大型の台風10号ですが、さんざん身構えさせられた割には関東では全くたいしたことなかったですが、
岩手や北海道など、北日本では大変な被害になっています。
特に北海道なんか、梅雨も台風も上陸しないイメージがあったんですが、
その北海道であれだけの大雨や洪水に見舞われますとはね。
一方、31日は夜に熊本で再び震度5弱の地震が起きてまして、
いい加減落ち着きそうなところにまだこのクラスの地震ですから、なんとも非情と言いますか。
こうして、今までは地震になど遭わなかった九州で連続した大地震、
今までは台風になど遭わなかった北海道で台風被害が起きるのですから、
常識的とされていた、どの地域ではどんな種類の災害は起きない、
といった認識はもはや通用しないことを肝に銘じるべきですね。
どこだって大地震は起きるし、どこだって大雨被害は起こりえるのです。
そしてそれは、いつだって人々の想定を覆す規模になり得るのです。
北海道の台風、熊本の地震で思い知ったでしょう? 311だって経験してるんですから。
地震と言えばイタリア中部でも300人近い犠牲者を出す大地震が起きたばかりです。
ただ建物の耐震性が低かったからではないかと見るのではなく、
改めて地震はじめ自然の恐ろしさに対して謙虚になるべきではないでしょうか。
と思うのですが、こんだけの地震や津波、台風の被害に晒された日本じゃ、
あまりに慣れてしまって感覚が麻痺したのか、原発再稼働ですからね。
福島第一原発の事故原因さえ突き止められていないってのにね。
さて31日といいますと、こんなニュースがありました。
受動喫煙の肺がんリスク評価「ほぼ確実」から「確実」へ 国立がん研究センター発表
国立がん研究センターは8月31日、受動喫煙のある人はない人に比べて肺がんになるリスクが約1.3倍あることを発表。
科学的根拠に基づく肺がんのリスク評価を「ほぼ確実」から「確実」にアップグレードした。
この結果に伴い、がん予防法を提示するガイドライン「日本人のためのがん予防法」においても、
他人のたばこの煙を「できるだけ避ける」から「避ける」へ文言が修正されている。
発がんに関わるリスク要因の評価は、世界各国のがん研究に携わる専門家が討議し、
科学的に「確実」「可能性大」「可能性あり」「データ不十分」などいくつかの段階にランク分けされているが、
国によって遺伝的背景や生活習慣が異なるため日本人の生活習慣や研究結果に基づいてがん予防を考える必要がある。
今回の研究はそうした背景から日本人を対象として行われている。
研究方法は、日本人の非喫煙者を対象として受動喫煙と肺がんの関連を報告した426本の研究のうち、
適用基準を満たした9本の論文結果に基づきメタアナリシス(論文を統合、解析)を行うというもの。
検索データベース「MEDLINE(PubMed)」「医学中央雑誌」より対象の論文を検索し、統合相対リスクを算出した。
タバコの受動喫煙が肺がんのリスクになるんですってよ。
ナニを今更って言いますか。
肺がんっていうとその因子としてすぐタバコがあげられますが、他にないのでしょうか。
そして、それら他の因子と比べてタバコがどの程度リスクがあるのか、
そうした比較とかないと、ホントにタバコがどれだけ危険なのかよくわからないと思うのですが、
なんでこんなにタバコだけが悪者扱いされるのでしょうかね。
まあ、わかりやすいんですかね?
上の記事で見るとタバコの受動喫煙は肺がんに対するリスクだけは高そうですが、
他のがんについてはそうでもありません。
じゃ、肺がん以外のがんの因子になりそうなものは、タバコと同じくらいたたかれるのでしょうか。
アルコールとか、インスタント食品とか、高い塩分とか刺激物とか、
皮膚がんについていえば紫外線とかですね、タバコ同様に悪者扱いはされないのでしょうか。
ま、そういういちゃもんは置いておいきまして、自分は非喫煙者なんですが、
タバコくらいマナーの範囲内で吸わせてやりゃいいじゃん、と思いますけどね。
でも他人のタバコを激しく批難するというのは、自ら嗜んでいるワケでもないタバコで、
健康被害の影響を受けるかもしれないことに過敏になっているのでしょうけども。
つまり、自分の健康被害の要因を、ひたすら自分のせいにしたくないってことですか。
昔であれば、自分の意志でどうにもならないことは神様が決めたことと思えたのかもしれませんが、
科学が発達して宗教への畏怖が薄れた現代では、病気の原因を何かに特定しなくては気が済まないのでしょうか。
そしてその原因が自身にあってはならないから、他の誰かのせいである筈だと。
その、自身に被害を及ぼしかねないものは徹底的に排除しなければならないと。
なんかですね、もちろんタバコを嗜むにあたってはマナーは大切ですけど、
あまりにタバコに対して社会的にヒステリックになり過ぎているんじゃないかなと。
こういう非寛容さがタバコだけじゃなくいろんな問題に伝播して、
それで世の中がどんどん非寛容に、窮屈になっていってる気がしますよ。
受動喫煙どころじゃない不健康さじゃないかっていうくらいに。
例えば最近のフランスにおけるブルキニ問題とかですよ。
ムスリムに対する偏見・差別、嫌がらせかいちゃもんとしか思えないのですが。
ブルキニの議論から、フランスに蔓延する不寛容さが浮き彫りになった
嫌なものに対しては何かにつけ理由をつけて容認しないというのは、不寛容、ってことでございましょ。
こうしてどんどん世界中のあちこちが排他的になっていくのですかねえ。
グローバルとかボーダーレスとか多様性とかいう言葉をもてはやす一方で、
世間では自分と異質なものを排除しようとする攻撃性が高まっているように思えますね。