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もやもや日記

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帰省中

2007年12月31日 | もやもや日記
みなさま、ごきげんいかがでしょうか。
わたくし、ただいま富山におります。
寒くてもうだめです。
なにこの雪…。
そして、風…。うぅぅ、寒いよう。

ところで、とうとう郷里の実家もネットに繋がりまして、めでたくこうして田舎からもブログを更新できるようになりました。万歳。
ところが、家の人たちは相変わらずアナログ感覚が抜けぬらしく、今年も例年のように姉(この人はとっくに嫁に行ったにもかかわらず)から「年賀状を刷っておくように」と命じられました。そろそろ自立してくれよ。つーか、もう大晦日ですよ。

そう、今年もいよいよ終わりですね。
みなさまには大変お世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いします!

12月の京都にて旧友と会う(後編)

2007年12月29日 | 旅の記録


12月27日。晴れ。
こまきさんと烏合さんに再び会うため、引き続き張り切って京都へ。

前日よりも空が晴れているような気がします。まだ空気の澄んだ朝だからかもしれません。阪急の通勤特急に乗って京都へ向かいます。京都に近付いたあたりで川を渡りましたが、川原には枯れたような色の草が茂っているのをくり抜くように、おそらくは川の水が流れ込んでできた小さな池ほどの丸い水たまりがありました。そこでおじさんが一人椅子に腰掛けて釣りをしていると、もう一人別のおじさんがやってきてなにやら声を掛けています。
朝の京都行き通勤特急は、通勤としては時刻が遅いせいか、わりと空いていて静かです。

10:00 四条烏丸駅
この日は、京都国際マンガミュージアムで待ち合わせます。私は夏以来ずっと行ってみたかったので、楽しみで仕方がありません。昨日とは逆に、四条から三条までをてくてくと歩いて北上します。晴れていて、空気の冷たい朝です。
「2階にいます」ということだったので、私は五百円の入館券を買い、漫画の棚がずらずらと並ぶなかを、お二方を探して上階に上がります。そして首尾よく合流した私たちは、さっそく西側の壁一面に設置された書棚から、これという漫画を取り出し、それぞれ丸椅子に座って読みふけったのでした。
私は朝から竹宮恵子氏の『変奏曲』などを読みます。全3巻。なのに、信じられないほどの密度の高さです。ちょっとした大河ロマンです。愕然として、ぶるぶると震えました。朝から。その後、榛野なな恵氏の短編集を読んで、この人はやはりどこまでも社会からの疎外感との戦いがテーマなんだろうかとつくづく考えたり、萩尾望都氏も読まねばなるまいと、いくつかの初期作品を読みました。『この子、売ります!』が明るくて面白かった。
ひとしきり読んだ後、3階のほうにも上がってみると、そこはどうやら青年漫画を中心に置いてあるようです。「『ぶっせん』が3巻までしかないわ…」と思いつつ、ひとめぐりしました。そしてまた読む。読む。途中、拍子木を打ちながらおじさんが「音のない紙芝居が始まるよ~」と宣伝して足早に私の前を通っていきましたが、私は漫画に夢中で、見に行くことができませんでした。
ずいぶん読んだところでそろそろ休憩しようということになり、烏合さんを探して、こまきさんとともに3階へ上がりました。
この京都国際マンガミュージアムの建物はもとは小学校だったらしいとこまきさんがおっしゃいます。なるほどたしかに古い小学校のつくりです。階段の半階ごとに踊り場があったり、ぎしぎしときしむ床板。でも、きれいに直してもあるようです。

マンガミュージアムの入り口を出ると、前庭の芝生の上や階段に腰掛けて、若い人たちがここでも漫画を読んでいました。寒くても平気なのでしょうか。
気が付けば、15時。すいぶん黙々と読んでしまいましたね。

「山小屋のようなところにみんなでこもって、2週間くらい漫画を読みたいよね」と烏合さんがおっしゃいます。「ほんと」「まったくだね」 ああ、そんな時間を持てたら、どんなに楽しいだろう。

