「平和主義の理念を具体化した」9条をどう変えるつもりなのか

サッカーの日本女子代表、中国が韓国戦で勝利し勝ち点を積み重ねたため、
ベトナムとの試合を前にしてリオデジャネイロオリンピックの出場権を逃すことが確定しました。

自分も6日のエントリーでは敗退が確定するまで闘い続けるべきなんて言ったのですが、
もう目標を逃してしまったうえで公式戦を2試合もこなさなければならないというのは、
なかなか酷なことでしょうね。

ここ数年、素晴らしい成績を収めてきたサッカー日本女子代表ですが、こういうことだってあります。
ともあれ、選手はじめチームの皆さんには、次の機会に向けて頑張っていただきたいものです。


本来なら日本中がなでしこの勝利とオリンピック出場権獲得が現実的であると、
期待をして見ていたことでしょう。

おそらく、アベちゃんなんかもなでしこの勝利を想定して、

　なでしこ、オリンピック出場おめでとう！
　政府も東京オリンピックに向けて頑張るぞー！

とか、

　女性の活躍！
　女性が輝く社会！

なんて言って、コレよいことに政権のプロパガンダに利用するつもりだったんじゃないでしょうか。

オリンピック出場を決めていたら、官邸かどこかで、
選手達や監督とのフォトセッションなんて予定してたかもしれませんね。

大マスコミの直近の世論調査（笑）では内閣支持率が下がったようですので、
それを回復させるアテがはずれたようで、なんとも惜しいことになったものです。


そんなアベちゃん、支持率低下の要因にもなっていると思われるものの一つに、
憲法改正があるのではないでしょうか。

日本を戦争が出来る国にする、そのための憲法改正ではないかと、
平和のためどころか日本が戦争の泥沼に巻き込まれることになるのではないかと、
国民が警戒する事案ですが、アベちゃんはその意欲を隠しませんね。

つい先日は、首相在任中に憲法改正したいと述べたアベちゃんですが。


　首相 憲法９条改正 理解や支持広がっていない

　安倍総理大臣は、参議院予算委員会の集中審議で、憲法改正を巡り、
　憲法９条は日本国憲法の基本原則の１つである平和主義の理念を具体化したものだとしたうえで、
　９条の改正に向けた国民的な理解や支持が広がっている状況にはないという認識を示しました。
　民主党の藤末元総務副大臣は、憲法改正について、
　「安倍総理大臣は『在任中に成し遂げたい』と言ったが、平和憲法の根本である９条は
　変えるべきではなく、国民は望んでいない。憲法の平和主義をどう考えるか」とただしました。
　これに対し、安倍総理大臣は
　「平和主義の理念は、国民主権、基本的人権の尊重と並ぶ日本国憲法の基本原則の１つであり、
　憲法前文は、わが国が平和主義の立場に立つとしており、第９条は平和主義の理念を
　具体化した形だと考えている。９条改正に対しては、まだまだ、国民的な理解、
　あるいは支持が広がっているという状況にはないと認識している」と述べました。
　（以下略）


今は理解と支持が広がっていない、と。

ってことは、理解と支持が広がったら、憲法改正を行う、ということですね。

理解や支持の広がりなんて、解釈のしようでどうにでも言い繕えますし、
データが必要であればねつ造だって難しいことではありません。

つまり、やろうと思えばいつだってできると言ってるのではないですかね。
タイミングは見極めるというだけでね。


自分は憲法を改正してはいけないとは考えていません。
必要があれば正当な手続きを経て憲法を改正してもいいと思っています。

ただなんか、今の政権にいて改憲を声高に叫ぶ人たちというのは、
改憲ありきなようなのが、どうにも危険で信用ならないと思うんですよ。

憲法改正の意欲は隠さないくせに、どこをどう変えるべきかってことについては、
いつも言葉を濁して誤摩化してるというか、はっきりさせないんですよね。

そういうのが不誠実極まりないですし不信感たっぷりですし、
そんなんで改正するものなんて、きっと碌なもんじゃないでしょう。

ま、自分なんかは現政権などハナから信用などしてないワケで、
ちょっと、かなりバイアスはかかっちゃってますけどね。


ただ、上の記事でアベちゃんは、9条を考えていると、はっきり言ってるのですね。

ここを一体どう変えるのかについてはちゃんと言わないのですから、
理解と支持が広がらないのも当たり前なんですが。

しかし、9条が平和主義の理念を具体化した形であるというなら、
その形を変えてしまっていいのでしょうか。
変える必要はどこにあるというのでしょうか。

9条を改正しても「平和主義の理念を具体化した形」は崩れないのでしょうか。
そして今度は、ナニが具体化されちゃうんでしょうか。

どうなんでしょうか。