ダイソンの掃除機を買ってしまいました。
DC26という、ダイソンの中ではコンパクトな機種。
ダイソンについては、会社の同僚の何人かから薦められていたのですよね。
凄くゴミを吸うから凄くいいと、排気がキレイだから凄くいいと。
それにつられて興味を持つようになっていたのですが、吸引力が強い一方、
音がデカすぎる!といったマイナス評価もあり、うーん、やっぱりなんだかんだ言っても
家電は日本製がいいかな、なんて考えていたのですが。
某ネットショップで時間限定で安く売っていたのを発見し・・・
思わず、ポチってしまいましたとさ。。。
さて、そんなダイソンのDC26が週末に届いたのですが、まず驚いたのは箱の小ささ。
この機種自体が小さいのですが、それでもその小ささに驚きました。
箱自体はだいたい、W55cm, H30cm, D25cm といったところ。
届くまではどんだけデカい箱が来るんだろう、なんて思っていたのですが、
本体とかホースなんかの備品やら、なんともコンパクトに納められているのですよね。
発砲スチロールのような緩衝材の類はほぼ皆無。しかも箱のデザインもしゃれてます。
捨てるのが惜しくなってしまいます。
で、製品自体の感想ですが、これは日本のメーカーには作れないな、と思いましたね。
個性的過ぎるのですよ。
ダイソンの掃除機は、ずっと吸引力が変わらない、というのが売りであり、
根本的な設計の思想としてあるんだと思うのです。
それを突き詰めているからこその性能であり、デザインであり、
はたまた欠点としての音の大きさでもあると思うのです。
ところが、日本のメーカーは欠点というのをやたらと嫌います。
欠点もあるけど専門分野については確実にいい仕事をする製品よりも、
どの観点からもすべて高い得点が取れる、優等生的な製品を好むように思います。
これは工業製品だけでなく、人物に求める評価とも似ている気がします。
結果、日本企業による工業製品は、家電であってもケータイであってもクルマであっても、
どのメーカーからも似たり寄ったりの製品が出てきてしまいます。
どれか一つにおいて、他が追いつけないくらいの高得点を取るより、
減点されないことが求められるのでしょうね。
例えとしてはちょっと違うかもしれませんが、
以前、某企業の方に広告で起用しているタレントについて聞くことがありました。
その企業が起用していたのは、ある人気女優です。いまでも人気があります。
広告のターゲットは主婦を中心とした女性でした。
さて、採用の決め手となったのは、ターゲットである主婦層に人気があったからでしょうか。
そうではなく、主婦層・・・女性に最も人気があるからではなく、
女性に最も「嫌われない女性」だから起用した、というのです。
わかりますね。
好き嫌いが分かれるタレントより、反感を買わないタレントの起用。
ちょっとハナシがそれましたが、減点されないことを重要視するんですね、日本は。
だから、減点されることを恐れて、減点されない製品を作るわけです。
ガラケーなんかはその典型じゃないでしょうか。
消費者からの反発が怖くて、技術的につけられる機能はなんでもつけておく。
個性よりも減点されないこと。
ワンセグもない、おサイフケータイもない、絵文字もない、赤外線通信もない、
そんなケータイ、そう、スマートフォンなんか作れなかったワケです。
PDA的な用途に適し、パソコンやインターネットと親和性が高いスマートフォンは
ビジネスマンを中心とした需要があったにもかかわらずです。
ところが海外初の製品で売れることがわかるとようやく参入する。
サイクロン掃除機もダイソンのヒットがあって日本のメーカーも参入したのでしょう。
iPadのようなタブレットPCもそうでしょう。
アップルで言えば最近、評判の高いMacbook Air。
あれも日本のメーカーじゃ作れませんよね。
だって光学ドライブもないし、端子類は少なくて拡張性も良くないし、
ストレージをSSDにしたはいいけどそのせいで記録容量は少ない。
モバイルに特化しすぎてイーサネットのインターフェイスすらないんです。
ま、Macbook Airが売れているとは言っても、
ノートパソコン市場全体のわずかなんでしょうけど。
いや、日本の製品やメーカーが悪いとは思いませんけど、
個性のない、、 個性を殺した製品というのは、魅力がないなあ、と。
このところの日本の製品は、そういう傾向が大きいなあ、と。
マーケティングの功罪なんでしょうかね。