半透明記録

もやもや日記

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『みずうみ』他四篇 シュトルム作 関泰祐訳(岩波文庫)

2004年12月03日 | 読書日記ードイツ
《あらすじ》

月光に浮び上がる少女エリーザベトの肖像。老学究ラインハルトは
いま少年の日の昔にいる。あの頃は2人だけでいるとよく話がとぎ
れた。それが自分には苦しくて、何とかしてそうならぬようにと努
めた。--若き日のはかない恋とその後日を物語る「みずうみ」ほ
か、抒情詩人シュトルム(1817-88)の若々しく澄んだ心象を盛っ
た短篇を集めた。

《この一文》

” 「エリーザベトさん」と彼は言った。「あの青い山のかなたに僕たちの青春時代はあるのですね。あの時代はどこへ行ってしまったのでしょう?」
               --「みずうみ」より    ”


兎にも角にも美しく、胸が締め付けられてしまいます。
同じく岩波文庫『大学時代・広場のほとり』所収の「おもかげ」も、どうにも堪りません。
なんと美しい世界! なんという透明感!
私の大好きな作家のひとりです。どの物語も思い出のように静かで美しく、少し悲しげなのでした。