即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

消費者意識、消費者責任

2012年05月05日 13時09分40秒 | 雑感
ずっとほとんど更新してなかったssayさんがこのところ結構エネルギッシュ(?)に更新してます。
ブログへのモチベーションが上がったのか、はたまた仕事が暇になったのか、それは謎です。
その話は置いといて、最新の記事、デフレスパイラルの行き着くところに触発されて書いてみます。

このバスの事故、実はかなり他人事でないわけで、ここでも書いた先月の金沢ツアーは往復ともバスだったわけです。
夜行バスではなかったけど、金沢からの帰りのバスの座席は左側の一番前だったという事実。

安い方がいいという消費者ニーズ。
安いなら多少のことは目をつぶる、いや、つぶらざるを得ないというデフレスパイラル状況下での生活者意識。
ツアー会社の加熱した価格競争、集客合戦のあおりを受ける中で、国、関連会社、そして我々ユーザーは安全性の問題をどこまで追求するのか。

今朝の朝日新聞の記事、深夜高速、眠れぬ500キロ 記者がバス事故ルート運転を見ても、過酷な乗務状況とそれに反比例する収入の問題など、業界全体で改善するべき問題は山積み。

路線バスとツアーバスの運行基準の違いの問題、バスのハードの問題(今回のバスは22年前に製造されたもの)なども含め、これから国はどんどん規制を強化していかざるを得ない。
(いつもそうだけど問題が起きてから重い腰を上げる姿勢。いろいろ声も上がっていたのだろうから事故が起きる前に手を打てなかったのか、という別の問題も。)

しかし、安全性を高めていけばいくほど当然ながら価格は上がる。
激安ツアー自体が成り立たなくなる。

せっかく安く行けてて重宝してたのに。
めったにあることじゃないからそこまでしなくてもいいよ、という声も上がるはず。

安かろう、悪かろうのツアー。
そして、安ければそれでよかろう、という納得づくのユーザー。

ここで現代ビジネス高速バス事故の「事故の責任」は、あなたにも私にもあるかもしれない。ブラック企業を生み出す「ブラック消費者」という問題という最近の記事。

ブラック消費者という言葉が使われてます。

(一部引用させてもらいます。)-----------------------------------------------
 従業員に過重労働を強いるという「ブラック企業」を生み出しているのは、それにも増しておそろしい「ブラック消費者」とはいえないでしょうか。より安くよりよいサービスを求めるのは賢い消費者の条件であります。しかし、それが度を超えてブラック消費者になってしまってないでしょうか。

 <中略>

 よりよくてより安いサービスを。しかし、それが行き過ぎてしまい、過当な価格競争をするのはサービスの提供者だけでなく受け手の行動にも原因があります。多少価格が高くてもより安全性の高いものがウケるということになれば、サービスの提供者も安全性を高くし少しコストをかけて、その中で価格競争をしていくでしょう。

 社会全体で給料が下がっていく。給料が下がる中でやりくりをしなければいけない。だから、消費者とするとより安いサービスを提供する業者にいかざるをえない。そうなるとその業者で働く労働者にしわ寄せがくる。そしてその労働者に過重労働か賃金引き下げのプレッシャーがくる。するとその人自身がブラック消費者になって、飲食店で怒鳴る。――というバッドスパイラルが起きています。

 ある意味では、今回の事故を引き起こした原因を知らず知らずにうちに私たち全員で作り出しているかもしれない。

 この負の連鎖を断ち切るのはどうしたらよいのでしょうか。政府が悪い、政治が悪い、官僚が悪い、大企業が悪い、と言っても天に唾する様なもので、すべて私たちに帰ってきます。ならば、まず自分たちでできることから始めたらどうでしょうか。

 より良いサービスにお金を払う、「適切に支払う」ということは私たちが今日から行動できることです。「安く」でも「高く」でもなく「適切に」です。ほんの少しのトレンドの変化が世の中を変えます。少なくとも今回の高速道路の事故を少しでも「自分事」と受け止めて、少しずつ行動を変えることが、このような悲惨な事故を減らす、遠回りなようで、一番確実な方法です。

 ブラック消費者にならずに賢明な消費者になろうとすれば、それが日本経済を発展させることができるでしょう。ひとりひとりが日本経済を支えているのですから。
----------------------------------------(引用終わり)

お金ないし、安い方がいいし、多少は安かろう悪かろうにも目をつぶるし、というくらいならいいけど、他の人や社会全体はどうでもいいから自分だけがご利益を得られればいいし、と知らないうちになってしまう。
要は消費者、生活者たる我々の意識の問題ってこと。

安く、高くとかでなく、適切に、スマートに、消費する。

ソーシャルの意識を持ちつつ、自分の生き方や生活と照らし合わせてお金を使う。

安いことの価値。
あまり安くはないけど、例えば安全性や快適性など別の価値。
そして、企業姿勢や社会貢献などの価値。

価格だけでなく、それぞれの価値で勝負できる環境、風土を作り、その中で我々は自分のしっかりした目で選んでいくことが大切。

確かに我々が買わないものは絶対に淘汰されていくわけで、我々のお金の使い方ひとつで世の中が少しずつ変わっていくわけですね。

責任重大です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする