半透明記録

もやもや日記

『みずうみ』他四篇 シュトルム作 関泰祐訳(岩波文庫)

2004年12月03日 | 読書日記ードイツ
《あらすじ》

月光に浮び上がる少女エリーザベトの肖像。老学究ラインハルトは
いま少年の日の昔にいる。あの頃は2人だけでいるとよく話がとぎ
れた。それが自分には苦しくて、何とかしてそうならぬようにと努
めた。--若き日のはかない恋とその後日を物語る「みずうみ」ほ
か、抒情詩人シュトルム(1817-88)の若々しく澄んだ心象を盛っ
た短篇を集めた。

《この一文》

” 「エリーザベトさん」と彼は言った。「あの青い山のかなたに僕たちの青春時代はあるのですね。あの時代はどこへ行ってしまったのでしょう?」
               --「みずうみ」より    ”


兎にも角にも美しく、胸が締め付けられてしまいます。
同じく岩波文庫『大学時代・広場のほとり』所収の「おもかげ」も、どうにも堪りません。
なんと美しい世界! なんという透明感!
私の大好きな作家のひとりです。どの物語も思い出のように静かで美しく、少し悲しげなのでした。

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2 コメント

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この本 (piaa)
2005-10-11 00:27:25
ntmymさんも読んでいたのには気付きませんでした。抒情的な美しい世界なのはよくわかりますが、訳がちょっと古いような…これにしろ新潮文庫版にしろ相当前の訳なのでそろそろ新しい感覚の訳がほしいところですよね
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確かに! (ntmym)
2005-10-11 08:22:55
訳が古いかもしれないですね。

でもそこがいい!私はどちらかというとカビ臭いくらいの表現が好きなので。落ち着きます。はッ、感性が古いのか……?

新しい訳が出たら、それはそれで楽しいかもしれないですねー。興味はあるかも~。
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