半透明記録

もやもや日記

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第一刷 刷り上がり

2008年05月31日 | 同人誌をつくろう!


同人のみなさま、こんにちは!
ずいぶんと間があいてしまいましたが、ようやく YUKIDOKE の第一刷が刷り上がりました。入手困難なB6用紙を探して注文したり(1万枚も買ってしまった…; ので、欲しい人にはあげます!)、プリンタが壊れたりして大騒動でしたが、どうにかここまでたどり着きました。

さて、あとは綴じるだけです。しかしそれが問題だ。

いろいろと悩みましたが、今回はやはり思いきって上製本に挑戦しようと思います。ハードカバー。うまくできる自信がまったくありませんが、やるだけやってみたいと思います。なにごとも挑戦あるのみです。だめだったら並製本にしますよ。そう思えば気楽です(しかし並製本もそう簡単ではないのであった……)。少なくとも良い経験にはなるでしょう。自分で本を作るだなんて、滅多にできない作業でしょうしね。


こんな感じで、いちおう地道に作業は続けておりますので、みなさまのお手元へはあと少しでお届けに上がれるかと。お楽しみに!




芋井君と海

2008年05月30日 | 自作まんが

自作フラッシュ漫画
「たんていものがたり 甘味処は甘くない」より



私がフラッシュアニメ作りにはまっていた頃、こんな漫画も描いたことがありました。あらためて見直してみると、(いつものことながら)すげーくだらない!! なんだコレッ!
でも懐かしいので、無期限停止中のホームページから別館ブログへデータを移しておくことにしました。いつでも御覧いただけますよ☆(ただし壮絶にくだらないですヨ★)

あらすじを申しますと、J町という町にある甘味処に事件が発生し、ペンギンのアステリスク&モデュラスが大活躍する(多分)というお話です。全4話。


  超お暇な方は、こちらからどうぞ♪ 

 →→《不透明記録:層》「たんていものがたり 甘味処は甘くない(その1)



で、今日はその懐かしい漫画の転載記念というわけでもないのですが、同じ甘味処の面々を登場させた新しいくだらな系マンガを描いたのでここに載せてみます。いやー、こんなのに半日もかけちゃいましたよ(/o\)


*画像をクリックで別窓/拡大*









ふう。
あんまりくだらないことをやってる場合でもないんですけどね;
……つい。



『ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!」

2008年05月29日 | 映像(アニメーション)
1993年

《あらすじ》
グルミットの誕生日に内緒でプレゼントを用意したウォレスだったが、高価な買い物をしたおかげで家計は火の車。そこでウォレスは空き部屋を貸そうと考える。部屋を借りに1匹のペンギンがやってくるが……。




とにかく黒い。なんて悪いペンギンなんでしょう。こんなにダーティーなペンギンは他に見たことがありません。衝撃的です! 悪いやつだな~。でもやっぱ間抜けで可愛い。ふふ。


「ウォレスとグルミット」のシリーズのなかでも私がもっとも好きなのが、この「ペンギンに気をつけろ!」。あまりにも面白いのです。突っ込みどころが満載です。まず冒頭からして可笑しい。
起床したウォレスが、壁の隠し金庫から取り出したブタの貯金箱からは硬貨が3枚・・・これが全財産らしい;(大人なのに信じられない!←と自分を棚に上げて言ってみる)
で、なんでそんなにも金がないのかと言えば、その日誕生日を迎えた愛犬グルミットのためにプレゼントを買ったのだという。うん。そこまではまあ感動的。しかし、肝心のプレゼントを受け取ったグルミットは微妙な表情をしている。たしかにこんなプレゼントでは嬉しくないですよねー。

このシリーズの面白さのひとつには、こういうウォレスとグルミットとの意志の決定的な食い違いというかウォレスの一方的な思い込みというか、一応飼い主であるはずのウォレス(発明家)に比べて、どう見ても圧倒的にグルミット(犬)のほうが優秀であるだとか、そういう奇妙な不一致があると言えましょう。

そして、今回の物語の魅力の多くを占めるのはやはりペンギンのマッグロウ。一見つぶらな瞳の可愛いペンギンですが、実はよからぬことを企み、着々と計画を実行に移してゆくその様は堂々たるものです。サスペンスでハードボイルドな感じなのです。ペンギンなのに……。
このマッグロウというキャラクターによって、私はこれまで単に可愛いだけだと思い込んでいたペンギンという存在の新たな一面を思い知らされたと言っても過言ではありません。制作者の持つそのあたりのユーモアのセンスは毎度のことながら抜群なんですね。


ついでに、原題がまた爆笑もの。

" The Wrong Trousers "

……確かに!! オープニングを観るたびに吹き出します。ぶはー!



