普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

○反原発のムードで日本のエネルギー政策決定の愚をするな

2012-06-14 16:23:22 | 電力、原発

・原発問題は科学的に前向きに考えよう・反原発のムードで物事を考える危険性・一番悪いのは東電の経営陣・ムードで動き安い日本国民とマスコミのあり方
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・原発問題は科学的に前向きに考えよう
 一昨夜のツイッターで放射線被爆の影響に就いて次のツイィートを見ました。
・200mSv以上の被曝で癌の発生率が30%→33%に増加した模様です。100mSvの場合は有意な差は見られず。福島原発事故では事故後4ヶ月の浪江町の10~50ミリシーベルトが最も高い <放射線の影響 広島・長崎の長期調査からわかったこと http://www.asahi.com/special/10005/TKY201104070102.html
・仮に25mSvが急性被曝だったとして、白血球の一時的減少が見られるのが250mSvか500mSvあたりだよね。被害が少なくて何よりという数値じゃないかな。:福島被ばく、最大25ミリSv県民2万4千人調査 http://bit.ly/KxEx8H

 これを見てそれで前のツィッターの朝日新聞のデータを探してみました。
放射線の影響 広島・長崎の長期調査からわかったこと  放射線は人体にどんな影響を与えるのか。広島・長崎の被爆者たちの健康調査で多くのことが分かっている。大きな犠牲から得られたデータは、世界の放射線防護対策の基礎となっている。
 長年の調査でわかった主なポイントは次の通りだ。
・がん
 被曝後10年目ぐらいから乳がんや胃がん、大腸がん、肺がんなどにかかる人が増え始める。統計で、被曝していない人より多いと明確なのは200ミリシーベルト以上浴びた場合だけだ。100ミリシーベルトの場合は、計算上は31.5%だが、追跡調査では判別できない。喫煙の有無による差の方が大きく、少量の放射線による差は統計をとっても数字に表れないからだ。
・白血病
 被曝による発症率の増加は大きいが、比較的まれな病気で、被曝で増えた患者はがんに比べ少ない。日本人で生涯で白血病になる人は千人のうち7人、平均200mSV の放射線を受けた人は千人中10人にのぼったとされている。
・胎児への影響
 被曝線量が多いほど知的障害児が生まれる割合が増えた。「200ミリシーベルトまでは発生頻度が上がるようには見えない」。
・遺伝への影響
「遺伝的影響は見られない」と結論づけられた。
・編集者追記
 ただ、原爆は一度に放射線を浴びており、事故などによる比較的低いレベルの放射線を長期間受ける場合の健康被害は分かってないことも多い。

 この報告を読むと問題なのは被曝で増えた患者はがんに比べ少ないけれど白血病の許容限度が示されていないだけて、福島第一の2回の爆発での福島県の被爆者全体で言えば殆ど健康被害を受けていないことになります。
 広島・長崎の場合は放射線の影響の大きさなど誰も知らないために、被爆の被害が出ましたが、今回の場合は批判はされても当時に比べれば遥かに適切な処置を取られたために(政府は極端に許容限度を厳しくしたので問題ないと思いますが)食物からの少量の摂取の積み重ねの問題や、事故後の福島第一からの流出している放射能をおびた水の被害もありますが、一応は安心できる数字です。
・反原発のムードで物事を考える危険性
 私がこの問題を取り上げようと思ったのは11日ころ「政治ブログ村」の注目記事のなかで、小沢さん支持野田さん批判の記事とともに原発反対の記事が余りにも多かったからです。 (「政治ブログ村」の傾向もあるような気もしますし、今朝は可なり減っていますが。)
 これらを見て感じるのは、最悪なのは原発と政府、次は東電でと言うレッテルを貼り、その貼ったムードに動かされているようにしか見えないのです。
上記の例のように、総て科学的に見ること、そうして予断を持たずに判断しなければ、今のような自転車操業のような経済運営の日本が立って行くわけがありません。
それが政府・国会の事故調査委員会までがそのムードに乗って、地方自治体の首長が事故原因の究明とそれに基づく安全基準の確立を求めているのに、いまだに政府、安全委員会などの関係機関の事故処理の追求ばかりしています。
・一番悪いのは東電の経営陣
確かに菅さん始め事故の後処理の仕方は批難されて仕方がありませんが、千年に一度の想定外の事故で慌てふためくのはある程度当然なことです。
然し原発を運転する東電は千年に一度の事故の発生を防ぐために、政府がどうしようと、原子力安全委員会などの機関が何を言おうと言うまいと、じっくりと腰を構えてオンボロ設備の改善と強化につとめるべきでした。
私も民間企業の現場で働いてきましたので、どちらかと言えば東電、然も現場の肩を持ちたい所ですが、上記の点から言えば学者も含めて運転・保全の素人の政府と同機関より、その道でベテランであるべき東電に責任があると思います。その出発点を間違えたところから最近の混乱が収まらない状態に続いています。
さらに細かく言えば現場の自主管理活動で出た筈の改善提案を東電の経営者がどれたけ受け入れたかを考えれば、今回の最大の責任者は東電の経営者です。
・ムードで動き安い日本国民とマスコミのあり方
反原発のムードを醸成する資料は数えきれないほどあります。
数々の原発事故の報道、その程度の大きさと広さ。
この報道はマスコミとしては当然の仕事です。
然しマスコミは今回の事故原因の分析、今後のエネルギー政策のあり方とう前向きの報道を、事故の結果の報道の少なくとも3分1の紙面を割いて解説記事を乗せるべきでした。
前向きと言う面から言っても、少なくとも当面はある程度の原発維持は避けられないのに、政府・国会の事故調査委員会の政府関係者の調査優先に就いても批判すべきでした。
私が講読している読売新聞も社説では原発維持を唱えて居ますが、事故原因の分析報道は僅か、他のマスコミと同様に事故の悲惨さの報道が殆ど。
 北九州市のガレキ処理報道でも、反原発運動に乗った市民の多分10%にも満たない人の反対意見を乗せるなど、 反原発のムード醸成に一役買っています。
 昨日のツイッターで「原子力規制庁に出向した人は「出身官庁に戻れん」なんて変な規制したら、規制庁が「各省庁の姥捨山」になるだけじゃないだろか」というツィートが出ていました。
私もその様な狭い官庁に出向して出世の道を断たれた人のモラルややる気の低下が心配に成りました。 原発と無関係の部署への配属くらいの配慮は当然です。
これも「官僚は総て悪」というムードに乗った民主・自民の人達の思いつきです。
日本人はムードに乗りやすい国民だそうですが、石油化学資源の涸渇が明らかの今、原発と日本のエネルギー政策についてムードで決定することのないように、政治家も官僚もマスコミも良く考えて貰いたいものです。

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