以前、ワープという特殊能力があることを
告白したのですが、覚えてらっしゃいますでしょうか。最近その能力があがっていることを今回、報告させていただきます。
最近、電車での睡…、あっ、違う、ワープに抗えないということを書きましたが、つい最近もダイナミックなワープを体験してしまいました。というか、結構最近ワープしますね。
ワーパー(warp er)と呼んでいただいて差しつかないないレベルにまで達しています。
私のようなレベルに達すると車内でこれからワープ体験に突入しようとしている方を見分けることが可能です。何故だかわからないのですが、年末にはワープ天国となる時間帯がありますね。結構お酒くさいというのも特徴のひとつなんですが、肉体的疲労とアルコールがワープにどれほど影響をもたらすのか、はワープ学者たちが今解明に躍起になっていることと思います。
さて、今回のワープはなかなか壮大でした。わかりやすくいうと一都二県をワープしました。かなりダイナミックです。
私もワーパーと呼ばれるに相応しく、最近、瞬間移動における“G”の身体的な負担にも慣れてきました。あいかわらず口から無色透明の粘質液は知らずうちに流れでてしまいますし、どちらかというと顎を引いた状態でワープに突入することが多いので(顎あがりの状態でワープされる方も多いようですが、あれはワープのプロなんでしょうか、とても素晴らしいです。恍惚の表情がかなり痛々しいです)、首にGがかかり、ワープ後首になんともいえない鈍痛が残るのですが、それでも以前に比べればマシです。
今回の一都二県に渡るワープの身体的な負担をいかにして軽減したのか。それは「ワープ空間に誰か(第三者)を引き込んで身体的負担をシェア」したからです。
これは、無作為に他人を巻き込んでしまうという意味では、非常に卑劣な行為ですが、集団動物である人間の本能的な欲求であるとしてご了解しただきたいところです。
今回のケースでいうと、私の左隣に座っていた女性の地味な学生さんでした。彼女は何か医療関係の勉強をしていたようでしたが、私はそれをうつろな目で確認しつつ、自らのワープの予感を十分に感じとっていました。
上野駅から電車が発車すると、日暮里を待たずしてワープへ突入。いやはや、慣れたもんですな。しかし、その日の私は人間の本能的な欲求に任せて徐々に頭を左傾していきます(ほぼ、無意識下)
ただ、第三者をワープに巻き込むのに申し訳ない、という躊躇から、何度も首を元の位置に持ち上げてしまいます。彼女のほうは常軌を逸した空気を私から感じたのか、チラチラ突き刺さるような視線を送ってきます。私も意識が遠くなりながらなので、あくまで推測なんですが。
しかし、意識がなくなり、完全にワープ状態に入ると、どうやら完全い左傾しっぱなし。eye to eye、soul to soulではありませんが、ヘッドトゥショルダーという伝達方法でついには彼女をワープ空間に誘い込みました。
これにより、私はまるで幼児が母の腕の中ですやすやと休むようにワープすることができました。ただ、彼女のほうはあまりにも突然、未知なる体験ワープに突入したために、かなり戸惑っており、定期的に微妙に抵抗してきました。それともあまりにもトランス状態でワープする私を心配してくれていたのでしょうか。肩を時折震わせます。
そのため、私は数回、ワープ状態から脱しました。あれがなければ茨城の奥地にまで行っていた可能性ありますね。今回は善良な助手に恵まれました。私の経験からいって中高年の方はシビアに抵抗してきます。未知なる体験に対する冒険心が薄れているのかもしれません。私は奇跡的にヤンキー様と時間旅行を供にしたことがありますが、意外に紳士的でした。ありがとう。
ただ、当然私の最寄の駅は通り過ぎてしまっています。しかも、あまりにも気持ちよくワープしたため、折り返しではワープすることができませんでした。
というように、ワープは協力者というか犠牲者というか、の人たちの力を借りることで身体的な負担を減らすことができるということがわかりました。手荒い手法ですので、おすすめはしませんが、これからの年末ワープシーズンに向けて、同様の体験をされる方もいるでしょう。是非、協力者が一足早くワープを終えて帰られるときには「あっ、すいません」と言いましょう。