15:30 林万昌堂にてお茶
とりあえず、お茶の時間なのでお茶でも飲もうということとなり、三条から四条方面へ歩きます。イノダコーヒーに行きたいと思いつつ、私は何度もお店の前を通った記憶はありながら、どうしても場所を思い出せません。当てもなく人込みのなかを歩いて、途中、おいしいお蕎麦屋さんを教えてもらったりしながら、【林万昌堂】という天津甘栗のお店の前まできました。ここの甘栗はとてもおいしいらしく、2階は喫茶になっているようです。
揺れるエレベータで上がり、コーヒーと栗ケーキのセットを注文すると、コーヒーとケーキのほかに甘栗も3粒ついてきました。
この日も楽しく語らいました。お題は「今までに読んだ面白かった漫画について」。私はわりと漫画を読むほうだと思っていましたが、全然でした。こまきさんと烏合さんの知識量は圧倒的です。すごいなあ。色々と面白そうな名作を教えてもらったので、私はこれから読む楽しみが増えました。
そのうちに、「《漫画名作全集》をつくるとしたら、何を入れる?」という話になり、これは最高に盛り上がりました。古代から現代までの漫画作品で、歴史的名作を3人それぞれに挙げていきます。なるべく偏りがないように気を遣いましたが、やはり3人の独断によって決めたので少しばかり偏ったかもしれません。いえ、かなり偏っています。『AKIRA』(大友克洋)は古典か近現代か、そもそもどこからが現代なのか、で大揉めでした。笑いが止まりませんでした。

それから、少しだけ夢の話をしました。烏合さんは前の晩に夢を見たそうで、その話をしてくれました。やっぱり面白かった。こまきさんは「あとで話そう、と思っていたら忘れてしまった」と残念がっていました。私は前の晩は夢を見たかどうかさえ覚えていません。でも、朝の川原での光景は昔見た夢の場所に似ていたことを話しました。

2時間ほど熱心に語り合った末、近所の【ジュンク堂】で漫画でも探そう(まだ読む)ということになりました。ところが、ジュンク堂京都店には驚いたことに漫画コーナーがない…。烏合さんがお店の人に聞いてくださったところによると、近所の別の書店になら漫画があるそうです。というわけで、【談(dan)】へ行ってみることにしました。
【談】は、漫画コーナーがかなり充実しています。店内をじっくりと見てまわり、それぞれに目的のものを購入したあと、店を出ました。
漫画尽くしの京都の一日もそろそろ終わりです。

19:15 四条烏丸駅
どうやったら気持ち良くお別れを言うことができるのか分からないまま、私はお二人と別れました。帰りの通勤特急に乗り込むと、ボックス席の進行方向とは逆の席に座ってしったので、遠ざかる京都が見えます。寂しいものは寂しい。列車は私を感傷的にします。またすぐに会えるのに、愚かなことですが。そう、またすぐに会えるのだった。
そう思って、私はさっそく2日間も旅行に同行させていただいてどうもありがとうという内容の、あとで思うと恥じ入るほどに感傷的なメールを送っておきました。そのあとで、お二人から返事をいただいて、私がまるで私の「素敵な恋人の夢」に出てきた女の子のようね、と書いてありました。私は彼女に比べたらずっと荒っぽいのですが、もしもそんな風に見えたなら、それはきっと私にこたえてくれる「お二人の声が美しいから」でしょう。私はただそれを映しているだけなのです。

それではまたネット上で会いましょう。
いつかまた実際にお目にかかれる日を楽しみにしています。
とても楽しい2日間をどうもありがとう!




12月の京都にて旧友と会う(前編)

2007年12月28日 | 旅の記録
「京都を旅行するのですが、よければお会いしませんか?」とお誘いを受けたのが、十一月の半ばあたりでした。それから一月半ほど、私はどきどき、どきどきして居ても立ってもいられない気持ちでしたが、ようやくお二方とお会いしてきました。

12月26日 13:10 四条河原町
私は四条から、待ち合わせの五条まで、鴨川沿いに真っ青に晴れた空の下をてくてくとお日様に向かって歩いていきます。ちょうど昼なので、太陽はほぼ真南、つまり進行方向にあり、私の真っ黒な革のコートに照りつけて少し暑いくらいです。まぶしくて正面を見ていられない私の右手を同じように南へ下っていく川の上には、ふっくらしたカモメのような白い鳥がたくさんで飛んだり水辺に止まったり、パン屑を投げるおじさんの周りの空中にパタパタと器用に浮かんでいたりします。大きな青灰色の鷺も白い鷺の群れに混じってじっと川面を見つめていました。
さあ、もうすぐお二方とお会いできる。

お二方というのは、私の大学時代の級友のこまきさんと烏合さんです。二人とも学生時代から知的かつ優美な人たち(それにしても私のクラスにはそういう人ばかり)でしたが、7年ぶりくらいで再会してみると、やっぱりと言うかますます一層知的かつ優美でいらっしゃるので、私はこのところはずっとネット上でお二人と言葉を交わしているにもかかわらず、すっかり上がってしまいました。「実際」のインパクトは、たしかにありますね。

