普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

消費税増税提案が国債危機のリスク要因?消費税増税は止むを得ないのか?(2)

2012-04-05 17:27:11 | 経済・財政
 テレビは首相が直接国民に訴える場を設けるべき、野田さんの消費税増税政策の国債危機に与える影響・結局は首相の決断と実行力そして国民への発信力
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  昨夜のNHKのクローズアップ現代の、「野田首相が政治生命をかける消費税率引き上げ法案は閣議決定されたが先行きは不透明。地域政党は決められない政治への批判を強める。停滞を打破できるか。」に就いて野田さんに訊いた番組は非常にまでは行きませんが良かったと思います。
 何故なら、先日小笠原誠治さんの「消費税増税が止むを得ないと考える理由」を紹介した「消費税増税が止むを得ないのか?で「決局は野田首相の決心と国民への説明」と経済音痴の私ガ結論したような番組にだったからです。
 その点アンカーの国谷裕子さんは消費税増税の問題点から、党内の分裂状態になっていること、「決められない政治」など国民の訊きたいことを訊いてくれたし、野田さんも言いたい事は充分では無かったかも知りませんが、相当程度話したのでしょう。
 強いて言えば30分そこそこの時間と国谷さん一人のために突っ込みが足りなかったことですがまあ仕方がないのでしょう。
  これで直ぐ思い出すのは麻生さん時代の同じNHKの「総理に訊く」一時間を下らぬ事ばかりで時間を潰し、麻生さんの政策を訊いたのは最後の僅か1分そこそこと言う酷い番組です。 (*注記参照)
 この差は何でしょう。さては自民党政権と民主党政権の差?
 いずれにしても今回の野田さんの考え方を直接聴かれたのは良かったと思いますし、今後、属する党が何であれ、原発、TPPなどテーマが何であれ、首相が直接国民に話しかける場をもっともっと多く作って貰いたいものです。
[もう一つの消費税増税を避けられない理由]
前回アップした小笠原誠治さんの消費税増税が止むを得ないと考える理由
・いずれ増大する国債はいずれ消化できなくなるかも知れない
・人口の減少→日本としての実質GDPが減少→国家としての日本の経済力が低下してしまう恐れがある
・貿易収支で赤字でも経常収支は黒字で国の金余り現象がいつまで続くか分からない。
・そのような経済環境で国民・金融機関は今までのように国債を買うだろうか?
・財政赤字の問題は、問題が顕在化してから行動しては遅いので、そうなる前に少しずつ準備しておく必要がある
・そんなことを考えると今の日本の国債の発行残高は、余りにも大きくなりすぎている。
・今後少なくても残高が増えないようにする位の努力は最小限必要だ。
・何らかの手段で財政を健全化することが必要だが諸費税増税が一番現実的だ。
東京大学大学院教授・盛山和夫さんの消費税増税やむなしと言う理由
なぜ私は消費増税容認に変わったか・増税するリスクとしないリスクの結末  (括弧内は私の意見です。)
・日本国債は安定している
 日本国債は、円建てで、約95パーセントが国内の金融機関と個人によって保有され、しかもその半分は、政府の特別会計、郵貯、日銀など、政府系機関の保有である。投機筋が売りをしかけても、容易には市場を動かすことはできない。現時点で、急いで税収ギャップの縮小に取りかからなければならない理由はない。 (小笠原さんが指摘した国内の国債需要が飽和状態になることの問題点は?)
日本国債の不安定さは間違った情報に流され安いこと
 国債を保有している民間の金融機関にとって、「国債価格が下落する」という予測がたとえ本当は間違ったものではあったとしても、いったん「そうなるかもしれない」と思う人が増えると、その結果、実際に国債が売却されて価格の低落が起こってしまう。今日の日本国債にはそうした「不安定さ」が加わっている。 

・野田総理が消費増税を政権課題のトップに上げたこと自体がリスク
a.消費増税の必要性があれほど強調されるということは、実際に、債務危機が差し迫っているのだろうな、という印象を与えている。
b.「2年くらい先には消費増税による税収ギャップの縮小が実現する」という期待が裏切られたときのショックは大きい
c.通常国会会期中に、増税スケジュールの目処を立てるのに失敗した場合、「決定できない日本の政治」という評判が確立して、国債価格の下落が現実化する危険が高まる。
・野田総理が誕生する前までの筆者の考え
 この「野田総理自身が招いた危機」の要因がなければ、今の時点でなすべきことは、震災復興を一つの足がかりとするデフレ脱却であり
(賛成)、中長期的な成長軌道の確立であろう(いかにして成長軌道の確立するのか誰も納得する答えがない)。歳出の拡大が求められているのだが、そのための財源は、当面は国債の増発で構わない。 (先の小笠原さんの指摘。総て日銀引き受けの問題は?)
・「増税する」リスクと「増税しない」リスク
 20年以上にもわたって放置されてきた構造的な税収ギャップを埋めるというのは基本的に望ましいのだが、ここでもしそれを忌避すべき理由があるとすれば、それは、「デフレ経済のもとではさらなる景気の悪化を招きかねない」という1点しかありえない。
 真の選択肢は、(A)デフレ悪化懸念があるので消費増税は見送るか、(B)「決定できない日本政治というリスク」があるので、増税やむなしと考えるかの二つだ。どちらもリスクがある。
 私としては、日銀の金融緩和、若干の円高の解消、復興支出による景気刺激などで、デフレ懸念がかつてよりは弱まっている面もあるので、今日では後者のリスクの方がやや重いと考えている。この究極の選択のもとで、おそらく望ましいのは、なんらかの付帯条件をつけて消費増税スケジュールを決定することだろう。
 いずれにしても政局含みの現在、何が決定されて何が決定されないか、まったく予想が立たない。この混迷が経済にとってよくないことだけは確実である。

 筆者の盛山さんは野田さんが消費税増税を要らないことを言い出したために、日本の国債のリスクが増したと言って居ます。
 私はいずれにしても野田さんの言う不退転の気持ちで政治生命を掛けてやるのなら、強い決心と実行力でことに当たり、国民にももっと強く説得すべきだと思うのですが、彼の不思議な人事、国民に遠慮しての年金のスライド制の実施延期 、凍結していた整備新幹線の再開、安全のためとして今まで安全とされてきた放射能の基準を更に強化して却って国民の不信を買うなど、彼の本気度を疑わせるようなやり方が目立ちますがどうなんでしょうね。

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注記:麻生さん時代の同じNHKの「総理に訊く」
 一時間の番組で、経済対策の遅れの批判はまあ良いとして、その大半の時間を、麻生さんの漢字の読み間違いの理由、麻生内閣の支持率低下や麻生さんの支持率が小沢さんより低いことの麻生さんの考え、西松建設が国策捜査ではないかの質問などなどで費やし、残り時間が1分そこそこの時「日本の将来の国家像をどうするのかと質問」をしたのです。(その番組がいかに酷いかは「NHKの「総理に聞く」にがっかり」を見て下さい。そして麻生さんが1分間でどれだけしゃべったか、またしゃべらねばならなかったかを見て下さい。)