「川柳くろがね」5月号より
前月号鑑賞 小川清隆 選評
「一歩引く妥協の足がくやしがる」 中村トシ子
負けて勝つ、ということもある。妥協すると言うことは犠牲になることでもある、一歩引くゆとりがあれば悔しさも薄らぐもの。押すことも引くことも上手に使い分けるのが生きる道だ。
「失敗をするたび世間広くする」 吉富 虞
失敗を幾度も重ねて成功に導くもの、功を成した人は失敗の先に明かりを見出した人達、ノーベル賞然り。失敗の度に、他人のアドバイス、知恵を貰いながらスケールの大さな人間になっていく。失敗を怖れてはならない。
「本物の涙は人に見せられぬ」 桶川 聖柳
本物の涙と嘘の涙、嘘の涙は他人に見せるためのもの、試合に負け流す悔し涙も人に見せない方がいいのかも、他人のために涙す涙も身の内にしっかりと溜める。
「糊代をたっぷりとって生き上手」 時津みつこ
繕い代、糊代をたっぷり持っている余裕がどんな難難にも堪えられる、糊代が少なければ行き詰ってしまうことも必定。時間もたっぷり余裕をもってあわてない。
「湯豆腐に叱られているはしづかい」 吉丸 玲子
食事処で箸の握り方がいびつな人を良く見かける。彼等は湯豆腐どころか固いものさえうまく掴めず苦労している。これはまさに親の躾の怠慢によるもの。私は孫の一歳の誕生日にはお祝いとして躾け箸を届けた。
くろがね抄 矢野 隆 選
母一人だけの拍手で立ち直る 中間 和田 澄雄
母さんのスキップ知っている廊下 直方 吉丸 玲子
母さんを想う涙が海になる 八幡西 大塚郁子
手の届く桜のなんと聞き上手 福津 水谷 そう美
積読の本が名刺の顔をする 宗像 桜木 山彦
厚化粧している今日は笑えない 中間 志岐 けい子
プライドを捨てると轍良く見える 中間 吉冨 廣
リハビリの一歩を褒める歩数計 八幡西 時津 みつこ
ナイターが始まる家庭内別居 中間 古野 つとむ
疑問符を使いきっかよく睡る 宗像 的場 しずえ
雑草の茎の強さを知るとがま 岡垣 広渡 憲峰
寝たばかり起きたばかり街の朝 福岡 坂梨 和江
針穴をすんなり通る褒め言葉 愛知 陣内 いっこう
花びらをざくざく踏んで春送る 八幡西 松井 昌子
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前月号鑑賞 小川清隆 選評
「一歩引く妥協の足がくやしがる」 中村トシ子
負けて勝つ、ということもある。妥協すると言うことは犠牲になることでもある、一歩引くゆとりがあれば悔しさも薄らぐもの。押すことも引くことも上手に使い分けるのが生きる道だ。
「失敗をするたび世間広くする」 吉富 虞
失敗を幾度も重ねて成功に導くもの、功を成した人は失敗の先に明かりを見出した人達、ノーベル賞然り。失敗の度に、他人のアドバイス、知恵を貰いながらスケールの大さな人間になっていく。失敗を怖れてはならない。
「本物の涙は人に見せられぬ」 桶川 聖柳
本物の涙と嘘の涙、嘘の涙は他人に見せるためのもの、試合に負け流す悔し涙も人に見せない方がいいのかも、他人のために涙す涙も身の内にしっかりと溜める。
「糊代をたっぷりとって生き上手」 時津みつこ
繕い代、糊代をたっぷり持っている余裕がどんな難難にも堪えられる、糊代が少なければ行き詰ってしまうことも必定。時間もたっぷり余裕をもってあわてない。
「湯豆腐に叱られているはしづかい」 吉丸 玲子
食事処で箸の握り方がいびつな人を良く見かける。彼等は湯豆腐どころか固いものさえうまく掴めず苦労している。これはまさに親の躾の怠慢によるもの。私は孫の一歳の誕生日にはお祝いとして躾け箸を届けた。
くろがね抄 矢野 隆 選
母一人だけの拍手で立ち直る 中間 和田 澄雄
母さんのスキップ知っている廊下 直方 吉丸 玲子
母さんを想う涙が海になる 八幡西 大塚郁子
手の届く桜のなんと聞き上手 福津 水谷 そう美
積読の本が名刺の顔をする 宗像 桜木 山彦
厚化粧している今日は笑えない 中間 志岐 けい子
プライドを捨てると轍良く見える 中間 吉冨 廣
リハビリの一歩を褒める歩数計 八幡西 時津 みつこ
ナイターが始まる家庭内別居 中間 古野 つとむ
疑問符を使いきっかよく睡る 宗像 的場 しずえ
雑草の茎の強さを知るとがま 岡垣 広渡 憲峰
寝たばかり起きたばかり街の朝 福岡 坂梨 和江
針穴をすんなり通る褒め言葉 愛知 陣内 いっこう
花びらをざくざく踏んで春送る 八幡西 松井 昌子
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