは!


【体調】

(前)生理前には起きていられないほどの倦怠感にしばしば襲われる
   激しい腰の痛み(肥大した卵巣による背骨圧迫のため)
   胃もたれ(肥大した卵巣による胃の圧迫のため)


(後)生理痛すら感じない

体調の変化が、もっとも大きな変化だったと言えます。
私は初潮を迎えて以来ずっと生理痛というのはあって当たり前のものだと考えていたので、「生理痛がない」だなんて架空のお話だと思っていました。が、本当にそんなことがあるんですね。今はなにも辛くもなければ痛くもありません…びっくり。これまで知らなかった領域に突入したようだぜ…

ちなみに、卵巣は左右にひとつずつ付いているので、片方がなくなっても残った一方が機能を補完してくれます。今のところ、私の残った右側の卵巣は順調に働いてくれているようです。生理が1ケ月おきにしか来なくなる、というようなことはありません。毎月変わらずあります。不思議!

もうひとつ、これはまだ確実な変化とは断定できませんが、ホルモンバランスも安定したような気がします。
下腹部が膨らみはじめたと自覚したのは結構前ですが、今思えばそのころから、私はときどき夜中に汗だくになって目が覚めるようになりました。のぼせの症状が激しく、四六時中暑くもないのに汗びっしょりだったり、時には鼻血が止まらなかったりしたのも、そのせいだったかもしれません(それでも気づかなかった私って……)。そのような症状は、術後には今のところ見られませんね。このまま続いてほしいところです。
しかし、あまりそんな風には思いたくないけれども、もしかしたら左の卵巣はそもそも私の身体には合っていなかったのかもなあ。これほど急激に体調の変化があると、ついそう考えてしまうのですが、どうなんでしょう?


それにしてもこうして振り返ると、「なぜ気づかなかったのか!?」ということばかりで焦ります。けれども、意外と気がつかないものですよね。とくに痛みのような症状がなければ、まさか自分が病気だなんて思わないものです。定期検診の大切さを痛感いたしました。
というわけで、みなさま、年1回は医療機関で詳しい検査を受けましょう!


次回は、各種検査の内容と、手術についてまとめたいと思います(^_^)







術後3ケ月検診

2012年03月15日 | 卵巣摘出手術の記録





今日でちょうど3ケ月。「もう」と言うべきか、「まだ」と言うべきか。ともかく手術を終えて3ケ月が経過しました。

検診は術後6ケ月まで設定されていたはずでしたが、今日の検診でとくに問題が見当たらなかったので、先生からは「もう来なくていい」と言われました。それで私も「そうですか、ありがとうございました」とアッサリサッパリと先生にお礼を申し上げて帰ってきたというわけです。あっ、結局正式な病名(めちゃ長い)を聞いてくるのを忘れたぜ…orz まあ、いいか。

いや、しかし、終始一貫してクールに対応してくださった先生には、感謝の申し上げようがないですね。途中、いろいろとショッキングな資料を見せられたりしました(ドでかい卵巣に埋め尽くされた腹部のMRI画像とか、手術中に腹部に挿入されたカメラで撮影された高画質な患部のカラー写真とか…「これ、奥に見えるの、肝臓ね★」とか言われた。私の肝臓、実に綺麗なものでした。あと腹の内側の壁、私もやはり動物なんだなあ、としみじみしました^o^;)が、「大丈夫、おそろしいものじゃない」という先生のお言葉に励まされて、私もあまりうろたえることなく、ベルトコンベアーに載せられた気持ちで(本当に自分では何もやることがなかった。病気治療の不思議さよ)、すっかり良くなりました。


これにて完治!!
ありがとうございました!!!



