311後、破壊されたインフラなどの整備・拡充・増強が進められていて、それはいいのですが、
自民党に言わせると「国土強靭化」なる物騒な言葉に置き換えられてしまって、
なんかそれが不穏なカンジが拭えないのですけども。
昨年の夏前くらいですけど、宮城県の仙台市を訪れまして、
津波被害に遭った海岸付近まで行ってみたのですが、まぁ巨大な防潮堤が建設されているワケです。
そういう防潮堤は宮城だけでなく、福島から岩手にまたがる相当な範囲において、
同様に建設されているものと思われますが。
それを目の前にすると、当たり前といいますか、そこにある筈の海が見えないのですよね。
海岸近くのくせに。
印象としては、海と断絶しているカンジなのです。
もはや、海との共存を拒否しているようにさえ見えます。
その風景は、海がもたらす恵み、そういった自然への敬意を持ち得ているようには見えませんし、
海を悪しきものとして見做しているかのようです。
もちろん防災は大事ですけれども、これでは行き過ぎではないかと思いました。
もっと自然と共存していく知恵とか、蓄積されていそうなものなんですが、
もちろん時には自然お力に脅かされたりはしますが、海との関わりを遮断するというのは、
自然に生かされている人間としていかがなものでしょう。
バベルの塔ではないですけど、自然の力に抗い人間の力を過信すると、
またいつかしっぺ返しを喰らう、それが先人の遺した神話だと思うのですが、
なかなか人間ってのは学習しないものですね。
さて、人間が学習しない分野といえば原発です。
原発を安易に用いてはならない理由として、
核というエネルギー自体が人間の制御できるものではない、というのがあると思います。
その一面としてあるのが、核のゴミ問題です。
下の記事は山形県寒河江市のケースですが、おそらく他でも同様なんでしょう。
指定廃棄物が今も公園に 寒河江・放射性物質検出の汚泥2.5トン
東京電力福島第1原発事故により汚染された汚泥に、今も県内の一部自治体が悩まされている。
寒河江市の公園には2012年夏から、放射性セシウム濃度が国の基準値を超え、
指定廃棄物となった汚泥約2.5トンが仮保管されたままだ。
指定廃棄物は国が責任を持って処理するとされているが、その方法が決まっていない。
市民生活への影響も出ている。
また、側溝から上げた汚泥を処分場に搬入できず、住民による清掃ができない自治体もある。
寒河江市島の住宅街にある島北緑地(島児童遊園)。
ブランコがある小さな公園の端にブルーシートで全体が覆われた物体がある。
施錠された囲いもあり、外からはうかがい知れないが、中はドラム缶に入った汚泥だ。
同様の光景は、少し離れた若葉町公園にもある。
同市では12年春、島北と若葉町の側溝の汚泥から、
基準値(1キログラム当たり8千ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された。
島北の3カ所は1万2390~9430ベクレル、若葉町の3カ所は2万1350~9180ベクレル。
汚泥は国が処理する指定廃棄物となり、二つの公園に仮保管された。
その後の13年9月の測定で両公園に保管された汚泥は基準値を下回った。
空間放射線量にも問題はない。
そのため市は指定を解除し、一般の廃棄物として国が処理する方向を望んだ。
【2年半前に基準下回る―解除の定めなく】
しかし、指定する基準はあっても、解除する定めがない。
その結果、指定が解かれないまま、住宅地の公園に3年半以上も置かれている。
近くの住民は「子どもが公園で遊ばなくなった。早く元に戻ってほしい」と訴える。
公園は盆踊りにも使えなくなった。
全国12都県に膨大な量がある指定廃棄物をめぐっては、
国が建設を計画する処分場の候補地選定が難航し処分のめどが立っていない。
国は先月になって初めて、濃度が基準を下回った場合、指定を解除し、
一般ごみと同様に処分することを認める新ルールを示した。
市側が望むルールだが、同市担当者の反応は鈍い。
これまで、市が指定解除の要望を強く訴え、環境省側から期待できそうな返事があっても、
話が進まなかった経緯があるからだ。
この担当者は「手続きがしっかり決まらないと、安心はできない」と話している。
【指定廃棄物】
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質を含む汚泥や焼却灰、稲わらなどで、
放射性セシウムの濃度が1キログラム当たり8千ベクレルを超える廃棄物。
昨年末の時点で、本県を含む12都県で計17万トン。このうち本県には2.7トンある。
えー、確か福島第一原発事故の収束については、国が前面に出て進めるということでした。
そんで指定廃棄物は各地に仮置きされてその後、放射線量下がったら、普通ゴミと見做すよと。
そこまではいいのですが、前面に出てくれるはずの国が処分してくれるかと思いきゃ、
どうも国側の動きは鈍いようなんです。
ひょっとしてこのまま、もう普通ゴミなんだから、各自治体で処分してよ?