ああ、何度観ても笑えるわい。



『ペンギンたちの不思議な生活』

2008年05月28日 | 読書日記ー実用
青柳昌宏 (講談社BLUE BACKS)

《内容》
序 章:それでもペンギンは飛んでいる
第1章:いろいろなペンギン
第2章:ペンギンとはどんな生き物か
第3章:ペンギンはなぜ恍惚状態になるのか
第4章:ペンギンはなぜ保育所をつくるのか
第5章:ペンギンはなぜ礼装をしているのか
第6章:ペンギンはなぜ頭に意味をもたせるのか
第7章:ペンギンはいつ、どこで出現したのか
第8章:最新ペンギン事情

《この一文》
“南極のフィールドでは、一人で歩いていると時々遠くからペンギンに呼びかけられることがある。この呼びかけはコンタクトコールといわれる鳴き声で、返事をしてやると、それに答えながら雪渓を駆けおりて、目の前までやってくるといった愉快な経験をすることができる。ただし、誰でも鳴き真似が通用するわけではなく、ペンギン語=ペングィッシュの第一課をマスターしていないといけない。
  ――「第6章 ペンギンはなぜ頭に意味をもたせるのか」 ”



私の愛読書です。もう何十回となく読み返していますが、青柳先生のユーモア溢れる分かりやすい本文よりも、ついつい数多く収められたペンギンの可愛い写真や挿絵に気を取られて、毎度あまり内容が頭に入りません。それだけがこの本の難点でしょうか。

とにかくペンギンは可愛い。どうして人はこんなにもペンギンに惹き付けられてしまうのか、それは分かりませんが、この本を読めばそんなペンギンたちに関する基礎的な知識を身に付けることができます。

有名なイワトビペンギンってマカロニペンギン属だって、知ってました? ヒゲペンギンはアデリーペンギン属なんですよ! ついでに、アデリーペンギンは「渡り」をする鳥で、繁殖のときだけ島へ帰ってくるらしい。いやー、ためになる!

著者によるそれぞれのペンギンについての解説文がとても面白いので、2つばかり部分的に引用してみましょう。
(下のペンギン絵は私によるもの)


  
【キングペンギン】(オウサマペンギン)エンペラーペンギン属
 繁殖期間は14~16ヶ月を必要とするため、完全な繁殖ができるのは3年間で2回にすぎない。人間の影響から隔離された孤島に分布しているので、生息状況は安定しており、個体数はやや増加傾向。一見、王様ぶってはいるが、人の鞄を覗きにやってきたり、ゴムボートをみんなで追っかけてきたりする癖は、どうしてもなおらない。
  
【アデリーペンギン】アデリーペンギン属
 もっとも表情豊かなペンギンで、騒がしく、喧嘩が絶えず、雛は泥んこ。呼ぶと返事をしながら走ってきて、こちらの人相を片目で観察する。アデリーこそペンギンのなかのペンギンだ。



ペンギンは可愛いだけの生き物ではない、ということも分かる実用書。
でもやっぱり可愛いな。


ペンギン強化週間

2008年05月27日 | もやもや日記

自作ループアニメ「ピンポンペンギン」




もうすぐ衣替えですね。
そろそろ暑くなってきました。大阪の夏は長い。

そこで、少しでも涼しい気持ちで過ごすべくブログデザインを変更してみました。トップ画像は、イワシの群れを追いかけるアデリーペンギンの図。

ついでに、よく覚えていませんが確か2年くらい前に作ったペンギンのアニメーションも載っけてみました。アステリスク(左)とモデュラス(右・帽子)の死闘「卓球編」。御覧の通り、いつまでもいつまでも決着はつきません。疲れるー。


それにしてもペンギンというのは、何をやっていても間抜けで可愛いものです。ペンギンを主役に、なにか新しく、こんなふうにループするアニメーションを作りたいなあ。



今週はペンギン ネタで更新してみる予定です。




『ばら色の家』

2008年05月26日 | 読書日記―エレンブルグ
イリヤー・エレンブルグ 米川正夫訳
(『ロシヤ短篇集・米川正夫訳』 河出書房新社)


《あらすじ》
ニコロ・ペストフ横町の前三等官フグセーボフのばら色の家には、年老いたモデスト・ニキーフォロヴィチ=フグセーボフとその娘エヴラーリヤが暮らしていた。外からはありふれて見えるこの家の内部ではしかし奇妙な生活が営まれていた。
ロシアには革命があった。だが、エヴラーリヤはその事実を父である元将軍フグセーボフに知られないように、細心の注意を払っていたのである。


《この一文》
“モスクワ、なんという奇怪千万な町だろう、これこそまったく本当と思えないような町だ! 今までにどれだけ統計や、調査や、計算を並べたてたかしれない。けれど、モスクワの馬鹿らしさかげんは、まだ表に現したものがない。  ”



