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先日、なんとなく書店をぶらぶらしておりましたら、
文庫のコーナーでふと、星新一の本が目に留まったのです。
どうやら、新刊?らしきものが出ているようなのですが、
星氏は1997年に亡くなってますのでね、変だと思ったものです。
「つぎはぎプラネット」という名の新刊はどうやら、
これまでの未収録作品を収めたものらしいです。
星新一はショートショートと呼ばれるSF短編小説で有名で、
その独特の発想や切り口、批判精神やシュールさなど、
自分も好きで特に高校時代は良く読んでいたものですが。
氏の父である星一は、星薬科大学の創業者としても知られていますね。
懐かしいという想いに駆られ、興味をそそられたことで、
その新刊を購入し読んでいるのですが。
その中で、「黒幕」というタイトルがありまして。
原発の事故が作品の舞台なのですけど。
これがどういうストーリーかというと、ネタバレになりますので、
これから読もうという方はご注意いただきたいのですが、こんなカンジです。
とある原子力発電所で事故が発生します。
事故原因について原発職員は解明できないとのことで、
研究所職員に事故の解決をゆだねられます。
研究所職員はやがて、人間を装ったロボットによる犯行でることを突き止めます。
そして、そのロボットは、ある宇宙人が操っていたのです。
宇宙人にはもともと悪気はなく、あるウィルスにかかって狂ったため、
この犯行に及んだらしいことがわかりました。
そのウィルスというのは、原発でエネルギーに変えられていく水素原子が、
それを拒否するために自らがウィルスになり、抵抗しようとしていたのです。
しかし、人間にはそのウィルスが効かないでいたのですけども、
たまたま地球に訪れた宇宙人には取り憑くことができ、
原発事故を起こすことができたというワケです。
結果的に研究所職員がそれを見破ったので事故は解決したのですが、
そのうち水素原子は、新しいウィルスとなって人間に取り憑くでしょう、
そのときはすべてをあきらめる覚悟を・・・
と、いうものです。
シュールですねえ。。
とても空想だけの出来事とは思えません。
ちなみにこれ、1960年から1961年にかけての作品なのですよ。