さて、腫れ上がった卵巣のひとつを摘出してから3ケ月。3ケ月もあったのに、私はその興味深かった闘病体験についてほとんど何も書くことができませんでしたね。まあ、闘病というほどたいしたことはなかったですけど(^o^;)

書けなかった理由は、別に卵巣を失った喪失感がどうとかいう訳ではありませんで、ただ単に精神力が足りなかったということに尽きます。

ちなみに喪失感ということについて言えば、本当にまったく全然、何も感じません。親知らずを4本抜いたときの方が、よほど喪失感と痛みがありました。「モノ」が目に見えているかいないか、ということが意外と重要なポイントのようですね。卵巣などは普段はちっとも意識しない臓器なので、私としては「ないと言われればそうなんだろうけど、あると言われれば、まだあるような気もする」という心境ですね。これはもちろん、取り出したのが片方だけで済んだおかげですけどね。両方取らなければならない場合には閉経による肉体的変化が一挙に押し寄せて、ずっと大変だったろうと思います。私は運がよかった。

話を戻しまして、精神力が足りないということです。

当時は意識していませんでしたが、昨年末に突然病気が分かってから入院、手術、そして退院するまでの間のちょうど1ケ月間、私はテンションをかなり高く保ち続けていたようです。無理矢理上げていた感じがありますね。もちろんネガティブなことはこれでもかというほどに考えましたけれども、不安に飲まれすぎることはなかったですし、全体を通して割と冷静にしていられたかと思います。その間、涙脆い私が一粒の涙もこぼしませんでしたしね。泣くほどの不安を感じなくて済んだのは、もちろん関係者のみなさまのおかげです。本当にいい時代になったなあ。検査はいちいち面白かったですしね。中には猛烈に痛いものもあったけど。

まず今回の経験を通して分かったことは、私は自分が死に直面することには耐えられそうだということです。いや、まあ、死ぬような病気ではなかったですが!(←結果的には) でも当初はどの程度の病状なのかがまるで分からず、年を越せるのだろうか? とか思ったりもしましたのでね。
ただ、もしこれが私の親しい人の身の上に降りかかっていたなら、私はきっと慌てふためき心をかき乱され、嘆き悲しんだに違いありません。ですから、どうか皆様、くれぐれもお体をお大事にしてくださいませ!

そういうわけで、検査から検査、そして手術とその後の痛みが続く間も、私は気持ちを高いところに押し上げたままでいました。入院することをお知らせすると、多くのお友達がメールを下さいましたが、それに応える私の調子は、今思えば必要以上にハイテンションだったかという気がします。私はもともと非日常的な体験をすることに対して興奮するたちなので、そのためでもありますが、要するに、あの頃の私は感情のある部分のスイッチを切っていたのかもしれませんね。できるなら面白可笑しいことしか考えたくなかったですし、できるだけ多くそのような言葉を残したいと考えていました。

それでも入院までの1ケ月、このブログをいっさい更新しなかったのは、私が閉じていたせいです。ブログ記事を書くという行為は私にとっては、自分の深いところへおりていくという作業でありまして、私の深いところには悲しみや苦しみ、不満や不安感といったものがなみなみと満ちているので、そんなところへはとても行く気がしませんでした。私は上辺だけで生活しました。けれども私の上辺には明るく朗らかで、この世界の美しさを喜ぶような性質がたしかに備わっているらしいことが分かったのは収穫でしたかね。カラ元気を振り絞ることは、私にも出来る事柄だったんだ!

しかしながら、カラ元気を振り絞ったツケを、いま支払わされています。反動で落ち込むようになったわけではありません。依然として、何も感じないでいるのです。いや、喜怒哀楽を感じてはいますが、それを表現することができません。スイッチが戻らない。うーん、困った。面白いことはたくさんあるのに、言葉にすることができない。この症状はなかなか治らないんだよなー。ああー、困った。


けど、今日で病気は終わりました。……ああっ、もう病み上がりの言い訳がきかなくなる! 便利だったのになあ。「私、いままだ病み上がりなので…ゴホゴホ…」なんて、もう通用しないのか。
なんつって!!☆(ゝω・)

今日で病気は終わりです。
だから、ちょっとホッとすることにして、私のもとから去ってしまった左の卵巣のことを思い出してやろうと思います。そして私が無視し続けていたあの頃の不安感についても、少しずつ触れていくことにしましょう。喪失感を正しく取り戻して、深いところへおりていこう。悲しみや怖れ、さまざまな薄暗い感情を、私の心の半分をそろそろ取り戻さなくては。



てなわけで、もういい加減に精神力を回復させますよ!
次回は、完治してみての具体的な肉体の変化について少しまとめたいと思います(^_^)







111222 生還シマシタ!

