今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

鉄筋コンクリ-ト住宅で自分を守れ

2009-12-26 16:56:25 | 環境
 COP15(国連気候変動枠組み条約第15回締約国
会議)は、完全に失敗した。13年以降の重要課題は来
年11月のCOP16まで先送りされたからである。
 失敗の最大の理由は、人類が危機にさらされていると
いう自覚が日本も含む世界各国にないからである。何度
もいうように、地球は寒暖を繰り返しながら徐々に気温
上昇し、ついには食物不足、洪水、干ばつ、皮膚がん、
海面上昇、津波、高潮、難病・奇病などの病気と災害の
フルコ-スの時期を迎えることになる。その時期は、2
050年前と推定される。そのころになると環境悪化は
急速な現象となる。その時まで人類は惰眠をむさぼるだ
ろう。その時、我々は孫たちから痛烈に怨まれることに
なる。
 一方、今回の総会を見ると、先進国の技術援助金の奪
い合いの場と化していたのは人類の愚かさを雄弁に物語
っている現象だった。
 ただ、サモアなどの小さな島国の代表は、自国民の生
命の危機を肌で感じているだけに、説得力のある発言が
ひときわ目立っていた。いつ起こっても不思議でない沈
没の可能性のあるそれらの国々の人々を安全なオ-トス
ラリアなどに一刻も早く移住させるべきである。高潮な
どに襲われた場合、全滅するのは目に見えている。もし
もこの指摘が現実になった場合、国連をはじめ、各国の
指導者は責任を痛烈に追及されることになるだろう。
 今回のような先を見通すことのできない世界会議に頼
っていたのでは自分や家族の生命を守ることは不可能で
ある。自分のことは自分自身で守ることをお勧めしたい。
それ以外に方法はないからである。
 ところで、現在の不況の打開策として、内需拡大が叫
ばれる。しかし、どこの家でも「ないものはない」とい
う現況であるといわれている。したがって内需拡大とい
っても何を、どうしたらいいのか、分からない状況にお
ちいっている。しかし、それは間違っている。地球環境
の悪化に向かっている現在、台風や竜巻に対する住宅事
情が貧弱である、という点に気がついていない。逆説的
には、それこそ内需拡大の絶好の具体例なのである。ゼ
ネコンなどの建築関係者はなぜ鉄筋コンクリ-トの一般
住宅を宣伝しないのであろうか。ためしにインタ-ネッ
トの鉄筋住宅を検索してみた。しかし、それを宣伝・推
奨するホ-ムペ-ジは皆無にひとしかった。ゼネコンが
無関心をよそおうのであれば、中小の建築関係者の絶好
のビジネス・チャンスであり、内需拡大策である。ある
小規模な建設会社の人にこのことを云ってみた。答えは、
30坪や40坪の一般住宅を宣伝しても大したメリッ
トはない、とのことである。しかし、それは間違った考
え方である。小規模な鉄筋住宅から取り組むべきではな
かろうか。政治家が一票を大事にするように、一票の積
み重ねが結果となるのである。「一銭を笑う者は一銭に
泣く」という諺を思い出すべきである。何事も一番先に
取り組む建築会社が優位に立つだろう。二番煎じはダメ
なものである。
 ここで再度、鉄筋コンクリ-ト住宅の必要性と心構え
を述べよう。 

 ①地球環境の悪化は、今後より一層増す。木造建築の
家では巨大な台風などに耐えられない。全壊する時期が
やがてくるだろう。
 ②鉄筋コンクリ-ト住宅とは、型枠の中に鉄筋を縦横
に組み、コンクリ-トを流しこんで壁などを作る工法の
ことをいう。
 ③鉄骨住宅とは、鉄骨で型を作り、壁材などを張り付
ける工法のことをいう。不十分である。
 ④窓は、できる限り小さなものとすべきである。大き
な窓は、強風に耐えられないからである。
 ⑤西側の窓は、できるかぎり避けるべきである。台風
などは西風が主だからである。また、夏の西日で暑すぎ
るからでもある。
 ⑥北窓は大切である。優先的につけるべきである。温
暖化が更に進むので、北窓は貴重な涼風の窓となる。現
在でも、沖縄では北窓が尊重されている。
 ⑦鉄筋住宅は二階建て以上とするべきである。水害や
津波などの場合、二階以上の場所は避難所となる。平屋
建ては、避けるべきである。 
 ⑦鉄筋の建築費用は、木造住宅と大差ないものとなる
だろう。将来的には、世界中で樹木の伐採が禁止、また
は大幅に制限されるようになるからである。また、建築
費用の面からいえば、二世代、三世代住宅とすれば、可
能である。「背に腹は代えられない」という諺を思い出
すべきである。何より、命あっての物種である。
 ⑧建築業者等は台風などの強風に耐えられる窓の「雨
戸」を研究開発すべきである。
 ⑨鉄筋住宅は外部からの侵入を防ぐ最大の対策と思わ
れる。ただし、窓の錠のかけ忘れなどに留意し、確認を
怠らないことが重要である。
 ⑩建築業者等は、鉄筋住宅の地震対策も研究開発する
必要がある。

 大体、これらの点に留意して鉄筋住宅を考えれば、将
来的な危機は、乗り切れるだろう。自分や家族は、自分
自身で守る以外に方法はない。先を見通す人達は救われ
るだろう。また、先見の明をもった企業のみが生き残れ
るだろう。しかし、最終的には人類が滅亡することには
変わりがない。
 ところで、温暖化がさらに進んだ場合、日本で最後ま
で生き残れる場所はどこか、という問題であるが、結論
は簡単である。それは北海道の大雪山の麓に住んでいる
人達である。一番北の高台に住んでいる人達である。北
海道は食料の自給率は200%で、過疎化による遊休地
もふんだんにある。定年退職者の住居としては最適と思
われる。
 やがて世界の大多数の首都は水没する。なぜなら、海
岸に近い場所にあるからである。首都で安全なのは、モ
スクワとインドのニュ-デリ-ぐらいなものであろう。
海岸から100km以上離れている所が安全だと云われてい
る。理想的なことをいえば、北海道の大雪山のふもとに
日本の首都を移転するのが最善といえよう。
 いずれにしても、建築関係社は鉄筋住宅と真剣に取り
組み、大宣伝する時期にきている。何の世界でも「時」
を認識することが最重要である。一番最初に名乗りを上
げる建築業社はどこか、注視したい。

(本欄、12月6日号 「環境悪化と沖縄の鉄筋住宅」
 を合わせてご覧下さい)

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