・民事訴訟問題こそ裁判員制度を
・尖閣問題の政治が表にでなければならないときは隠れ、官僚に検討させる前に政治が表に出る、民主党政権の政治主導
・有明海水質悪化にはもっと大きな基本的な問題があるのでは
長崎県の国営諫早湾干拓の為の潮受け堤防の排水門を5年間開放するよう国に命じた福岡高裁判決について、菅首相が最高裁への上告を断念する方針を示したことに付いて、また問題が持ち上がっています。
[裁判員制度が最適の民事訴訟問題]
この問題に就いては計画段階から、環境の変化に付いての評価が定まらないため、漁業者と農業者、長崎・佐賀・福岡・熊本の各県からそれぞれの立場で賛成、反対してきた経緯があります。
・地裁・高裁の判決はいずれも開門の判決でしたが、彼らがどれたけの根拠でその判決をだしたのか判りません。
何故なら開門に伴う環境変化についてこれと言った定説がないからです。
読売新聞の今朝の社説「諫早」上告断念 見切り発車の開門では困るはその判決の問題点として、調整池の汚泥流出による周辺海域の水質が悪化、洪水や高潮が発生した際の防災対策、農業用水として使う新たな水源確保など問題点を上げています。
それに対して高裁は国に準備期間として3年間の猶予を与えています。
これを見る限り、普通の表現で言えば、「裁判所としては、どの方向が良いか正確には判らないが、どちから決めなければならないので、多分開門しても問題がないように思えるので、後は国が良く考えてその開門の方向で考えて見てはどうだろうか。」というような判決になったような気がします。
私は何時も思うのですが、この様な民事裁判こそ国民の常識が反映させることが出来る裁判員制度を導入すれば良いのにと思うのですが。
何故なら米国の陪審員制度のように、有罪・無罪の議決だけなら良いが、素人が本人の将来まで大きな負担を負う責任はないと思うからです。
そしてこの様な世間に大きな注目を浴びることに素人が参加することで、裁判に国民の常識を取りいれたり、国民に裁判に大きな関心をもって貰うと言う裁判員制度の本来の目的が達成できると思うからです。 (当初裁判員制度の対象として民事訴訟が考えられていたのがいつのマニか刑事事件に変わったそうです。)
[・菅さんの上告断念と言う政治主導]
菅さんはその指導力不足を批判されているので、前から関心があったこの問題こそそのリーダーシップを見せたいと思ったのでしょう。
しかし、関係省庁である農林水産省は現在、開門の適否を判断する環境影響評価を進めており、訴訟では上告を求めていたそうで、報道によれば首相の決断に官僚は何も知らされて無かったそうです。
菅さんの今回の政治主導の決断に早くも政治家、マスコミ、関係者から大きな批判が上がっています。
菅さんの決断の是非はとにかくとして、菅さんは自分の消費税発言や鳩山さんの「国外、少なくとも県外」発言の影響に付いて学習しているのでしょうか。
[有明海水質の基本的問題]
諫早干拓の背後地を見ますと長崎半島とから島原半島が飛び出した丁度くびれた所にあります。
詰まりその背後地は非常狭く、従って極く短い本明川が一本だけです。
今水質が問題になっている有明海には九州随一の長さと最大の流域を持つ筑後川が流れ込んでいます。
有明海の水質に及ぼす影響は全体的に見れば、干拓地に流れ込む本明川の影響などは無視できるほど小さいようです。
Wikipediaの諫早湾干拓事業でも、有明海の魚類の漁獲減少や水質汚水の原因として、
・海苔養殖業者が消毒目的に散布した酸や化学肥料による影響
・タイラギの漁獲不振は締め切り前から始まっていた
・、有明海は閉鎖的浅海であり、河川から流れてくるリンや窒素によって栄養過剰のため赤潮が発生しやすい。
ことからそ原因は干拓事業よりも、有明海に注ぐ生活排水の影響が大きい。 (勿論筑後川の影響が一番に効いている筈です。)
と指摘し、唯一干拓の問題点として、干潟の浄化作用が機能しなくなった損失は大きい。と記しています。
今回の問題は諫早湾干拓が有明海の基本的な問題、その背後にある福岡、大分、長崎、佐賀、長崎、熊本県の環境政策、それ最近の地球規模の異常気象への対応に大きな警鐘を鳴らしたものとして捉えるべきだ思います。
菅さんが政治主導でやるならこの様な大きな問題に取り組んで貰いたいものです。
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