ロバート・A・ハインライン 福島正実訳(ハヤカワ文庫)
《あらすじ》
ぼくの飼っている猫のピートは、
冬になるときまって夏への扉を探
しはじめる。家にたくさんあるド
アのどれかが夏に通じていると信
じているのだ。1970年12月3日、
このぼくもまた夏への扉を探して
いた。最愛の恋人には裏切られ、
仕事は取りあげられ、生命から二
番めに大切な発明さえ騙しとられ
てしまったぼくの心は、12月の空
同様に凍てついていたのだ! そ
んなぼくの心を冷凍睡眠保険がと
らえたのだが・・巨匠の傑作長篇
《この一文》
” 扉に行きつくごとに、ピートはぼくの脚のあいだをかいくぐり、首をつき出して外を見ては、まだ外が冬であることを知ると、無造作にくるりとふりむいて、危うくぼくを転倒させそうになる。
だが、ピートも、ぼくも、決して、つぎの扉こそ探し求める扉だという確信を、放擲することはなかった。 ”
はらはらしながら読みました。
気楽に読める娯楽作でしょうか。
どんどんと話が進んでいくので爽快です。
この人の作品は他にも面白そうなのがたくさんあるので、
まだまだ楽しめそうです。
次は『メトセラの子ら』を読みたいです。