農業じゆう人

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果樹枝の再利用「リ灰クル」

2022年10月05日 12時37分24秒 | 雑学
  ブドウやモモの生産が盛んな岡山県で、しっかりした果物を栽培するために切り落とした
   果樹の枝を燃やしてできる灰を回収し、各地の陶芸家にうわぐすりの原料にしてもらう
   取り組みを、岡山市でギャラリーを営む"柏戸さん"が続けている。
  「ㇼ灰クル」と掲げたこの活動に「無意識に捨ててしまうものでも、活用法があるかも
   しれないよ」とのメッセージを込めている。

  県内の果樹園の多くは、おおむね1~3月に余分な枝を切り落とすという。 柏戸さん
   は枝を焼却する果樹園を回って灰をもらい、うわぐすりから手作りする陶芸家に無料
   提供している。 2015年から活動を開始。 今年9月上旬時点で、栃木県の益子
   焼や滋賀県の信楽焼など9道府県13人の陶芸家が参加している。
  陶芸家の中には、既製のうわぐすりを使わずに自ら調合する人もいる。 木の灰を配合
   する場合も多いが、最低1カ月くらいかけてあくを抜くなどしなければならないため
   こうした下処理が施されたものを仕入れて使うのが通常だという。

  「おいしい果物ができるまでに大量の枝が処分される。 手間がかかっても、その灰を
   作品にまとわせることで新たな物語が生まれ、関心や需要も高まるのでは‥」。
   柏戸さんは、取引のある陶芸家に自身の考えを説き、賛同者を増やしてきた。 栃木
   県の"寺村さん"は、灰の供給を受ける益子焼作家。 「柏戸さんの熱意に心が動かさ
   れた。 作品に興味を持ってくれる人が増え、灰から生まれた出会いもある」と語る。

  アウトドア用品会社に勤めていた柏戸さんは、転勤や出張を通じて各地の陶芸家と知り
   合えたのを機に「面白い作品を広める仕事を」と退職。 妻の故郷でもある岡山市に
   移住し、07年に陶磁器中心のギャラリーを開いた。 その後、地元の果樹農家から
   枝を焼却処分する話を聞き、灰を陶芸家に配るアイデアを思い付いた。

  「ㇼ灰クルを通じて、捨てるものへの見方を変えたい」。 その一念で、陶芸と農業の
   橋渡しを担い続けるつもりだと話している。
  小さいことからの再利用、どんなことでも考えることは大切なことだと思います。