普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

9条で国が護れるのか

2007-07-21 11:31:45 | 憲法

参院選を前にして護憲を前面に出して戦っている政党がある。
中には9条を名前に取り入れた政党まで現れている。

参院選を前にして、9条問題にについて前に書いた改憲論議の前に明確にすべきこと の一部を修正、加筆して再度纏め直してみた。

<<9条のため日本が平和でいられた>>
1.護憲論者は9条のお蔭で戦後日本で平和を得られたと言うが、次のような日本がやった事は戦争行為ではないのか。
(1)湾岸戦争のときの連合国側へのみへの資金提供
(戦後の機雷除去は戦争行為ではない。)
(2)アフガニスタン、イラク戦争の時の自衛隊の後方支援
(3)イラク戦争の時の自衛隊派遣
特に現在も続いている米軍用物資などの空輸完全な戦争行為だ。
(2)(3)についてはいずれもが、圧倒的な力を持つ連合軍や米軍への支援だから、幸い一人の死者を出さずに済んだだけに過ぎない。

改憲反対者は、自衛隊派遣のときは、戦争に参加するものだと反対していたのに、改憲論議になると9条が日本を平和にさせてくれた と言う。
明らかな矛盾であり論議のすり替えだ。

2.特に米軍のイラク戦争突入にたいしては、日本国民の大多数は反対していたし、小泉さんが率いていたて自民党員も同じ日本国民だから、米国が困った事をしてくれたものだと思ったに違いない。

然し、自民党の一部の人達も言っていたように、目の前に迫っている北朝鮮の脅威に対して米国の協力を確実に得る為に苦渋の決断をした。

この時、もし日本が日本独自で護れる軍隊を持っていたら、同じ敗戦国であるドイツのようにもっと違った選択もあったかもしれないし、自衛隊派遣という憲法にも抵触しかねない行為に、国連憲章までを引っ張りだしてまでして、米軍の支援と言う戦争行為をしなくても済んだのだ。

つまり9条の制約で日本が国を護れるだけの軍隊が無かった為に、心ならずも参戦しなければならなかったのだ。

然し私の言う事には護憲、改憲論者とも考えねばならぬことが2つある。

<<戦争行為とはなにか>>
1.私は中東の一連の自衛隊派遣を戦争行為だと言ったが、今後同じ様な事態を起こるかも知れぬ事を考えると、戦争行為とはなにかをはっきり定義して置く必要がある。
何が戦争行為かはっきりしていなければ、9条の論議など全く意味が無くなってしまう。

<<憲法解釈で自衛隊派遣して良いか>>
2.憲法や国連憲章の解釈で戦争行為に加担することになるかも知れない自衛隊を派遣できるのか。

今まで日本は、自衛隊の派遣に際しては、度々憲法の解釈を変えてきた
そしてそれでも派遣の理由がたたないときは、国連憲章まで持ち出してきた。
平和憲法を戴く日本が、戦争行為に加担することになるかも知れない自衛隊の派遣をこんなあやふやなことで、決定して良いのか。

前でも引用したが、
テレビ朝日のサンデー・プロゼクトで護憲運動の先頭を走る朝日新聞の若宮啓文論説主幹が、9条に関連して、「日本は今までアフガン、湾岸戦争、イラク問題等を憲法解釈を変えて処理して来た。それで今更何故憲法を変える必要があるのか」と言うのだ。

私は、このような重大な問題こそ政権が変わる毎に適当に解釈されないように、憲法にしっかり明記して歯止めをして置くべきだと思う。

まして、日本の重大な方針を決定するのに、憲法にないからといって国連憲章まで持ち出すなど、独立国として恥ずかしい事だ。

<<如何にして日本を護るのか>>
9条問題の基本となる前文には、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
とあるが、現実は、
拉致事件と言う国家犯罪を犯したり、武力による恫喝外交をするするなど、公正と信義に信頼出来ない国。
敗戦のどさくさに紛れて、日本領土を侵犯したままの国。
基本政策に反日を掲げている国。
一党独裁党による政治手法、多民族、格差問題など多くのストレスを抱えた国。
など周辺には日本の安全を脅かしそうな国が多くある。

これは憲法前文で想定した前提と明らかに違っている。
平和主義は私も賛成だが、憲法で想定していなかった、このような国が出てきた時の日本の対応も憲法で示して置く必要はないだろうか。

<<米国一本槍で良いか>>
今の憲法論議、特に9条については、改憲、護憲の双方とも、日米同盟をなんとなく未来永劫のものとして考えているような気がしてならない。

私たちは、米国の現実の把握とその将来の予測をして改めて如何にして日本を護るべきかを考えてる必要があると思う。

米国も多くの不安要因を持っている。
米国の明らかな極東政策の変化
世界からみれば必ずしも好感を得ていない。
二次大戦後、世界で一番余計によその国で戦争をした国。
国連で一番拒否権を発動し、いまのテロ行為を誘発、拡散させた国。 
若しその様な評判の悪い米国がぽしゃった時、それに頼りきった日本の世界における立場や防衛問題ははどうなるか。

<<武力行使より外交?>>
護憲論者は外国とのトラブルは外交で全てを解決すべきだという。
正論だ。
しかし、拉致問題で米国から梯子を外された日本が、今後どのような外交政策を取れと言う現実問題に対する護憲論者の提案を待ちたいものだ。
またひたすら北朝鮮に謝り倒せと言うのだろうか。

拉致問題の停滞状況にあって、不正確な情報に基づく慰安婦問題を持ち出して、政府を困らせている護憲論者の一部の人達は、外交手段しかない日本政府の足を引っ張っているのではないか。

<<私の提案>>
1.私は、憲法は9条を含めて、基本的に現実に合わせて変えた方が良いと思う。
然し9条や国防の問題に限って言えば、日本の存亡に関わる深刻な問題だし、日本の政策の持続または変化は米国や周辺国への影響も大きいので、超党派のシンクタンクを設置し、あらゆるケースについて時間をかけて十分に討議し、その結果を国民に周知した後、討議決定すべきだと考えている。

2.政権与党や次期政権を狙う民主党は、その主張の裏側にある問題点とその対策まで、明らかにしないと近頃政治に対して疑い深くなっている国民の了解を得られないと思う。

政権と無縁の左派、右派政党も同じことが言える。
彼等が大事な国費を使っての選挙を、自党のキャンペーンの絶好の機会だと思っているのでなければ。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
林 忠男さんにお礼 (無党派A)
2007-07-27 07:17:17
貴重なアドバイスを頂きまして有り難うございます。今後ともご助言とサポートをお願い致します。
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改憲論者に問う (林 忠男)
2007-07-25 16:59:48
改憲論者は戦後レジームから脱却しろと声高に主張する人が多いが、経済政策特に国際経済についてどのように考えているのか。
まさか戦前の国家統制、総動員体制に復帰しろと云うウルトラ国家主義では無いだろう。
アメリカの世界戦略は市場開放、自由貿易であるが、我が国の戦後レジームを批判する人は、市場原理主義にも反対のようだ。
愛国心を持って国際競争を闘うことは可能だろうが、国内の市場を開放しないで輸出だけ行うなどという虫のいい考え方は経済大国の日本には通用しないのだ。

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