日本のものづくりを長年支えてきた「工業高校」が、変わりつつあるといわれている。
企業との連携による高度IT社会に対応した教育内容の充実や、校名の変更などなど。
少子化や普通科志向で全国的に志願者が減少する中、各自治体は生徒からも産業界か
らも選ばれる学校にしようと改革を進めているそうだ。
「『正解』を探すのではなく、自分が何をやり
たいか」。東京都立荒川工業高校の教室で18
日情報技術科の1年生25人前後を前に、IT
企業の男性社員が語りかけていた。同高が4月
から試行実施している教育プログラムの一環の
キャリアに関する授業です。
他にも企業や大学などの協力を得て、人工知能(A I)の部活動を始めたり、都立高初の
ドローンパイロット資格取得講座を設けたりと、多様な教育に取り組む。
"西牧校長"は「学力テストでは測れない、社会で生きていくための力を身につけさ
せたい」と狙いを説明する。
都立高入試の応募倍率は近年、普通科の1.5
倍前後に対し、工業系学科は1倍を割っている。
2019年12月に有識者会議を設置し、魅力
的な工業高の在り方を議論してきた都は、先端
技術の学習に向けた学科の充実などを進めている。
また23年度からは、イメージ向上のため都立工業高全15校を「工科高」に変更す
る。 都教育庁の”小林教育改革推進担当課長”は「世の中の変化や産業界のニーズ
に合わせて刷新している工業高の教育内容を、PRする契機としたい」と話す。
全国的にも、全日制高校の生徒に占める工業系学科の生徒の割合は減少傾向が続いて
いる。 少子化や、大学進学率の上昇に伴う普通科志望者の増加などが要因とされ
る。 生徒や企業から選ばれる工業高とするため、教育内容の変革や校名変更など
に踏み切る自治体は増えているという。
愛知県は、デジタル化の進展による産業界のニーズ変化を踏まえ、昨年度から県立
の工業高など14校で、「IT工学」「ロボット工学」などの学科を新設・改編す
るとともに校名を工科高とした。 大阪府も05年度から、府立工業高12校を工
科高9校に改編した。 また両府県とも校名変更と同時に、生徒が柔軟に進路選択
ができるよう、学科を受験時ではなく、入学後の2年進級時に選べる募集方式に変
えた。
工業高の将来像について、日本総合研究所の”三浦上席主任研究員”は、今後の社会で
は専門性だけでなく、技術との融合による問題解決力が求められると指摘。
「例えば『建設』X『AI』にように、工学と科学を掛け合わせた教育内容や、設
備面の充実が必要だ」と話している。 卒業後の進路となる、学校や企業との連携
強化も重要だとしている。
企業との連携による高度IT社会に対応した教育内容の充実や、校名の変更などなど。
少子化や普通科志向で全国的に志願者が減少する中、各自治体は生徒からも産業界か
らも選ばれる学校にしようと改革を進めているそうだ。
「『正解』を探すのではなく、自分が何をやり
たいか」。東京都立荒川工業高校の教室で18
日情報技術科の1年生25人前後を前に、IT
企業の男性社員が語りかけていた。同高が4月
から試行実施している教育プログラムの一環の
キャリアに関する授業です。
他にも企業や大学などの協力を得て、人工知能(A I)の部活動を始めたり、都立高初の
ドローンパイロット資格取得講座を設けたりと、多様な教育に取り組む。
"西牧校長"は「学力テストでは測れない、社会で生きていくための力を身につけさ
せたい」と狙いを説明する。
都立高入試の応募倍率は近年、普通科の1.5
倍前後に対し、工業系学科は1倍を割っている。
2019年12月に有識者会議を設置し、魅力
的な工業高の在り方を議論してきた都は、先端
技術の学習に向けた学科の充実などを進めている。
また23年度からは、イメージ向上のため都立工業高全15校を「工科高」に変更す
る。 都教育庁の”小林教育改革推進担当課長”は「世の中の変化や産業界のニーズ
に合わせて刷新している工業高の教育内容を、PRする契機としたい」と話す。
全国的にも、全日制高校の生徒に占める工業系学科の生徒の割合は減少傾向が続いて
いる。 少子化や、大学進学率の上昇に伴う普通科志望者の増加などが要因とされ
る。 生徒や企業から選ばれる工業高とするため、教育内容の変革や校名変更など
に踏み切る自治体は増えているという。
愛知県は、デジタル化の進展による産業界のニーズ変化を踏まえ、昨年度から県立
の工業高など14校で、「IT工学」「ロボット工学」などの学科を新設・改編す
るとともに校名を工科高とした。 大阪府も05年度から、府立工業高12校を工
科高9校に改編した。 また両府県とも校名変更と同時に、生徒が柔軟に進路選択
ができるよう、学科を受験時ではなく、入学後の2年進級時に選べる募集方式に変
えた。
工業高の将来像について、日本総合研究所の”三浦上席主任研究員”は、今後の社会で
は専門性だけでなく、技術との融合による問題解決力が求められると指摘。
「例えば『建設』X『AI』にように、工学と科学を掛け合わせた教育内容や、設
備面の充実が必要だ」と話している。 卒業後の進路となる、学校や企業との連携
強化も重要だとしている。