今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

野田新首相、大宰相になる予感 !

2011-08-31 10:48:07 | 人間の資質
 野田新首相の第一歩は、「あっ」と驚く息を呑むものだった。予想外の人事だ
ったからである。輿石東幹事長、前原誠司政調会長、平野博文国会対策委員長と
発表された。普通、自分を応援してくれた人たちを三役などに起用するものであ
る。いわゆる論功行賞が普通である。それを、小沢氏に近い輿石氏を幹事長に、
鳩山氏に近い平野氏を国対委員長にすえるという人事は、自分の取り巻きからも
反対されるはずである。それをあえて敢行したという一事を見ただけでも、人間
としての野田新首相のスケールの大きさと決意がわかる。
 代表選で「民主党が大好きで」、「ノ-サイドにしよう」、と訴えた野田氏の
発言は嘘ではないことを証明したことになる。このような言行一致はなかなかで
きないものである。誠実家で、熱情家で、苦労人なのであろう。これで民主党は
挙党体制が確立されたといっても過言ではないであろう。今回の代表選で小沢氏
の時代は終わった、と思われる。「親小沢」、「脱小沢」の対立時代は過ぎ去っ
たと思わざるを得ない。新内閣の顔ぶれは未知数であるが、この分だと、相当実
行力のある内閣ができそうである。
 また、挙国一致の大連立を目指すとも野田氏は主張している。現在は国難の時
期である。日本のすべてを回復させ、前進させるためには大連立も必要であろう。
相当な困難が予想される。しかし、野田氏のような考え方であれば、大連立の可
能性はゼロではないと思っている。
 問題は、何を、どういう方法でするか、実現できるのか、という問題である。
簡単ではないだろう。しかし、野田新首相ならできるような気がする。
 ただ一点、気になることがある。A級戦犯のことである。靖国に戦犯者はいな
い、という野田氏の考えに一理ある。しかし、中国と韓国が警戒しているものと
思われる報道がすでに出ているからである。両国の現在の為政者の多少の肉親が、
先の大戦で日本軍に虐殺されたという事実を無視しているように受け取られると
大変なこととなる心配がある。その配慮を忘れるべきではないと思われる。
 卑近な例で恐縮だが、野僧の長男と同期生(立正大学仏教学部)だった友人が野
田氏の秘書になったことがある。今は秘書を辞めているが。その時、船橋の居酒
屋みたいな所で、野田氏から、友人と一緒に一杯飲ませてもらったことがあると
いう。長男に野田氏の印象を聞いたら、立派な政治家のようだ、と云っていたの
を思い出した。また、宗教の重要性を認識しているようだ、とも聞いている。
 それだから云うのではないが、野田氏は大宰相になる器だと思っている。頑張
ってもらいたい。期待して止まない。

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