13:30 半兵衛麩にて昼食
この日のお昼は、こまきさんが予約しておいてくださった【半兵衛麩】さんというお店でお麩料理をいただきました。お店に入ると入り口の土間でちょっと待たされたのですが、そこから右手に上がった廊下の天井にはステンドグラスのきれいな照明が下がっているのが見えたり、通された奥の部屋の席はカウンターだったのですけれども、そのさらに奥には座敷席もあって、そこには大きな鶴の青い衝立てが立ててあったりと、店内の素敵なつくりに、私はまたしても舞い上がり、どきどきしてどうしたらいいのかよく分かりません。そうするうちに、お麩のいろいろな料理が次々出てきて、とてもおいしかった。お麩の酢の物までありました。へえ~。あれもこれもおいしい! 特に田楽は忘れられない感じです。最終的には結構な量を出していただきましたが、もくもくと完食。ごちそうさまでした。

食事中にも、私たちはいろいろな話をしました。実は私たちは皆、日本文学を専攻していたのです。「実は」と断らねばならないのは、私からはあまりそういう過去があることを想像しがたいからであって(だいだい私は在学中から海外文学ばかり読んでいましたし、授業にはたくさん出たけれど何も身に付かなかった。なにをしに通っていたのだか…)、対してお二人は極めてアカデミックな正統的知識と理解、関心をお持ちで、私はかねてよりそれがとても立派で美しいと思っているので、何を聞いても楽しいのでした。私の全然知らないことを、実によく勉強しておいでなのです。
せっかく内容のあるお話を伺っているのだから、お返しに私もどうにかがんばろうと思い、「やっぱロシア文学が最高で…(トルストイもドストエフスキーも未読だが)面白くてたまらない」とか「南米文学の面白さは、何と言っていいか分からないけど、とにかく何か凄いところがあって……時間の流れとか物語の流れに、何か決定的にこことは違うものが…」とか、例によってどこまでも曖昧なことを言ってみます。それをお二人は興味深そうに聞いてくれるので(それも昔からそうやって聞いてくれているので)、私はありがたいと同時にとてつもなく恐縮してしまいました。
私ときたら、本当にアカデミックなところからはほど遠い。今さらながら、それをすごく反省しました。友人と会うことの効用のひとつには、自分を省みることができるということがあるのではないかと思います。深みのある人間になりたい。この日の私は激しくそう思ったのでした。それにつけても、尊敬できる友を持つというのは、どれほどに自分を鍛えてくれ、どれほどに価値ある財産であることでしょうか。

15:00 三条方面へ
食事を終え、今度は三条へ向かいます。烏合さんによると、何やら面白いお店があるらしいのです。
途中で、あちこちのお店に寄り道しました。ある素敵な洋服屋さんで、これまた素敵な丈の長いカーディガンがあって、3人で「これは可愛い」「可愛いね」と言い合います。お二人が「とにかく着てみて!」としきりに勧めるので、私は自らにカーディガン禁止令を発令していたにもかかわらず(このあいだバカみたいに何枚も購入してしまったので)、つい着てみました。うぅ、サイズがちょっと大きくてどう見ても「着られちゃってる感」があるけど、このよれよれ感が可愛いような……しかし禁止令が…… ああ! 「こ、こまきさんも着てみなよ!」とすんでのところで回避。
そして、すらっとしたこまきさんが着ると、私の時とは違って急にエレガントな感じになります。おお~、格好いいのう。「じゃ、次は烏合さんね」と、結局みんなで試着することに。しゃんとした烏合さんが着ると、やはりきっぱりとしてすがすがしい感じです。素敵だわ~。「素敵!」「素敵ね!」とまたまた3人で言い合うのでした。
とまあ、このような遊びのようなことをしてお店を出た(買わずに)のですが、これが何と言うか私にはとても面白かったです。同じものを選んでも、違った風に着る。そういうのが面白いのです。

きらびやかな扇子のお店で、きらびやかな扇子や美しい昔の扇子の図案のようなものや展示されている和室に置かれた螺鈿の書き物机などを(「書きにくそうだよね」「うん」と言って)見た後、目的の【便利堂】というお店に入ります。ここには、全国の美術館に卸しているらしい、各美術館所蔵の絵画や美術品のポストカードがたくさん売られているのです。す、すばらしー! たくさんのきれいなカードが並んでいます。なんというお得感! 私は興奮してあちこちをうろうろした後、長谷川潔と谷内六郎を1枚ずつ購入しました。

古い、外壁は石で内部は木造という床板のぎしぎしときしむ趣きのある建物の3階に入っているビーズとボタンのお店で、小さなものにうっとりとしたあと、おなじ階にある喫茶店に入りました。
それぞれに温かい飲物を注文して、この日のテーマである「夢」について語り合います。夜(とは限らないけど)眠っているときに見る「夢」のことです。面白かった。これについての詳しくは別のところで書くつもりなので今回は省略。ソラリスの海みたいに幻想的でしかもちょっとおいしそうでもあるこまきさんの夢の話にうっとりし、外国映画みたいにドラマチックで色鮮やかな烏合さんの夢の話に痺れた私は、以前に見た私にしては傑作である「素敵な恋人の夢の話」を披露して、お二人を悶絶させました。三者三様の夢の話。夢の話は楽しい。

