即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

人の力、国の力

2010年03月15日 19時23分22秒 | スポーツ
バンクーバー五輪について戦い終わってという記事を書きました。

もともとの問題発言、石原都知事「銅メダルで狂喜する、こんな馬鹿な国ない」

下記は、3月3日(水)付の天声人語です。
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 雪と氷が舞台ゆえに、札幌も長野も、冬季五輪の記憶は決まって白地によみがえる。浅田真央、上村愛子、小平奈緒、チーム青森……。女子ばかりで恐縮だが、選手団の帰国を節目に、バンクーバーの興奮も白い紙に包んで胸に納めよう
▼金メダルなしの戦績には、それぞれ思いがあろう。橋本聖子選手団長は「国の支え」を訴えた。選手たちにも「国家事業として五輪に臨むという姿勢を再確認してほしい」と伝えたそうだ
▼「銅を取って狂喜する、こんな馬鹿な国はないよ」。東京都知事の石原慎太郎さんは、ご本人言うところの惨敗にあきれ、「国家の心意気」を求める。「国家という重いものを背負わない人間が、いい成績を出せるわけがない」と
▼国を挙げての育成や強化はいい。ただ、五輪が国威発揚の場になっては、最高レベルの肉体の競演に水を差す。日の丸に燃えても、背負って押しつぶされては元も子もなかろう。ほどほどに国を意識する、しなやかな精神がほしい
▼ロシア代表としてフィギュアのペアに出た川口悠子さんは、日本国籍を捨ててまで夢を追った。「日本のためとか、ロシアのためではなく、自分が好きだから滑っています」と話すのをテレビで見て、爽快(そうかい)だった
▼真央さんは「金妍児(キム・ヨナ)選手には現役を続けてほしい。やはり一緒に試合に出て、しっかりと勝ちたい」と語る。私たちが心に刻むのは、個々の選手の笑顔や涙、正直な言葉である。オリンピックは国家間ではなく、選手間の競争だ。日の丸は、白い思い出に透けて見えるくらいがいい。
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国威発揚。
国家の力。

東京五輪誘致というのも、すべてこの目的のための発想でしかない。

選手や人よりも、国。
個人の汗や涙や努力よりも、権力、財力、国家のメンツ。
諸外国に対して、日本はすごい国だと思われること。

その「すごい」という中味が僕らの考える日本の誇るべきこととまるで違っているんだろうと思う。

「国家という重いものを背負わない人間が、いい成績を出せるわけがない。」
という発言には、背中に気持ち悪い冷たい汗が流れるような気がします。

そして、国威発揚という言葉の先には、富国強兵、なんて四文字熟語がちらついてきます。

今の日本にとって、スポーツとは何なのか。
そして、オリンピックに何を求めるのか。オリンピックの価値は何なのか。
今後も考えていきたいです。
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