とまで言い放ちそうな雰囲気を感じます。
だとしたら、見事ですね。
環境省。
最終的には国が処分するんだから、仮置きだけさせてよ?
と地方に頼み込み、時とともに線量が下がっていくのを見越して、
それはもう一般ゴミと見做すようにまで放っておく。
国は何もしなくてもいいようになるまで放っておく。
こうして時間が経つのを待つ作戦だったのでしょうか。
最初からそのつもりだったとしたら、お見事と言うほかありません。
なんてズルいのだと。
いや、コレは自分の思い過ごしかもしれませんが、
放射性指定廃棄物を仮置きしてもらいながら、国が動くのが遅過ぎではないでしょうか。
上野記事の寒河江市の例では市の行事や市民生活にも差し障りがあるようで、
自治体の方がしびれを切らしてしまっているということです。
こういう、時間切れを狙ったのですかね環境省は。
賢いものですね。
これが政府の言う、原発事故の収束については国が前面に立ちますよと、
その姿ってことなんでしょうか。
ということで原発ですよ。
事故が起きて地元住民何万人を避難させるだけでなく、
発生した廃棄物の処理でもっと広域に負担を負わせてしまう。
こういうの、「助け合い」「絆」というのとは、ちょっと違うと思うのですが。
非常にムシがいいといいますかね。
まあ、100歩譲って、事故が起きた今だからわかったのだとしましょう。
だとしたら、この期に及んで原発の再稼働なんてしますかね。
それも40年超の老朽原発の再稼働だなんて。
自民党に言わせると「国土強靭化」なる物騒な言葉に置き換えられてしまって、
なんかそれが不穏なカンジが拭えないのですけども。
昨年の夏前くらいですけど、宮城県の仙台市を訪れまして、
津波被害に遭った海岸付近まで行ってみたのですが、まぁ巨大な防潮堤が建設されているワケです。
そういう防潮堤は宮城だけでなく、福島から岩手にまたがる相当な範囲において、
同様に建設されているものと思われますが。
それを目の前にすると、当たり前といいますか、そこにある筈の海が見えないのですよね。
海岸近くのくせに。
印象としては、海と断絶しているカンジなのです。
もはや、海との共存を拒否しているようにさえ見えます。
その風景は、海がもたらす恵み、そういった自然への敬意を持ち得ているようには見えませんし、
海を悪しきものとして見做しているかのようです。
もちろん防災は大事ですけれども、これでは行き過ぎではないかと思いました。
もっと自然と共存していく知恵とか、蓄積されていそうなものなんですが、
もちろん時には自然お力に脅かされたりはしますが、海との関わりを遮断するというのは、
自然に生かされている人間としていかがなものでしょう。
バベルの塔ではないですけど、自然の力に抗い人間の力を過信すると、
またいつかしっぺ返しを喰らう、それが先人の遺した神話だと思うのですが、
なかなか人間ってのは学習しないものですね。
さて、人間が学習しない分野といえば原発です。
原発を安易に用いてはならない理由として、
核というエネルギー自体が人間の制御できるものではない、というのがあると思います。
その一面としてあるのが、核のゴミ問題です。
下の記事は山形県寒河江市のケースですが、おそらく他でも同様なんでしょう。
指定廃棄物が今も公園に 寒河江・放射性物質検出の汚泥2.5トン
東京電力福島第1原発事故により汚染された汚泥に、今も県内の一部自治体が悩まされている。
寒河江市の公園には2012年夏から、放射性セシウム濃度が国の基準値を超え、
指定廃棄物となった汚泥約2.5トンが仮保管されたままだ。
指定廃棄物は国が責任を持って処理するとされているが、その方法が決まっていない。
市民生活への影響も出ている。
また、側溝から上げた汚泥を処分場に搬入できず、住民による清掃ができない自治体もある。
寒河江市島の住宅街にある島北緑地(島児童遊園)。
ブランコがある小さな公園の端にブルーシートで全体が覆われた物体がある。
