とうとう日銀総裁の席が空白の事態になった。
経済の素人の私でさえ、世界経済の危機、難しい舵取りを必要としている日本経済に直面して、日銀総裁の不在が大きな意味を持っているような気がする。
一番大きな問題は日本に対する世界からの信用の低下だ。
それを招いた政治、特に自民党と民主党の責任は大きい。
民主党の責任については、マスコミで散々に叩かれ、私のブログでも何度も触れてきたが、今日はマスコミで余り触れられていない自民党の問題点について考えてみた。
[政治の黒幕の責任]
福田さんは参院選大敗の後を受けて、民主党との話し合い路線を模索した。
その一つが何人かのフィクサーのレールに乗った大連立構想だが、民主党の大反対→小沢さんの影響力の低下→党の求心力を高めるための倒閣一本槍路線の堅持に変わってしまった。
総裁の後継問題では当然考えられる民主党との根回しも、民主党の硬化でそれもうまく行かなかったのが今回の総裁の空白を産んだ原因となったと言われている。、
然し、この大連立を演出した黒幕と言われる人達、それを支持した読売新聞はその失敗について口を噤んだままだ。
そしてその前に支持率34%の福田さんを担ぎだした大連立とダブルと言われている黒幕や自民党内の大多数の幹部達の反省の言葉も何もないままだ。
彼らの反省や総括が無ければ、また同じような道を辿る可能性が大きいと思う。
[福田さんのまあまあ主義]
一方、福田さんは依然として話し合い路線を続け、昨日も書いたが民主党の追求に従って政策の変更はしたが福田さん自身の発案の政策は殆どゼロでそれが世論調査の内閣支持率34%まで低下に繋がった。
そして今は同じ流れで、暫定税率政策の変更を考えている。
福田さんはそれで、民主党が話し合い路線に乗ることを考えているのだろうが、民主党の総裁問題の強行路線から考えると福田さんの話しに乗って来るかどうか判らない。
ただはっきりしているのは暫定税率の問題は完全に民主党が主導権を握っていることだ。
それも民主党の対案の審議もまったくなし?と民主党の意のままだ。
このようになることは予算案の強行採決の時点でとうに判っていることなのに、福田さんは依然として話し合い路線を変えようとしない。
一般庶民の私としてはただ民主党が話し合いに乗って貰い、国民生活に影響が出ないようにして貰うことを願うだけだ。
[自民党の危機意識の欠如または不足]
報道によれば福田さんの暫定税率の変更について、なお党内の反対が多いそうだ。
道路族の一部では暫定税率を固守すべきだと言う議論もあるそうだ。
そしてそれを制御しきれないことが福田内閣の支持率の低下に繋がったいるのだ。
これらの動きから見ると、自民党の危機意識の欠如ないしは不足しているのではないかと疑われても仕方がない。
自民党は戦後一時期の野党の経験を除いて約半世紀に亙り、政権の座についてきた。
その時期の政敵は党と政治理念のまったく違う社会党だった。
そして国民の大半は自民党の考え方を支持した。
だから自民党側に少々の問題があっても、自民党は政権の座を奪われることは無かった。
時代は変わった。
現在の政敵は自民党と考え方の余り変わらない民主党だ。
これについて、一部の批判があるが、一般国民から言えば、自民党に問題があれば、民主党に乗り換えることが出来る。
国民にとっての唯一の懸念材料は、最近の世論調査で今のような自民不利の情勢でなお、自民34%に対して民主17.6%の差となって現れているように、民主党も余り頼りにならないことだ。
然し小泉さん大勝、安倍さん大敗で示されるように、今のようにマスコミ特にテレビの影響で大きく振れる世論の動向から見れば、このこの世論調査の支持率の差は自民党に取って必ずしも安全圏ではない。
この事実を前にして、自民党内にはまだ半世紀に亙る党にとって良き時代、弱かった社会党を相手にしていた時代の夢を見ている人達がいるのではないかと思われて仕方がない。
どうか自民、民主両党とももう少し、緊張感を持ち、そして相手ばかりでなく、国民のほうを向いて政局に当たって貰いたいものだ。
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