エレンブルグの短篇。いつごろに書かれたものなのか、原題は何と言うのか、どの短篇集に収められていたのか、ということはちょっと分かりませんでした。年譜を調べても載っていないし。
普段はこういうことを調べたりするような私ではないのですが、今回ばかりはちょっと気になったのです。なぜならば、どうもこれまでに私が読んできたエレンブルグ作品とは何か感触が異なる。作者を知らないで読んだら、きっとエレンブルグの作品だと気が付かなかったかもしれません。

真面目すぎる。

いえ、この人はいつも真面目なのです。ただ、私を夢中にさせるあの爆発的なユーモアが、この作品にはほとんど見られません。イリヤになにがあったのか心配になります。しかしもちろん、面白くなかったというわけでは決してありません。息も付かせぬ迫力と疾走感のある文体は、やはりこの人のものなのです。

ある親子の物語。病気で寝たきりの元将軍はながらく外出しておらず誰も訪れるものさえいないので、ロシアに革命があったことを知りません。娘は、父のことを思いやって、必死でその事実を隠し、ロシアはいまだ偉大な皇帝に治められているらしく大昔の新聞記事を取り出しては読んで聞かせるのでした。しかし、時代は確実に動いており、いつまでも嘘を突き通すのはますます困難になり……。

とにかく痛ましい。そして恐ろしく悲しい結末。
人間が、あらゆる状況に生まれでてくるのは、生まれるなり人種や階級やその他もろもろの他と我を区別し差別を生じさせるものを持たされるのは、いったい何のためだろう。こうやって際限なく争うためだろうか。
そんなことをいつも考えてしまいます。

つい悲しくなってしまったけれど、この短篇はもっと深く読むことができそうです。どうにか自分のものにしたい。




欲しい

2008年05月25日 | もやもや日記
新型 Mac book



このところ、これが欲しくなって仕方がありません。
あー、欲しい。欲しいなあ。
白いのではなく、黒いのが欲しい(一番高価な型ではありますが)。

別に今の POWERBOOK-G4 に不満はちっともないのですが、なんというか、そろそろ買い替えてもいいかなーと思ってしまっています。うーん。うーん。

で、私の計画としては、新しいのを買って、MAC と WINDOWS を共存させたいのです。そーゆーことが今のマックでは簡単に出来るらしいのです。しかも昔に比べて価格もかなり親切な感じですし。

あー、欲しいなあ。
買っちゃいたいなあ。
ああ!!



猫と愛情

2008年05月24日 | もやもや日記

このあいだ、珍しくネコが私に構ってくれました。
感激の写真。


日頃からネコに対しては過剰な愛情を示している私ですが、相手にとっては迷惑とまではいかないものの(←多分)完全なる無関心をきめこまれています。ところが、このあいだの飼いネコは、飼いネコであるためか人懐っこくて、驚いたことに私の膝の上にまで乗ってくれました。わあ~!

しかし、ネコ氏の立ち去った跡には大量の毛が付着しておりました。きっと毛づくろいをしてほしかったのでしょう。そう言えば以前にも、ちょうど毛の生え変わる季節に、近所のネコさんにすり寄られ、ブーツの紐をかけるための鋲の部分が毛だらけになった記憶がよみがえります(要するに、「私」と言うよりは、毛を取るための「ブラシ」を欲していたらしいのです)。
ふふ。まあ、それでも良いのです。
愛することが美しいのは、それが一方通行であるときに限るのです。何か返されることを期待しているとき、それはもはやそのものを愛していないに等しいのです。それは単なる利害関係に過ぎません。

私が猫を愛することは、相手が私を好きか嫌いかにかかわりません。愛するという行為は、そのように美しくもあり、また恐ろしくもあるものですね。猫にどれだけ素っ気なくされたとしても、私としては追いかけずにはいられないのですから。そして、瞬間的に気まぐれに示される好意的態度によってどれだけ猫に利用されたとしても(そして無情に捨てられようとも)、やはり私としては追いかけずにはいられないのです。
つまり愛を捧げるというのは、こういうことなのです。いや、愛は捧げることしかできない性質のものなのです。おお、思わぬ真理に到達してしまって驚きを隠せないではないですか。



以上、猫にまつわる私の偏った愛情論でした。
(「愛する」ことについてはいくらか述べることができましたが、「愛される」ことに関してはまた別に考えなくてはならないところでありましょう。いつか私が猫から愛されるようになった日には、少し考えられるかもしれませんが、どうもそんな日は来るような気がしないのでした。おそらくこれが「宿命」と呼ばれるものなのでしょう)



『富豪刑事』

2008年05月23日 | 読書日記ー日本
筒井康隆 (新潮文庫)


