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子どもの近視 必ず休息を

2022年10月08日 12時41分24秒 | 健康
  子どもの視力低下が進んでいる。 2021年度の学校保健統計調査によると、裸眼視力が1.0未満の割合が
   小学生で約37%、中学生と高校生では6割超を占めている。 ゲームやデジタル機器の長時間利用などが原
   因として指摘されているが、浜松医科大の”佐藤准教授”は「近視」への理解が重要と語っています。

  診察をしていると、子どもの近視はここ1,2年でさらに進み方が早くなっていると感じるという。 経過を
   みていると眼鏡を作ったわずか半年後に度が合わなくなって作り直さなくてはいけない子が多くなっている。
  子どもの視力低下は、これまでもよく問題になっていたが、まずは近視との関係を知ってほしい。 視力低下
   は、あくまでも、ものが見えにくくなった状態を数値化したもので、体調や集中力、測り方によって変動す
   る。 例えば、ゲームの後だと目は疲れていて視力は落ちるが、しばらくすると回復している。
  近視は、眼球内における光の屈具合と網膜までの距離のバランスが崩れた状態で、遠視や乱視も同様です。
  これは、角膜や水晶体が光を屈折させる力と角膜から網膜までの「眼軸」の長さの関係で決まるそうだ。
 眼軸は角膜の前面から網膜直前までのことで、成長
 に伴って長くなる。眼軸は伸びすぎると、光の屈折
 具合とのバランスが崩れてしまい、遠くのものがぼ
 んやり見えるようになる。これが近視です。 今、
 注目されているのは眼軸の長さだという。検査は比
 較的簡単で、専用の機器で近赤外光を目に当てるだ
 けで、測定できる。 6月に文部科学省が公表した
 「児童生徒の近視実態調査」では、眼軸の長さを検
 査項目に入れた。調査では、眼軸の長さの平均は小
 学1年の男子が22.96㍉。女子は22.35㍉
 だった。中学3年では男子が24.61㍉、女子が
 24.18㍉となり、大人と同程度の長さになって
 いるという状況が明らかになった。 眼軸は、遺伝
 的な要素だけでなく、生活環境によっても伸びてし
 まい、近視が進行する。スマートフォンや携帯ゲー
 ム、読書など近い距離で長時間、目を使うことが原
 因の一つと考えられている。 また、新型コロナウ
     イルス禍の外出制限や休校によって、室内でデジタル機器を見る時間が増えたことも拍車をかけている。

  最近、近視は低学年のうちから始まる傾向がある。 伸びた眼軸が短くなることはないので、幼いうちに近視
   が始まると成人になったときには、かなり強い近視になっている危険がある。 近視は確かに眼鏡をかけれ
   ば見える。 だが、強い近視があると緑内障や網膜剥離、黄斑変性症など失明につながる病気のリスクが高
   くなる。 大人になってからの重い視力障碍を避けるためには子どもの頃から近視を予防することが大切。

  近視は屋外活動を増やすことで進行を遅らせることができるという研究結果がいくつもある。 太陽光線を浴
   びることや、運動すること、遠くを眺めることなどが効果的と思われる。 台湾では近視の進行を防ぐため
   に一日に2時間以上の屋外活動を法律で定めており、実際に効果が確認されている。

  子どもは、自分で見えにくくなったことに気づきづらいので、目を細めてテレビ画面に近づこうとするなどし
   ていたら、眼科を受診させてほしい。 近視だけでなく、眼鏡をかけても視力が上がらない「弱視」やその
   他の病気が原因のこともあるため、精密検査が必要になる。
  眼鏡をかけたら近視が進むと思う人もいるかもしれないが、最近の研究では眼鏡によって悪化するという証拠
   はない。 むしろ、きちんと目に合った眼鏡をかけたほうがよい。 そのために、定期的に度数をチェック
   してほしい。 作り変える時も眼科の受診は必要。 眼鏡店で店頭では眼鏡を作る際に様々な度数のレンズ
   を試して見え具合を確認するが、子どもはピントを調整する能力が高いため、レンズの度数が必要以上に強
   くても、自然と見えやすくなってなってしまう。 子どもの判断で眼鏡の度数を決めてはいけない。

  保護者の方には家の中で、ゲームやスマホなどデジタル画面に至近で接する時間を制限するなどルールをつく
   ってほしい。 そして、必ず途中で休憩が必要だ。 画面を20分みたら、20秒間は遠くを見るように心
   がけてもらいたい。 
  学校では1人に1台のパソコンを配備する「GIGAスクール構想」が推進されている。 文科省は、子ども
   たちがパソコンを使いっぱなしにならないために、目を休める時間をつくるよう学校側へ指導している。
   子どもの目を守るために家庭だけでなく、学校でも健康指導に取り組んでほしいものです。
   しかし、一番はやはり家庭ではないでしょうか。 お父さんお母さんの目配り・注意が一番だと思います。