今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

浜岡原発停止は秋まで待てなかったのか?

2011-05-12 08:15:41 | 経済
 菅首相による浜岡原発(静岡県御前崎市)の全面停止の要請を中部電力
が受け入れ、今日(12日)から停止作業に着手する方針と報じられた。
この結果、日量360万キロワットの電力を失うことになる。
 東海地震の確率(83.6~84.0%)が高いのが根拠となっている
ようである。しかし、福島原発の地方の確率は0.0~0.8%だったの
に今回の地震と津波に襲われた。このことを勘案すれば、すべての原発を
停止すべきだとの主張も理解できる。しかし、現在の日本はオ-ル電化と
いう言葉があるくらい電気文明といっても過言ではない。したがって、一
度にすべての原発を廃止するのは現実を無視するに等しく不可能といえよ
う。勿論、将来的には危険な原発から脱する方向に行くべきだと思われる。
 東海地震が心配されるのは十分に理解できる。危険性を排除するという
意味からすれば、今回の停止処置は妥当なものと云えよう。ただ、中部電
力が東京電力に対する供給支援(日量40万キロワット)が中止された。
その結果、中部電力自体、夏の電力余力はわずかだとも報じられている。
すなわち、東電地域と中電地域の両方が大規模停電に陥る可能性が出てき
た。そうなった場合、市民生活はもとより、産業界にわたる悪影響も心配
である。
 地震は地球自体の活動の一つであり、人知を超えている。したがってこ
の2・3カ月のあいだに東海地震があるかどうかは誰もわからないことで
ある。しかし、浜岡原発の停止は秋までまてなかったのかという疑問があ
るのも事実である。