ブドウやモモの生産が盛んな岡山県で、しっかりした果物を栽培するために切り落とした
果樹の枝を燃やしてできる灰を回収し、各地の陶芸家にうわぐすりの原料にしてもらう
取り組みを、岡山市でギャラリーを営む"柏戸さん"が続けている。
「ㇼ灰クル」と掲げたこの活動に「無意識に捨ててしまうものでも、活用法があるかも
しれないよ」とのメッセージを込めている。
県内の果樹園の多くは、おおむね1~3月に余分な枝を切り落とすという。 柏戸さん
は枝を焼却する果樹園を回って灰をもらい、うわぐすりから手作りする陶芸家に無料
提供している。 2015年から活動を開始。 今年9月上旬時点で、栃木県の益子
焼や滋賀県の信楽焼など9道府県13人の陶芸家が参加している。
陶芸家の中には、既製のうわぐすりを使わずに自ら調合する人もいる。 木の灰を配合
する場合も多いが、最低1カ月くらいかけてあくを抜くなどしなければならないため
こうした下処理が施されたものを仕入れて使うのが通常だという。
「おいしい果物ができるまでに大量の枝が処分される。 手間がかかっても、その灰を
作品にまとわせることで新たな物語が生まれ、関心や需要も高まるのでは‥」。
柏戸さんは、取引のある陶芸家に自身の考えを説き、賛同者を増やしてきた。 栃木
県の"寺村さん"は、灰の供給を受ける益子焼作家。 「柏戸さんの熱意に心が動かさ
れた。 作品に興味を持ってくれる人が増え、灰から生まれた出会いもある」と語る。
アウトドア用品会社に勤めていた柏戸さんは、転勤や出張を通じて各地の陶芸家と知り
合えたのを機に「面白い作品を広める仕事を」と退職。 妻の故郷でもある岡山市に
移住し、07年に陶磁器中心のギャラリーを開いた。 その後、地元の果樹農家から
枝を焼却処分する話を聞き、灰を陶芸家に配るアイデアを思い付いた。
「ㇼ灰クルを通じて、捨てるものへの見方を変えたい」。 その一念で、陶芸と農業の
橋渡しを担い続けるつもりだと話している。
小さいことからの再利用、どんなことでも考えることは大切なことだと思います。
果樹の枝を燃やしてできる灰を回収し、各地の陶芸家にうわぐすりの原料にしてもらう
取り組みを、岡山市でギャラリーを営む"柏戸さん"が続けている。
「ㇼ灰クル」と掲げたこの活動に「無意識に捨ててしまうものでも、活用法があるかも
しれないよ」とのメッセージを込めている。
県内の果樹園の多くは、おおむね1~3月に余分な枝を切り落とすという。 柏戸さん
は枝を焼却する果樹園を回って灰をもらい、うわぐすりから手作りする陶芸家に無料
提供している。 2015年から活動を開始。 今年9月上旬時点で、栃木県の益子
焼や滋賀県の信楽焼など9道府県13人の陶芸家が参加している。
陶芸家の中には、既製のうわぐすりを使わずに自ら調合する人もいる。 木の灰を配合
する場合も多いが、最低1カ月くらいかけてあくを抜くなどしなければならないため
こうした下処理が施されたものを仕入れて使うのが通常だという。
「おいしい果物ができるまでに大量の枝が処分される。 手間がかかっても、その灰を
作品にまとわせることで新たな物語が生まれ、関心や需要も高まるのでは‥」。
柏戸さんは、取引のある陶芸家に自身の考えを説き、賛同者を増やしてきた。 栃木
県の"寺村さん"は、灰の供給を受ける益子焼作家。 「柏戸さんの熱意に心が動かさ
れた。 作品に興味を持ってくれる人が増え、灰から生まれた出会いもある」と語る。
アウトドア用品会社に勤めていた柏戸さんは、転勤や出張を通じて各地の陶芸家と知り
合えたのを機に「面白い作品を広める仕事を」と退職。 妻の故郷でもある岡山市に
移住し、07年に陶磁器中心のギャラリーを開いた。 その後、地元の果樹農家から
枝を焼却処分する話を聞き、灰を陶芸家に配るアイデアを思い付いた。
「ㇼ灰クルを通じて、捨てるものへの見方を変えたい」。 その一念で、陶芸と農業の
橋渡しを担い続けるつもりだと話している。
小さいことからの再利用、どんなことでも考えることは大切なことだと思います。