《内容》
キャデラックを乗り廻し、最高のハバナの葉巻をくゆらせた“富豪刑事”こと神戸大助が、迷宮入り寸前の五億円強奪事件を、密室殺人事件を、誘拐事件を……次々と解決してゆく。金を湯水のように使って。靴底をすり減らして聞き込みに歩く“刑事もの”の常識を逆転し、この世で万能の金の魔力を巧みに使ったさまざまなトリックを構成。SFの鬼才がまったく新しいミステリーに挑戦する。

《この一文》
“ ここで突然、鎌倉警部は回転椅子をくるりとまわし、読者の方へ向きを変えて喋りはじめた。「さて、読者の皆さん。ここでわたくしからひとこと皆さんにご挨拶申しあげます。この小説は、このあたりでちょうど前半を終ったところでありますが、賢明な読者諸氏の大方におかれましては、この事件の犯人の犯行手段及び密室のトリックがいかなるものであるか、もうすでにちゃんとおわかりのことと存じます。なにぶんこの作者、本格推理など書くのは初めてのことですから、文中へ伏線をたくみにまぎれこませるなどといった芸当はとてもできぬらしくて、今までの部分で謎の解決に関係のある事件のたいていのデータはまっ正直に投げ出しております。……」
  ―――「密室の富豪刑事」より  ”




『ロートレック荘事件』に続き、筒井先生のミステリ小説です。
それにしても、『ロートレック』のときほど込み入ってはいないものの、こちらの『富豪刑事』もまたなんともメタな……。面白いじゃないですか。とにかく、登場人物が突然「読者への言い訳」をしはじめるのが笑えます。「ミステリってあまり書いたことがないんですけど、がんばりました!」みたいな。こういうとぼけたところが素敵なんですね、筒井先生は。

全部で4つあるお話の中では「ホテルの富豪刑事」が私は一番面白かったです。






『われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う』

2008年05月22日 | 読書日記ー日本
土屋賢二 (文春文庫)


《内容》
名作「わたしのギョーザをとって食べた人へ」をはじめ「胃カメラからの生還」「妻への詫び状」「論よりだんご」「女性を徹底的に賛美する」「わたしの教えた学生ワーストテン」など、常識の垣根を取り払い、森羅万象をユーモアと諧謔で解きあかした、お笑い哲学エッセイ集。著者自身によるイラスト多数収録。

《この一文》
“一般には知られていないかもしれないが、哲学をやっている者も思索する。
   ―――「時間の効率的活用法」より  ”



実は私はユーモア・エッセイというやつが好きです。私の書棚には日本人作家による本はあまり並んでいないのですが、その少ないもののうちでもエッセイがほとんどを占めています。一番多いのは言うまでもなく内田百間先生の随筆(エッセイというよりはやはり「随筆」と言いたい)。そして次に多いのがこの土屋先生のエッセイです。なんだかんだで買い集め、気が付けば5、6冊は持っています。ついつい御布施してしまったなあ。

土屋先生は哲学科の先生ですが、内容はそんなに哲学のことを意識しなくても楽しく読めます。しかしやはり哲学科の先生だからなのか、もともとの性格がそうでいらっしゃるのか分かりませんが、細かいことをいちいち粘着質に述べられています。そのありさまはとても面白い。

「わたしのギョーザをとって食べた人へ」というお話は、土屋先生が行きつけの中華屋さんでギョーザを頼んだ時、ふと気が付くとお皿の上のギョーザが4切れしかない。なんだかいつもより1切れ足りない気がする……。隣の席には中年の夫婦らしい二人組。ギョーザは先生とその二人のちょうど中間に置いてあり……。
「ひょっとしたら食われたんじゃないだろうか、いやそれとも……」と嵐のようにわき起こる疑惑の念をやはりねちねちと書き綴ってあって爆笑です。
ギョーザたった一切れをめぐって、まあよくここまでこだわれますね。と思いつつ、気持ちは分からなくもないので、そのあたりが絶妙なんですね。


土屋先生の本はどれも読みやすく、にやっとすること請け合いです。さらに良いことには、いずれも面白いお話ばかりであるにも関わらず、読み終えてしばらくするとその内容をきれいさっぱり忘れてしまうので、何回でも楽しめるところでしょうか。私などはこの『われ大いに笑う…』を買う時、中身をぱらぱらとめくってみて、「何か以前に読んだ気がする…」と2度買い覚悟で買ってきたのでしたが、実際はまだ持っていない本であることが分かったので良かったです。要するに、いくつかのお話は内容が似ていて区別のつかないものもありそうだとも言えるかもしれません。でも面白いので、「気軽な読み物」としては最適であることは間違いないことでしょう。