啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「葉見ず 花見ず」

2021-09-19 11:29:25 | その他
「ヒガンバナ」 ヒガンバナ科
 東北地方の北部から関東に嫁いだ彼女「こっちに来るまでヒガンバナは見たことなかったの。きれいな花だけど、こっちの人は気持ち悪いって言うんだよね。やっぱり、お墓にたくさん生えているから?」と。別の友は「ヒガンバナは引っこ抜くと、火事になるという言い伝えもあるよ」と。ヒガンバナにとっては、少々気の毒であるけれど、自身も積極的に好きになれない。花そのものは華やかで美しく、まるで髪にさす簪のようにきれい。けれど、見慣れている草花は、花があり葉があってワンセット。ところが個体は、彼岸の頃に急に茎を出し、枝もなければ葉っぱもなし。花だけが茎の先に放射状に咲く。花が終えれば茎もなくなり、冬には緑の濃い葉っぱが茂る。花の咲くころには葉が見えず、葉がのびる頃には花が咲かないので、葉見ず花見ず。
 別名、曼殊沙華の名でも知られているが、ホトケバナとかハカバナ、何とユウレイバナの名も。ヒガンバナにとっては、迷惑な話ですね。いずれにしても、田の畔や土手、道端などに群生している様子は、日本の秋の風景そのもの。
 今日は久方ぶりに日差しがたっぷり。気温は高いけれど、さわやかで気持ちが良い。明日は彼岸の入り。親戚家族揃っての墓参。きっとヒガンバナが出迎えてくれることでしょう。
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