わいわいと楽しくお話ししていると、時はあっという間に流れるものです。冬の日は短く、外に出るともう真っ暗でした。

18:50 ジュンク堂京都店
烏合さんとこまきさんにお別れをして、私は富小路を駅に向かって下っていきます。阪急の烏丸駅への途中にはジュンク堂があるので、私は京都へ来る度にいつもついついそこへ入ってしまうのでした。この日にも私は、久しぶりに会った友人と別れた寂しさから、書店へ入りました。そしてもう何冊目になるか分からない『類推の山』を性懲りもなく購入し、帰りの通勤特急の中でぱらぱらと頁をめくっては、ますます胸を締め付けられながら帰宅したのでした。
今日は楽しかった。……でも、もうちょっとお話ししたかったなあ。
そう思いつつ、私はお礼のメールを打っておきました。すると、すぐに返事をくれました。その嬉しさが勢いあまって思わず、「滞在中に、もう一度ご一緒してもいいですか?」と厚かましいお願いをしたのです。ああ、厚かましい。せっかくお二人で旅行なさっているというのに、いや、でも、でも……
返信あり。快諾。
おお、やった、良かった、言ってみるものだ!
そして私は前の晩と同様にどきどきして眠りについたのでした。
明日は早く起きなくては、はやく………

 後編に つづく



年末の番狂わせ

2007年12月25日 | もやもや日記

今年の有馬は荒れたようですね。
私はうっかりしていて今年は買えなかったのですが、あれは私にはとうてい予測不可能な着順だったので、買わなくて良かった……。しかし、高額配当ということになると、急に「買っておけば良かった…」という気持ちになるのは何故でしょうね。どうせ当たらないのになあ。うーむ。とりあえず、来年は忘れずに買おうっと。


もうひとつ。
今年のM-1グランプリもまた大荒れでしたね。
私の好きな麒麟は予選落ちだわ、どう見ても優勝候補と思っていた笑い飯も千鳥も決勝進出ならずだわ、ええ! どうなっちゃうわけ? とはらはらして見ておりました。(それにしても千鳥はもっと評価されても良かったのでは…今回のネタは私としては爆笑でしたのに。めげずに来年もがんばれ!)

が、敗者復活からまさかの優勝を果たした「サンドウィッチマン」は、良かったです。私は今回初めてこの人たちのことを知ったのですが、どうして今まで売れていなかったのかが不思議なくらい、上手い。上手すぎでしょう。

 「…オレ、ちゃんと《ピッツァ》って言いましたよ!!」

というところで、私は吹き出しました。はい、吹き出しましたとも。
思い出すと、いまだに笑えます。ぷぷー! 可笑しい! 可笑しすぎる!
ここはぜひとも、去年のチュートリアル並に活躍してほしいですね~。


惜しかったのは静岡出身者なのでK氏がひいきしている、次点の「トータルテンボス」。こちらもまた、ほんとに面白かった。すごく上手い! この人たちって、こんな面白かったっけ? これはびっくり。

 「ジンギス館」

に悶絶。すき焼き専門館なんだ…ウククッ。
決勝での「旅行代理店」ネタも無茶苦茶に面白かったです。ただ、ちょっと知的過ぎたかなー。世界の地理に疎いとついていけないのでは…私はギリなところもあった。アンカレッジってどこやっけ?(←アラスカ州である)

 「砂漠の真ん中でバームクーヘン食べ放題」

には転げ回りましたけれども! うーむ。面白い!
この人たちの今後にも期待したいところですね。


意外にも関西勢が奮わなかった結果でしたが、やはり漫才はネタが勝負ですよね。なんだかんだ言っても、面白い話を聞くのが楽しい。4分間の短い時間に、あれだけの言葉を詰め込んで、しかもそれが笑える! というのは、実際すごい芸なのですねえ。いやはや、素晴らしいことだ!




