普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

どうなる日本?

2009-12-11 10:57:41 | 鳩山内閣

[コテンパンの民主党の経済政策] 
 一昨日の読売はその社説の国債50兆円超え 財政赤字はもう放置できぬ
で次のように鳩山政権の経済政策を批判しています。
・今年度の税収が当初予算の見積もりである46・1兆円は36・9兆円にとどまり、国債発行額は、第1次補正後の44・1兆円から53・5兆円に膨らむ。
・問題は、来年度も税収の回復が期待できそうにないことだ。
 この状況を前提にすれば、鳩山内閣が来年度の予算編成で取るべき手法は明らかだ。
・まず、民主党が政権公約に掲げ、各府省が概算要求に盛り込んだ施策の見直しである。
子ども手当支給に2・3兆円、高速道路の一部無料化に6000億円などだ。こうしたバラマキに近い施策は、取りやめるか大幅に縮減すべきだろう。そうしなければ、95兆円に膨らんだ概算要求の大幅削減は不可能である。
・次いで税収の確保だ。国と地方で2・5兆円の財源を失うガソリン税などの暫定税率の廃止は、撤回する必要があろう。
・中長期的には、消費税に着目せざるを得ない。増え続ける社会保障費を賄い、財政再建にもつながる安定した財源を確保するには、消費税率の引き上げしかないのははっきりしている。
 詰まり読売は政権の目玉政策であり鳩山さんが民主党の経済成長政策であるとした、子供手当て、高速道路の無料化、暫定税率の廃止など(農家の戸別所得保障制度を除いて)全ての方針変更を求め、鳩山さんが言った消費税値上げ見送りの批判をしています。
 読売の主張がもし正しいとすれば、鳩山政権は農家の戸別所得保障制度と中小企業支援策を除いて全く効果的な経済政策を持って居ないことになり、日本がこれからの難しい経済環境はとても乗り切れないと思います。(なお私は読売が指摘しなかった農家の戸別所得制度に使う金があれば他の農村活性化に使うべきだと思っています。)
参照:高速無料化で社・国、来年度導入見送りで一致 

[全くビジョンの見えない安全保障政策]
 普天間基地問題に就いては何度も書いていますので、簡単に書きます。
・この問題の本質を知るには、ミステリー小説ではありませんが、日米関係のこじれを一番喜ぶ国はどこかを考えれば良いと思います。
・日本は平和憲法で自国自身を独自に護る武力を持てない代わり、日米同盟を結び、実質的には米国の軍事保護国になりました。
 その米国が日本を見捨てれば、どうして国を護るのでしょう。
 軍備を強化するか、憲法にあるように「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」するのでしょうか。 (私自身は日米同盟下であってもなくても、日本が自国を護るに足りる専守防衛の軍備を持って欲しいと思っていますが。)
 ・勿論鳩山政権は日米同盟を基軸にする安全保障と言っていますが、しっかりした安全保障のビジョンも戦略もないまま、対等の関係を保つなど格好いいことを言って、両国の関係を揺るがせないようにすべきだと思います。
参照:
日米関係「良くなる」日本17%、米30% 

[危うい東アジア共同体]
・一昨日のテレビのCOP15で中国の代表は、先進国がほぼ合意している12年までの年100億ドルの途上国支援について、「途上国1人あたり2ドル未満。デンマークではコーヒー1杯分」と皮肉り、日本の25%削減も他国の合意を前提にしているので、日本は何も約束していないのと同じ」と酷評。欧州連合の目標を「毎年の削減率は今より小さい」と述べ、米国に対しても「評価に値しない」と批判していました。
 世界一の温暖化ガスの排出量を持つ中国はGDP当たりの目標を出していますが、現状の経済成長率が続けば、GDPあたりの目標は達成しても、排出総量は倍増すると報道されています。
 中国の代表の演説の裏には今やG2と言われ、世界経済は独り7~8%代の成長をしている中国に頼るしかないと言う自信と、地球の温暖化を無視しての自国利益中心の政策が見え見えです。
 米国と対等の外交を主張する日本は、同じようにCOP15でも中国に対して批判もしくは説得すべきと思うのですが、日本が中国とどう接しているのか全く報道されていません。
・日中両政府が共同開発で合意したガス田「白樺」中国が掘削施設完成について読売は次のよう書いています。
 白樺で進む施設建設に対し、鳩山首相は就任直後、中国の温家宝首相に「憂慮している」と懸念を示したが、抗議はしていない。
 防衛大学校の村井友秀教授(国際政治)は「中国は日米関係の悪化をにらみながら、掘削を始める可能性もある。

小沢氏が訪中、民主党国会議員140人同行

 報道に依ると同党支援者らも含めた訪中団は総勢630人となるそうです。
 この訪中団が問題になって今度で2回目ですが、首を捻るのは対等の外交を主張するのなら、また外交上の儀礼から言っても、日本から600人もの人を送りこんでいるのなら、中国もほぼ同数の公式または非公式の同じ性格を持つ代表団を同じ回数送るべきだし、それを要請すべきです。
 総書記の胡錦濤さんと小沢さん以下の国会議員が独りづつ握手しているのをみると、まるで彼から謁見して貰っているような気がするのですが。
 これでは小沢軍団が白樺ガス田の開発に就いて中国に抗議する雰囲気など全く考えられません。
参照:小沢訪中団 国益に資する議論を望む 

・この調子で鳩山さんの言う東アジア共同体ができたとき、少なくとも実質的にリーダーシップを取るのは中国であり、同国の自己中心的政策に振り回されるのは眼に見えているような気がします。

[どうなるのか日本?]
・未曽有の経済危機に継ぐ、長引きそうなデフレに対して有効な経済政策は殆ど無いため少数与党の亀山さん一人に振り回されている鳩山政権
・国の安全保障に関する先を見据えたビジョンも、具体的な政策もなくて肝心の日米関係をぎくしゃくさせている鳩山さん
・独裁国家で何を考えているか判らない中国、世界から批判されている民族問題について内政干渉だとはねつける中国、自国の利益のためにはなりふりかまわぬ中国とどう付き合うかも明らかにしない小沢さん。
 このような政権や指導者に率いられた日本は、これから一体どうなって行くのでしょう。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。

政治ブログランキングへ