普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

空白の日銀総裁の席と政治の責任

2008-03-21 06:40:24 | 福田内閣

 とうとう日銀総裁の席が空白の事態になった。
 経済の素人の私でさえ、世界経済の危機、難しい舵取りを必要としている日本経済に直面して、日銀総裁の不在が大きな意味を持っているような気がする。
 一番大きな問題は日本に対する世界からの信用の低下だ。
 それを招いた政治、特に自民党と民主党の責任は大きい。

 民主党の責任については、マスコミで散々に叩かれ、私のブログでも何度も触れてきたが、今日はマスコミで余り触れられていない自民党の問題点について考えてみた。

[政治の黒幕の責任]
 福田さんは参院選大敗の後を受けて、民主党との話し合い路線を模索した。
 その一つが何人かのフィクサーのレールに乗った大連立構想だが、民主党の大反対→小沢さんの影響力の低下→党の求心力を高めるための倒閣一本槍路線の堅持に変わってしまった。
 総裁の後継問題では当然考えられる民主党との根回しも、民主党の硬化でそれもうまく行かなかったのが今回の総裁の空白を産んだ原因となったと言われている。、

 然し、この大連立を演出した黒幕と言われる人達、それを支持した読売新聞はその失敗について口を噤んだままだ。
 そしてその前に支持率34%の福田さんを担ぎだした大連立とダブルと言われている黒幕や自民党内の大多数の幹部達の反省の言葉も何もないままだ。
 彼らの反省や総括が無ければ、また同じような道を辿る可能性が大きいと思う。

[福田さんのまあまあ主義]
 一方、福田さんは依然として話し合い路線を続け、昨日も書いたが民主党の追求に従って政策の変更はしたが福田さん自身の発案の政策は殆どゼロでそれが世論調査の内閣支持率34%まで低下に繋がった。

 そして今は同じ流れで、暫定税率政策の変更を考えている。
 福田さんはそれで、民主党が話し合い路線に乗ることを考えているのだろうが、民主党の総裁問題の強行路線から考えると福田さんの話しに乗って来るかどうか判らない。
 ただはっきりしているのは暫定税率の問題は完全に民主党が主導権を握っていることだ。
 それも民主党の対案の審議もまったくなし?と民主党の意のままだ。
 このようになることは予算案の強行採決の時点でとうに判っていることなのに、福田さんは依然として話し合い路線を変えようとしない。

 一般庶民の私としてはただ民主党が話し合いに乗って貰い、国民生活に影響が出ないようにして貰うことを願うだけだ。

[自民党の危機意識の欠如または不足]
 報道によれば福田さんの暫定税率の変更について、なお党内の反対が多いそうだ。
 道路族の一部では暫定税率を固守すべきだと言う議論もあるそうだ。
 そしてそれを制御しきれないことが福田内閣の支持率の低下に繋がったいるのだ。
 これらの動きから見ると、自民党の危機意識の欠如ないしは不足しているのではないかと疑われても仕方がない。

 自民党は戦後一時期の野党の経験を除いて約半世紀に亙り、政権の座についてきた。
 その時期の政敵は党と政治理念のまったく違う社会党だった。
 そして国民の大半は自民党の考え方を支持した。
 だから自民党側に少々の問題があっても、自民党は政権の座を奪われることは無かった。

 時代は変わった。
 現在の政敵は自民党と考え方の余り変わらない民主党だ。
 これについて、一部の批判があるが、一般国民から言えば、自民党に問題があれば、民主党に乗り換えることが出来る。
 国民にとっての唯一の懸念材料は、最近の世論調査で今のような自民不利の情勢でなお、自民34%に対して民主17.6%の差となって現れているように、民主党も余り頼りにならないことだ。

 然し小泉さん大勝、安倍さん大敗で示されるように、今のようにマスコミ特にテレビの影響で大きく振れる世論の動向から見れば、このこの世論調査の支持率の差は自民党に取って必ずしも安全圏ではない
 この事実を前にして、自民党内にはまだ半世紀に亙る党にとって良き時代、弱かった社会党を相手にしていた時代の夢を見ている人達がいるのではないかと思われて仕方がない。

 どうか自民、民主両党とももう少し、緊張感を持ち、そして相手ばかりでなく、国民のほうを向いて政局に当たって貰いたいものだ。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ

政治ブログへ

お願い
 私は今まで私のブログへのコメントについて、訪問者に不快の念を与え、また小さいながらも私のブログの品位を落とすいわゆるアダルト系のコメントを除いては、私の意見に反対や厳しいご批判もすべてそのまま公開してきました。
 然し最近、極く一部ですがコメント欄の中にはいたずらに議論を楽しむ?だけと思われものがあり、それに対して不快に思われ方から投稿者への抗議のコメントを頂いたこともありました。
 私は自分のブログのキャッチコピーに「批判ばかりでなく前向きの議論を聞いて下さい」と書いてあるように、私は訪問者のコメントを含む私のブログ全体として、是非「前向き」のものでありたいと思っています。
 何故ならケチを付けるだけの「後ろ向き」の意見は何も産まないと思うからです。
 つまり、私の文章の一部の不備や私の意見についてご批判があるのは当然と思っていますが、その代わりに具体的にどのように考え直すべきとか、私の意見などよりもっと優れた案があるとか、私の提出した問題点の他にこのような問題があるなど「前向き」のご提案を頂きたいのです。
 然しそうは言っても一端公開されたものを削除するのは、書かれた方のお考えもあり、私が気にいらないだけの理由で削除するのには大きな抵抗があります。
 それで訪問者に不快の念を与えるようなコメントでかつ「前向き」を目指す私のブログの傾向に反するもの(と私が感じたもの)を合法的?に削除する方法としてブログのルールに従って「当面の間」、事前承認制にすることにしました。
 然し、ブロクを読まれた後の全体的なご感想や主旨に賛成のご意見は勿論ですが、厳しいご批判や反対のご意見なども出来れば「前向き」のもの、またはそうでなくても他の訪問者に不快感を与えるものでなければ、今までと同じよう、いやそれ以上に歓迎しますので、ご遠慮なくコメント頂きますようお願い致します。
 そして私の小ブログにわざわざコメント頂ける方や私にとっても、不便な事前承認制など早く撤廃し自由にコメント頂ける時期が早く来る事を祈っております。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (破れ傘)
2008-03-21 23:03:54
>自民党内にはまだ半世紀に亙る党にとって良き時代、弱かった社会党を相手にしていた時代の夢を見ている人達がいるのではないかと思われて仕方がない。

一部同意します。そのように思っている人もいるとは思いますが、もう一方では特定の利権にしがみつく勢力がいます。始末が悪いことに彼らは、自民党の中で一定の勢力を保持しています。彼らは自民党の危機より自己の利権の保守に懸命で自らの所属する政党の危機など意にも留めていないように見えます。

また、構造改革という合理化政策も自民党の衰退の一つの要因ではないかと思います。自民党は補助金交付によって圧力団体の支持をつなぎとめてきたと思います。しかし、構造改革においては、補助金にもメスが入れられ予算の抑制が強制されるようになりました。この結果、自民党の強力な支援者であった圧力団体の集票力が落ちてきたと思います。このことも自民党の衰退に拍車をかけているように思います。

これらの事象は自民党衰退の主要な要因の一部だと思います。しかし、自民党の衰退自体はそれほど由々しき事態であるとは思えません。国民の7割、8割の人が同一政党を支持するということこそ異常なことであるように思います。理想は政権交代可能な二大政党が政策論を戦わせるという状況になるということであろうと思います。

日本の政治シーンにおいて真の問題は、自民党に対抗する勢力が政権担当能力を持たないということではないかと思います。現在の民主党の言動をみていると、本当に彼らに政権をとらせてもだいじょうぶなのか、という疑問が付きまといます。結果、不満は残るものの自民党しかないということになってしまいます。選択肢のない選挙ほど国民にとってつまらないものはありません。

真の実力ある政党が現れることによって、日本における二大政党による政治シーンは確立されます。現在、自民党の対抗勢力としてもっとも有力なのが民主党ですが、現在の民主党は寄り合い所帯のように雑多な集団となっていて、全面的に支持できる政党とはいえず信頼できないのが残念です。
返信する
破れ傘さんへ (無党派A)
2008-03-25 07:03:59
いつも的確なアドバイスを頂きまして有り難うございます。
おっしゃるように民主党が次期政権を担う覚悟で脱皮してくれれば良いと思います。
今後ともご助言とサポートをお願い致します。
返信する

コメントを投稿