もうすぐ冬休み

2007年12月24日 | もやもや日記
スミレ色が好きでたまりません



近所にできたブックオフで、超お宝ビデオを発見・購入しました(K氏が)。

*『ピクニック・アット・ハンギング・ロック』

 言わずと知れたオーストラリア映画の傑作(たぶん)。
 美しい少女たちの失踪事件を、あまりに幻想的に描いた美しい映画。
 別に何と言うこともないストーリーなのに、とっても怖い。
 すっごく怖い。けど美しい。

*『ラ・ジュテ』

 29分の短編フランス映画。
 『12モンキーズ』の製作に多大な影響を与えたとされる作品。
 私はまだ観ていないけれど、非常に詩的で美しい映画らしい。

*『遥かな時代の階段を』

 ご存じ「探偵・濱マイク」シリーズの第2作。
 邦画としては最高に格好良くて面白かった。
 第3作『罠』もあったので購入(K氏が)。


冬休みになったら観たいなあ。


昨日はカラオケにも行きました(3年ぶりくらいで)。
このあいだまで流行っていた『Swallowtail Butterfly』(10年くらい前?)などを歌ってしまいました。
無茶でした。


さて、中身が炸裂して大惨事になったプリンタのインクカートリッジも
買い替えたし、とっとと年賀状を刷らねば!


今週のできごと

2007年12月22日 | もやもや日記
今週は、働いていました。
とにかく、働いていました。
今日も(土曜)、働いてきました。

………クタクタだ!


私は体力も精神力もないので、世の中の立派な方々と同じペースでは、残業も休日出勤もできないのですが、今週はそれなりにがんばりました。いやー、疲れる。今この記事を書いているあいだにも、なにか心臓が「ズギュッ、ゴリュッ」とか変なリズムで打っています。でも元気です。ほとばしるくらいに、私は元気です。


しかし昨日の夕方まではヘトヘトでした。土曜にも出勤せねばならぬと思うと身も心も疲労の極限という感じでした。
でも金曜には、仕事帰りにお友達のKさんと会う約束をしておりまして、楽しくおしゃべりをして元気を出そうと言う算段でした。

二人でお店に入ると、クリスマス・シーズンということもあり、店内には各種のクリスマス・ソングが流れています。
山下達郎とか、戦場のメリー・クリスマスとか、あれとか、これとか。
そのなかにB'zの「いつかのクリスマス」なんかも含まれていて、私はかつて大好きなあの人がこの曲を歌っていたのを思い出してしまったりして、もうだめ、泣きそう!(←べつに泣くところではないのだが)
……うーむ、これは極めて弱ってるなあ。せっかくKさんとの会合なのに、申し訳ないなあ。という感じでした。
ちょっと働いただけで、このていたらく。どうなんですか?


しかし、極限まで弱っていた私は、このあと、3時間の白熱した議論の末、不死鳥のごとく復活を果たしたのでした。そうか、そうだったのか。私がほんとうに生きるのは、こういうことに心が向いている時だったのか。というくらいに盛り上がりました。すがすがしい!
私を奮い立たせるもの、それは議論。
テーマは、きっと社会問題、あるいは真理について、ということで、よろしく。


いつもKさんとはとても文化的な話し合いをしているのですが、昨日は、おもに社会問題について熱く語りました。
Kさんは普段からとても問題意識を強く持っている方なので、いちいち話が面白い。着眼点も鋭いのでした。
私の方では、このあいだ観た『Z』という映画が面白かった話とか、『アンダーグラウンド』の面白さは、ただの面白さではないのです!ということとかを話しました。
そして、もうすぐBSで再放送される「カストロ・インタビュー」をKさんにおすすめするとともに、たとえばフィデル・カストロのようなカリスマは、この社会にどのようにして、またどういった理由で発生するに至るのかについて考えたり、最終的には日本の労働環境の行く末、日本という国の行く末などについて、あるいは人類に未来はあるか?についても語り合いました(ちなみに私は、人類の幸福な未来を信じています。技術も文化もまだまだ発展する余地があるでしょう。人類は愚かさを乗り越えてゆくべきであり、またそれが可能な種族であるでしょう)。

仕事帰りのファミレスで、こういうことを熱く語れる私とKさんというのは、実に美しいと思います。実に美しい。素晴らしいですね。
普段は、曖昧な頬笑みを浮かべては「うん、うん」と意味もなく頷いたり、ぼんやりと考え事をしてしまったりする(なんと失敬な…)私ですが、いったんエンジンがかかるともう自力では止まりません。うざいです。自覚していますが、うざい。もう、いい。分かった。と言われても、止まれません。
それにひるまずに付き合ってくれるKさんが、素晴らしい。いつもありがとうございます!
それにしても、つくづく私は友人に恵まれるなあ。


というわけで、私は生気を取り戻しましたよ。
よし、『Z』に続いて、同じくコスタ・ガブラス監督作品の『告白』も観るぜ! 考えろ、考えろ! まだまだ足りないぞ! 『賃労働と資本』ももっとちゃんと読まなきゃ! あとは何だ!

