普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

太陽光発言の現況と問題点

2012-10-22 16:16:48 | 電力、原発

・2012年度から倍増の太陽光発電の買い取り価格・平地にパネルを並べるだけどボロ儲けウハウハの企業・その儲け分を負担する消費者や企業
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 たまたま産経新聞を見ていたら、最近のメガソーラー発電の建設の動向が纏めて出ていましたので、簡単に企業名、出力、設置場所、プロゼクトの特記の順に整理して見ました。 (なおネットで候補地の状況など調べて判ったところは追記しています。)
・丸紅:出力8万1500キロワット、設置場所、大分市沿岸部の105ヘクタールの敷地、特記事項なし
・大林組:2800キロワット、鹿児島県阿久根市の工業団地、今回の案件で6件目
ヤマザキマザック、220万キロワット、岐阜県美濃加茂市の自社敷地内、設営と維持管理は中部電力の子会社
・近畿日本鉄道:約3千キロワット、自社所有の奈良県大淀町の遊休地、大分県の所有地にも同規模のメガソーラーの建設を計画
・三菱商事と熊本県共同:2000キロワット、阿蘇くまもと空港(菊陽町)の北側の遊休地、太陽光パネルメーカーは県内から選ぶ、他の自治体との事業化も検討
・日揮:約2万7千キロワット、大分市の臨海工場地帯
・ユニ・チャーム: 総出力5200KW、国内主力3工場の屋根
・積水ハウス:国内の全生産工場に太陽光発電システムを設置
・JX日鉱日石エネルギー:総計2750キロワット、仙台、下松の2事業所、適地があればほかの場所でも設置を検討
・京セラ、IHIなど7社、70メガ(1メガは100万)ワット、鹿児島市七ツ島(IHIの所有地)
・毛紡績最大手のニッケ:約9800キロワット、同社保有のゴルフ場、のほか同社の工場や商業施設の屋根など二十数カ所でも出力20~300キロワットの太陽光発電事業を検討
・日・台出資のスカイパワー:約2千キロワット、石川県内灘町の保有地の山林約6万5千平方メートルを借用、今後3年間で全国にメガソーラーを建設し、出力計約100メガワットまで事業を拡大する計画
・大和ハウス工業:2000キロワット、所有する「ひびき国際物流センター」(北九州市若松区)の屋根、京セラ製の太陽光発電パネル使用、岡山第2工場(岡山県赤磐市)の屋上にも太陽光発電パネルを設置し今年度に1万キロワット、26年度までに計7万キロワットの発電事業に育てる計画。
 次は産経には出ていませんでしたが、ネットで調べ追記しました。
・ソフトバンクと三井物産:3万9500キロワット、鳥取県/米子市/鳥取県住宅供給公社の3者が所有地約 53万4,000平方m、太陽光パネルの調達は国産メーカーと最終調整中、堺市でも大規模なメガソーラーを計画中
 これを見ますと報道されている限りで言えば、使いようのない自社の保有地や自社の建屋の屋根利用、パネルの国産の使用の動きなど納得できるところもありますが、日・台出資のスカイパワーやソフトバンクの公共機関の保有地の利用は果たして良かったのでしょうか。
 山林など樹木を伐採すればその保水能力ががた落ち、唯でさえ異常気象での洪水の被害に悩まされている日本で適切な利用法と言えるでしょうか。
 ソフトバンクの場合は完全な平地ですから、簡単な基礎工事をすれば後はパネルを並べるだけ、こんな旨い話はないと思いますが、折角の平地ですから食料の自給率が落ちているいま、そして米国、オーストラリヤなどの最大の食料供給地の異状気象による耕地の縮小、中国などの成長に伴う食料の需要の急拡大の時代に、平地の利用はもう少し先見の明があって良いと思うのですが。
 そして最大の問題は固定買い取り価格の問題です。
 前にも紹介しましたが同制度がほぼ決まりかけたときの週刊全国賃貸住宅新聞の記事を見て下さい。
現在、賃貸住宅で導入が進んでいる太陽光発電システムは、オーナーへの還元率が高い「共用部連系」だ。発電しても利用しなかった余剰電力を電力会社が購入することで、オーナーの収益になる。2011年度の買い取り価格は10kW未満の住宅用は42円、10kW以上になると24円、買い取り価格の固定期間は10年だった。
これに対し、7月から始まる太陽光発電システムによる全量買い取り制度が委員長案通りの買い取り価格、期間で成立すれば、オーナーの収益は大幅に増加することになる。

つまり2011年度まで10kwh以上24円だったのが、42円に急騰したのです。
 然も何故か他の風力・水力発電の場合は従来のように、その規模に応じて買い取り価格に差を付けていたのに、太陽光だけは規模に関わらず同じ価格。
 個人住宅の場合特別の補助金が出る違いがあるだけ。
 ソフトバンクの場合で言えば、平地にパネルを並べただけで、1時間ごとに(42円-24円)×39,500=711,000円が余分に転がりこんで来るのですから。
 然も人件費は殆どゼロ、然も20年間買い取り価格は据え置き。
 この制度が決まったときの菅さんと握手している孫さんのにこにこ顔も良く判ります。
  再生エネルギー推進のために単価を上げても良いが、せめて大和ハウスとかニッケのように建屋の屋根など工事費も掛かる場所に限って42円にし、平地などの利用は例えば30円位で抑えれば良かったと思うのですが。
 そのボロ儲けの負担と、安定発電供給の義務のために太陽光発電停止に備えてみすみす余分の設備を整備して置かねばならぬ電力会社の負担分は総て消費者である一般家庭の電気代に跳ね返って来るのですから。
 おとなしい消費者はそれで我慢するとしても、従業員の生活を護らねばならない企業は海外に拠点を移したり、海外から部品を購入するために下請け業者は止むなく従業員のリストラをしなければならないかも知れません。
 日本が手本にしてきた、再生エネルギー使用の先進国のドイツでは太陽光発電は失敗したと総括しているのです。
 日本でも買い取り価格の見直しの声が出ていますが、上記のような企業の殆どは現状価格を20年間据え置いて貰うのです。
 菅さんは大変にことを残してくれたものですね。

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