施錠された囲いもあり、外からはうかがい知れないが、中はドラム缶に入った汚泥だ。
同様の光景は、少し離れた若葉町公園にもある。
同市では12年春、島北と若葉町の側溝の汚泥から、
基準値(1キログラム当たり8千ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された。
島北の3カ所は1万2390~9430ベクレル、若葉町の3カ所は2万1350~9180ベクレル。
汚泥は国が処理する指定廃棄物となり、二つの公園に仮保管された。
その後の13年9月の測定で両公園に保管された汚泥は基準値を下回った。
空間放射線量にも問題はない。
そのため市は指定を解除し、一般の廃棄物として国が処理する方向を望んだ。
【2年半前に基準下回る―解除の定めなく】
しかし、指定する基準はあっても、解除する定めがない。
その結果、指定が解かれないまま、住宅地の公園に3年半以上も置かれている。
近くの住民は「子どもが公園で遊ばなくなった。早く元に戻ってほしい」と訴える。
公園は盆踊りにも使えなくなった。
全国12都県に膨大な量がある指定廃棄物をめぐっては、
国が建設を計画する処分場の候補地選定が難航し処分のめどが立っていない。
国は先月になって初めて、濃度が基準を下回った場合、指定を解除し、
一般ごみと同様に処分することを認める新ルールを示した。
市側が望むルールだが、同市担当者の反応は鈍い。
これまで、市が指定解除の要望を強く訴え、環境省側から期待できそうな返事があっても、
話が進まなかった経緯があるからだ。
この担当者は「手続きがしっかり決まらないと、安心はできない」と話している。
【指定廃棄物】
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質を含む汚泥や焼却灰、稲わらなどで、
放射性セシウムの濃度が1キログラム当たり8千ベクレルを超える廃棄物。
昨年末の時点で、本県を含む12都県で計17万トン。このうち本県には2.7トンある。
えー、確か福島第一原発事故の収束については、国が前面に出て進めるということでした。
そんで指定廃棄物は各地に仮置きされてその後、放射線量下がったら、普通ゴミと見做すよと。
そこまではいいのですが、前面に出てくれるはずの国が処分してくれるかと思いきゃ、
どうも国側の動きは鈍いようなんです。
ひょっとしてこのまま、もう普通ゴミなんだから、各自治体で処分してよ?
とまで言い放ちそうな雰囲気を感じます。
だとしたら、見事ですね。
環境省。
最終的には国が処分するんだから、仮置きだけさせてよ?
と地方に頼み込み、時とともに線量が下がっていくのを見越して、
それはもう一般ゴミと見做すようにまで放っておく。
国は何もしなくてもいいようになるまで放っておく。
こうして時間が経つのを待つ作戦だったのでしょうか。
最初からそのつもりだったとしたら、お見事と言うほかありません。
なんてズルいのだと。
いや、コレは自分の思い過ごしかもしれませんが、
放射性指定廃棄物を仮置きしてもらいながら、国が動くのが遅過ぎではないでしょうか。
上野記事の寒河江市の例では市の行事や市民生活にも差し障りがあるようで、
自治体の方がしびれを切らしてしまっているということです。
こういう、時間切れを狙ったのですかね環境省は。
賢いものですね。
これが政府の言う、原発事故の収束については国が前面に立ちますよと、
その姿ってことなんでしょうか。
ということで原発ですよ。
事故が起きて地元住民何万人を避難させるだけでなく、
発生した廃棄物の処理でもっと広域に負担を負わせてしまう。
こういうの、「助け合い」「絆」というのとは、ちょっと違うと思うのですが。
非常にムシがいいといいますかね。
まあ、100歩譲って、事故が起きた今だからわかったのだとしましょう。
だとしたら、この期に及んで原発の再稼働なんてしますかね。
それも40年超の老朽原発の再稼働だなんて。