道路特定財源問題が紛糾している。
ここではNHKの
時論公論 「道路財源論議と修正協議」の解説を借りて問題点を整理して見た。
[中期計画の問題点]
・道路整備に10年間で最大59兆円使うとした政府の中期計画について、政府がおおまかな内訳を示したのは、政府・与党の合意から2か月半経った後だ。
・中期計画は、全国で1万4千キロの高速道路網を完成させる前提に立っているが、その前提の道路の通行量の予測は、6年前の平成14年に公表されたものだ。民主党の追及によって、中期計画が決まる前の去年の3月の段階で最新の予測が中間報告の形で出されていたことが分かった。
民主党の、最新の数字を基にすれば、通行量の予測が下方修正されて、予定されている路線の3分の1が計画の見直しを迫られたはずだの追及に対して、福田さんはこの秋に正式な数字が出れば、計画を見直す考えを示した。
・どこに道路を作るかの計画の決定手続きも問題だ。政府は国土開発幹線自動車道建設会議という、学識経験者に国会議員の代表を加えた会議できちんと議論した上で決めている、だから問題ないとした。しかし、国幹会議はおおむね2年に1度、しかも、毎回1時間か1時間半しか開かれていないと言う実質的には追認の場だ。これに対して冬柴さんはこの会議のあり方を見直す考えを示した。
・この他、道路財源を使ってマッサージチェアなど特別会計という財布に共通の問題も指摘された。
世論調査:道路中期計画は妥当だ 11% 妥当でない 51%
[道路特定財源の見直し協議]
・そこで問題になって来るのが、中期計画の見直しとそれを前提にした修正協議だ。与党側からは、年度内に参議院で円満に採決ができるよう、民主党との修正協議をにらんだ発言が相次いでいる。
・一方の民主党も、必要な道路は作るという立場だ。菅さんは宮崎の高速道路整備が遅れているのは政府・与党の決め方に問題があるからだと、地方を後押しする姿勢さえ見せている。
・このように、本当に必要な道路を、最小限の国民負担で整備するためにはどうしたらいいのかと言う議論を出来る環境がようやく生まれて来た。
・しかし、実際には、自民党内にも、選挙を考えれば、地方の道路予算を削るようなことはすべきでないという根強い声がある。民主党が税制関連法案の成立に協力するという確かな保証もないまま、自民党の方から大幅な妥協をすれば、党内に亀裂が生まれて、逆に収拾がつかなくなってしまう可能性がある。
・一方の民主党は対案をきょう参議院に提出しが、暫定税率の廃止と一般財源化という大原則は譲れないとしている。この国会で解散・総選挙に追い込むというのが民主党の基本戦略である以上、自分たちから妥協したような形は取れない。
・そうした中で、民主党の対案が提出された。参議院では、道路整備計画のあり方をめぐってさらに突っ込んだ議論が行われるだろう。与野党が激突した挙句、結局、59兆円の中期計画が何の見直しも行われないまま終わったということでは国会の存在意義が問われる。どちらが先に話し合いを呼びかけるか。与野党が、国民の立場に立って、道路財源とその前提になっている中期計画の見直しに取り組むことを期待したい。
[頼り無い自民党と民主党]
これらのことから何となく判って来るのは、
・今までの道路計画は国会の管理の及ばない、道路特定財源を自民党の道路族と国土交通省の間で適当に処理してきたという常識的な観方が改めてて明らかになってきた事だ。
・政府、与党は野党の追求に対して、今までのように衆参両院での多数を頼んで、逃げや無視の手段がもう使えなくなってしまった。
これは民主党が言うねじれ国会のお蔭かも知れない。
・今の情勢では明らかに民主党が有利な状況だ。
・それとこのような大きな問題について、与党、野党とも国の将来でなくて、自党と反対党の方ばかり向いていることだ。
そして、事実はNHKの解説者が期待したような国会正常化の形跡は今のところ見えてこない。
民主党は参議院での「審議を一週間」拒否を決めた。
鳩山さんは政府、与党が予算関連法案の強行採決について謝らない限り審議に入らないと言っている。
民主党は何故「一週間の審議拒否」と期間を限定したのか。
明らかに国会空転に対する世論の反発を恐れているのだ。
そして恐らく与党の謝罪のないまま、今までのように国のためなどとこじつけて審議に入ると言う見え見えのやり方をするに違いない。
それと民主党の対案も問題だ。
民主党の対案は(1)暫定税率の廃止(2)道路特定財源の一般財源化(3)道路整備計画の大幅見直しなどを打ち出した。
この三つの柱はどれも頷けるものばかりで、例の海上給油の対案に比べればはるかに優れている対案だ。
然し、暫定税率の廃止で発生する地方自治体の減収分を補い、民主党の必要な道路を整備の財源の引き当ては、他の財源からやり繰りすると言うだけで、与党やマスコミが言うガソリン税廃止に伴う約2兆円の減収をどうするかについて全く答えていない。
以上を総括的に見ると、政府、与党もだらしないが、民主党も首を捻るようなやり方ばかりだ。
民主党の鳩山さんは昨日のテレビで「せんたく議連」が怪しいと批判していたが、鳩山さん自身も民主党のスポークスマンとして、記者会見で党の方針発表しているが、彼の本音は別の所にあるような気がする。
何故なら次期政権を狙う党の幹事長ともあろう人が、何もマスコミから言われなくても、今の情勢で政治家は日本のためにどうすべきかなどとうに判っていると思うからだ。
参照:カテゴリー → 福田内閣
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