今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

サミット、2度で人類を救えるか?

2009-07-08 20:37:18 | 政治
 明日からイタリアのラクイラでサミットが開かれる。
産業革命以降の地球の気温上昇を2度以内に抑える目
標で合意を目指す考えであると、EUのバロ-ゾ委員
長は考えているようである。(読売新聞7月8日朝刊)
 地球温暖化防止の数値で2度以内という数値は、国
際政治の中ではこれまでで一番低い。しかし、今まで
云われてきたのは人類が生き延びられるのは1.5度
までだといわれている。まだ認識が甘いような気がす
る。だが、真実に一歩近づきつつあるような気もする。
産業革命以来、現在までで約9.4度上昇しているの
で、残された上昇許容温度は5.6度しかない。
 一方、政府間パネルは人間存在の許容温度は2度だ
と云っている。1.5度であれ、2度であれ、その範
囲内に気温の上昇を抑えるのは不可能である。インド
政府は「これまでの気温上昇による温暖化の責任は先
進国にあり、排出削減義務は専ら先進国が負うべきだ」
と主張している。この主張の前半は正論である。しか
し後半は、人類延命という未来を度外視した間違った
考え方である。米国以上に炭酸ガスを排出する中国も
同じ考え方であろう。このような政治意識優先の思想
がなくならない限り人類の未来はない。人類存在の危
機をまったく理解していない。もしも「分かっちゃい
るけど止められない」、というのであれば、無責任の
謗りを免れないであろう。
 中国やインドが人類の危機を心底理解しない限り、
サミットを何度しても意味がないと云われても仕方な
いであろう。焼け石に水の論議に意義はない。 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