2011年12月22日 | 卵巣摘出手術の記録



みなさま、ご無沙汰しております<(_ _)>

私は先週より入院しておりましたが、無事に手術も済みまして、本日元気に生還いたしました!! シャバの空気はうまいゼ~~~☆

あー、辛かった!

なにが辛かったって、やっぱり食事ですよね。私なんかは普段から修行僧みたいな質素な食事なのでむしろ病院のご飯はいつもより美味しいくらいなんですけれども、それでも病院食というのは味気ないものです。なんだろ? なにが違うのかな~? 品数も多いし、量も少なくないし、なにも問題ないはずなのになあ? ふしぎ!

それにしてもクリスマスを目前にして滑り込みで帰宅できたのでよかった。実は今日の夕方の内診で先生から「もう帰ってもいいけど、いつ帰る?」ときかれ、「いますぐ! 一秒でもはやく帰りたいですっ!!」と叫んで、すぐさま帰らせてもらいました。ほんとは明日の予定だったから、家にはK氏もいやしませんが、まあそんなことはいいんです! やった~~! やったよ~~~!!



というわけで、手術のほうは、術後の様子も順調で、ほとんどすっかり完治と言ってよさそうですね。術後数日は直立して歩くことすらままならなかったのに、ぐんぐん治りました。あとは体力を回復するだけだわさ。

ちなみに病名は「卵巣嚢腫」と診断されました。取り除いた患部の検査がまだ残ってはいますが、まずこれで確定しそうです。まるっと1個、卵巣を取っちゃいましたヨ☆ 

手術がうまくいったので、気を良くして先生にものの大きさなどについて聞いてみたのですが、

 総重量は 3.5kg くらいあったらしい…

 \(^o^)/怖っ!!


先生は顔を合わすたびに「これは大きい」「これほどの大きさの」「大きかったで~」とばかりおっしゃるので、そのくらいの大きさだったということですかね。まあ、しかし稀にそういうことはあるらしい。手術前の体重は 44.5kg でしたが、術後の体重は 41.2kg まで減っておりました。見事じゃ! でも軽過ぎじゃ!!

腹には縫い目がまだありますが、開腹から6日間で塞がるものなんですね~、傷がもう閉じてます。感心だわ~。ほんとにもう科学技術の大勝利だわ~~!!


さて、まるっと1個の卵巣と申しましたが、この卵巣が通常なら3センチほどの大きさのところを私はうっかり30センチほどまでに育て上げてしまったようで、もうえらいこっちゃでしたわ(…なぜ気づかないのか…?;)。しかし、この病気は比較的ありふれたもので、罹る人は多いようです。幸い卵巣というのは1つ無くなっても、もう1個残ればとくに問題ありません。

これを私は「腹腔鏡手術」という方式で処置してもらったわけですが、これらの経験は私としてもとても勉強になりましたし、もしかしたら知りたいという方がいらっしゃるかもしれないので、おいおい記事にまとめてみたいと思います。30センチ、内容量(おもに水分)およそ3000ccのブツをどうやって3、4センチの切り込みから取り出すのか、興味ありませんか? え? ないですか? でも書きますよ!




ふうふう…もう元気なんですが、さすがにまだ長時間活動し続けるのは難しい。体力、筋力ともに衰えまくっているので、年内はだらだら休みながらちょっと太ろうかなあ。あー、お腹が膨れてたのは中年太りだと思ってたのになあ、手術を終えたらぺったんこになってたヨ!! まるで棒切れダヨ!!


さて、私は意外と楽勝モードで退院する幸運に恵まれましたが、やっぱり病気はしたくないものですね。
みなさまもどうかお体にはお気をつけ下さいませ~~<(_ _)>