【閉店】 栄楽＠中野 「つけそば」

永遠のMCNシリーズ。
と銘打って改めて食べ歩いている中で、
まさか、この名店の幕引きに遭遇することになろうとは。

ただ、その直前にお邪魔できたことは幸せだったかもしれない。
惜しむらくは、ついぞ、このお店でラーメンが食べられなかったこと。
最後のつけそば。

いつものように淡々と調理をすすめるご主人。
家族経営であるがゆえに、ホールの女性陣とのコンビネーショのが
阿吽であるところも今思えば美しく、緊張感と居心地の良さが同居する
稀有なお店であったことが思い出される。

瑞々しく、つつやかでむちっとしたシルエットからは、
今にも水分が弾けでそうだが、すすりあげるときの中華麺らしい香りの
良さがたまらない。

和風と冠されるように、もったりした動物系の要素はやや控えめだが、
キンとはった醤油の香りと甘、酸味と辛味がしっかりと加え、のれん会らしい
インパクトを残してくれる。これに海苔が抜群に合う。

いまだ舌に残る余韻。
本当に美味しかった。

店主の急病で2012年12月に閉店。
ノスタルジックには時間がない。