そうだ、29日 BS1 での「カストロ・インタビュー」の再放送も待たれます。面白いですよ。このあいだは、迂闊にも一部を見逃してしまったので、今回は絶対に全部見ます。絶対に見ます。


さあ、自分の仕事もしなければ!



そこからは、星が見えない

2007年12月20日 | もやもや日記
今年の冬はいつもよりも寒いような気がするのですが、気のせいでしょうか。ラニーニャちゃんが夏にがんばったときは、寒い冬になるというのは本当でしょうか。いずれにせよ、なんとも寒い。

まだ振り返るには少々早いですが、今年はとにかく何も出来なかった1年でした。本も読めなかったし、映画も観なかったし、何か作りあげたものもないし。でも、同人誌制作に乗り出したのは、大きな成果でしたね(まだ出来てはいないけど)。

このような、ちょっと情けない状況のなかでも考えつづけていたことはありました。今年のはじめに設定した問題に「家族生活における愛と憎しみ」というものがありまして、そもそも年末年始に芥川龍之介などを読んでしまったがために発生した設問でした。
私は正月以来ずっと、この一文がどうしても頭を去らなかったのでした。

 ” 僕はある月の好い晩、詩人のトックと肘を組んだまま、
  超人倶楽部から帰って来ました。トックはいつになく沈み
  こんで一ことも口を利かずにいました。そのうちに僕らは
  火かげのさした、小さい窓の前を通りかかりました。その
  また窓の向うには夫婦らしい雌雄の河童が二匹、三匹の子
  供の河童といっしょに晩餐のテエブルに向っているのです。
  するとトックはため息をしながら、突然こう僕に話しかけ
  ました。
  「僕は超人的恋愛家だと思っているがね、ああいう家庭の
  容子を見ると、やはり羨ましさを感じるんだよ」
  「しかしそれはどう考えても、矛盾しているとは思わない
  かね?」
             芥川龍之介『河童』  ”

悩ましい。
実に悩ましい問題です。
私は詩人でも超人でも何者でもありませんが、これは気にかかる。
だって、明るくあたたかい部屋の中は居心地良く、胸いっぱいに幸福感が溢れるのかもしれないけれど、そこからはきっと空に星がまたたくのを見ることができない。
それは困る。
私はベランダにいることにする。

でも……。
……部屋の明かりを消せば、窓の内側からだって見えるんじゃないか?
……そもそも、本当に星を見る必要があるのか、私が?
……そして、せめて見たいと思うのなら、なぜベランダに甘んじるのか。
……そこに梯子がかかっているだろう。なぜ下りないのだ。
……森を越えて、向こうへ。
苦悩。
うぅ。
今年は無理だったので、これは来年に持ち越します。


もうひとつ、数少ない今年の収穫のうちで最大級のものと言えば、なにを置いても【エレンブルグとの出会い】でしょう。これは凄かった。愛してます。

 “ 過去半世紀の間に、人物の評価も事件の評価も幾度となく
  変わった。文句はいいかけたままでとぎれた。思想や感情は、
  心ならずも時勢の力に屈服した。どの人の進む道も、すべて
  処女地を走っていた。人びとは崖から落ち、すべり、死の森
  の刺のある枝にひっかかった。忘れっぽさは、ときとして自
  己保存の本能からも指図を受けた。過去の記憶をかかえて、
  先に進むわけにはいかなかった。それは足を縛るものであっ
  た。
        イリヤ・エレンブルグ『わが回想1』   ”

エレンブルグの自叙伝の前書きに、このように感動的な文章があったので、私はK氏に朗読してやろうと思ったのですが、声が詰まって、胸が詰まって、どうにもうまくいきませんでした。

 「どの人の進む道も、すべて処女地を走っていた」

私が20世紀初頭という時代に興味をひかれるのは、要するにこういうことだったのです。思想が対立していた時代。正しさはどこにあり得たのか、常識がどこに存在し得たのか。私が今この時点で「常識だ」と考えていることなど、ほんの100年前までは、そうではなかったのかもしれない。そして、今現在も「なぜそれが常識と言えるのか?」と問うならば、私には答えられません。本当は今だって私たちは「すべて処女地を走って」いるのかもしれません。

こういう疑惑を持ち続ける限りは、私はベランダ暮らしをするのでしょう。
どこまでも中途半端。
だけど、まだまだ選べないのです。
とりあえず、ここからでも、うっすらと星が見えるようなのです。
いまはこれでもいいや。


来年も良い年にしたい。
(なんたる気のはやさ)


『ピカルディの薔薇』

2007年12月19日 | 読書日記ー日本
津原泰水 (集英社)


《収録作品》
 夕化粧/ピカルディの薔薇/籠中花/フルーツ白玉
 夢三十夜/甘い風/新京異聞

《この一文》
“こちらの思惑どおり、姪の気持ちはシーモンキーに転んだようだ。おれに似てずぼらな子だから、買ってもらってもきっと全滅させてしまうだろう。あえて死を悲しまず、思い出を愛でるすべを学ぶだろう。
         ―――「籠中花」より  ”



驚いてはいけません。
私とて、ときには現代日本文学に接することもあるのです。えへん。
とは言え、正直に告白すると、ちょっと前までは津原氏のお名前さえ存じ上げなかったのを、私のお友達がとても面白そうに感想を書いていらしたのでついつい読みたくなったわけなのです。
で、私の率直な感想としましては、たしかに面白かった!
いやー、たまにはいいものですね、日本の現代作家も。


物語は、猿渡という作家が聞き手だったり語り手だったりするという連作短篇小説でした。これはどういうジャンルに分類されるのでしょうか、ミステリーではない、幻想怪奇小説でしょうか。物語のところどころに、あまりに鮮烈な残酷描写がちりばめられていて、正直なところ、前半ではあまりのことに私は蒼白となっておりました。とくに表題作の「ピカルディの薔薇」の結末には、なんともはや色彩の対比が鮮やか過ぎるために一層……アワアワ; 怖すぎます…もう、だめだ………

残酷描写もさることながら、主要登場人物である猿渡氏や、彼の担当編集者とのやりとりが、なにか私には妙にしっくりこないというか……。会話文って、こんなんでしたっけ?(と、私の感性は20世紀初頭あたりに設定されているので、今回はたぶん新しすぎたということでしょうか;)
「やはり私には現代日本人作家は無理なの……?」と暗澹となりかかっていましたが、がんばって半分過ぎまで読んだ甲斐がありました!

「フルーツ白玉」というお話から、なぜか猛烈に面白くなりました。会話も全然気にならなくなったし。
あれ~、なんで急に? このあたりでようやく馴染みはじめたのでしょうか。やっと津原さんの魅力が伝わるようになります。なるほど、この人って、ちょっと独特の幻想性がありますね。

「夢三十夜」と「新京異聞」がとても面白かったです。めくるめく感じで。
「甘い風」も、わりとベタな展開でしたが、なんだかとても熱血なので面白かった。ベタなんだけれども、やっぱり不思議に幻想的なところがあって。
どのお話に含まれていたのだか、探しても見つからないのですが、「外国の山奥で倒れたとき、現地の女の子が食べさせてくれた血合いソーセージ(実はヒルだった)の話」が、妙に印象的で、いつか夢に見そうです。


私はお友達がすすめてくれない限りは現代日本人作家は一切読まないのですが、私のお友達がすすめてくださる限りは、それはきっと面白いに違いないので、これからも年に数冊というペースで読んでいくことにしよう、と思います。




みなさんの進捗状況

2007年12月15日 | 同人誌をつくろう!
ごぶさたしております。
同人誌情報を更新します。
でも、えーと、とりあえず決めることはもう思い付かないので、今回は同人のみなさまの進捗状況についてお知らせしたいと思います。

まずは、私から。
スミマセン! まだ仕上がってません(全然)! ワア~~!

そんなノロマな私(「ノロマ」というのは、ほとんど私の本名に近いので、とてもひと事とは思えませんね。って、ひと事どころじゃないですね。事実ノロマです。そして、そんなことを言っている場合でもないのですね…ハハ!)をよそに、すでに原稿をお送り下さった方がお二方いらっしゃいます。
ねこきむちさん、くろにゃんこさん、情熱あふれる作品をどうもありがとうございました! ただいま微力ながら編集作業中でございます。私に出来ることなど誤字・脱字の確認くらいですが、もうしばらくおつきあいくださいませ! 校正ができましたら順次確認していただきたく、どうかよろしくお願いします!
 
紙面についても、「挿絵とか入れたい…」「横書きじゃないと嫌だ…」というようなご要望がおありでしたら、そのあたりもご自由に考えてみてくださいね♪
よろしくデス~★


さて、表紙のイメージもそろそろ決めたいのですが、ああ、手が回らない。でも、まあ、慌てなくてもいいんですよね。じっくりとやらなくては。そうそう。焦らない、焦らない。


あ、そだ、座談会をやるならテーマも決めなきゃ。
(いつのまにか企画も盛りだくさんになってます。これは楽しい!)

デハ、引き続き投稿をお待ちしております~
(まず私が投稿しろって、……ワア~~~)

健康診断を受けてきた

2007年12月13日 | もやもや日記
大豆屋(甘味処)でも健康診断





昨日の朝、空腹でぐーぐーいいながら、健康診断を受けて参りました。

で、身長が2センチ伸びてました。
(たぶん朝だったから。朝は伸びているものだと言います)

で、体重は(思ったよりも)2キロばかし軽かったです。
がーん…。
毎日けっこう食ってるのに…カロリーはどこへ消えるのか。
つーか、このあいだまでバカ痩せしていたけど、その時の体重ってどのくらいだったのだろう…ぶるぶる、おそろしヤー!
肥満率(というのがあるらしい)は、マイナス23.8%でした。
どう判断していいのか分からない数値です。


以下、面白かった看護士さん及び先生とのやりとり。

【体重測定を終えて】
看:最近、家で体重を量ったりされてます?

nt:え? されてません…(ハッ! 空腹のあまり思わず敬語使用間違い)
  い、いえ、してません……が、なにか?

看:体重は、これでいつもどおりですか?
  (と、計測データを見せてくださる)

nt:か、軽ッ…!!(あれ~?こんなハズでは……;)
  お、思ったより軽いですね;

看:まあ、今朝は朝ご飯を食べてらっしゃらないですしね~。

nt:(そういうものか…というか、まさか慰められるほどには軽くないですよネ?)
  ハハハ。


【視力検査を受ける】
 最近は機械で計測するんですね、ハイテクです。
 私は、右1.2 左0.9 でした。
 それで、「まあ、こんなもんか」という顔をしていたつもりが、
 看護士さんには何か不満そうな顔に見えたらしく、

看:こっちでちゃんと(例のお玉みたいので目を隠し、壁掛けの穴あき円を指す方法で)はかりなおしますか?

nt:え? いいんですか?
  (どっちでもいいんだけど、それなら)お願いします。

 気迫!! で、右! ひ、左……? 左…。……ひだり……?
 (左目では実はほとんど見えていないが、ほんのり欠けているような気がするので答えてみる)
 (だが、どの円も左が欠けているようにしか見えていない)
 (要するに、見えていない……)
 (ちなみに右目ではかなりクリアに見える。視力だけは良い私)

 結果。右1.5 左1.2 まで上昇。ワオー、ファンタスティック☆
 やはり視力検査は気合いでどうにかなることを、今回も実証してしまいました。
 ほんとですよ。視力はある程度は気迫ですよ。
 私は、この日は曇り空(=低気圧)の影響でちょっと気合いが足りなかったようです。
 それに腹が減り過ぎていて全然集中できなかったですし。
 万全なら左目ももっと視力が良いのですがねえ。

 と思い込んでいますが、気迫でまかなっている分、実際のところ
 左の視力は結果よりも悪そうですね。(検査の意味なくない?)


【内診】
 あらかじめアンケートに不調の有無を答えておく。
 私は「のぼせる」「だるい」「むくむ」「胃が痛む」などにチェックした。
 「鼻血が出る」という項目はなかったのでチェックできなかった。

先生:えーと、「のぼせる」とか、いろいろ、ひどいようなら内科で診てもらってね。

 (終わり)

nt:エッ!? あ、はい……;

先生:(私のすねを押してみて)特にむくんでないね。
   朝だからかな。

nt:はい、朝だからですね。

先生:(私の腹部を押してみて)特に痛くない?
   とりあえず、何ともないみたいだね。

nt:はい、今は。

先生:これもまあ、ひどいようなら内科で診てもらってね。

 (終わり)

先生:あと、この体重だと《やせすぎ》だね。
   まあ、もともと痩せてるなら大丈夫かな。

nt:(私はまだ何も言ってないが、事実もともと痩せているので)
  …そうですね。

 (終わり)

 ということで、超高速で終了。



ふう。健康診断という個人的なことについてずいぶんと赤裸々に語ってしまいましたが、自分用のメモですのでお気になさらず。
血液検査とかもやったので、あとは結果が送られてくるのを待つばかりです。
なんともないと良いですね。


それにしても、このあと午前中はまだ普段どおりの仕事をせねばならず、空腹をまぎらすために缶コーヒーとチョコを買って摂取しましたが、ぜんぜんまぎれませんでした。
うがー、腹減ったー!
と言って、むやみに血糖値と抵抗力を下げたからか、夕方、まさかの発熱! そして胃痛! イテー!
……ということで、今日は仕事に行けませんでした。

…なにをやってるのでしょうか、私は。
健康診断以前に、自覚できるほどのこのヒ弱さを、まずなんとかしよーぜ。

やっぱ乾布摩擦とかせんなんがかねェ…?

と、健康診断による疲労のあまり、日頃は訛りの無い端正な標準語を話す私も、ついには思わず富山弁になってしまうのであった。(了)