うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

オルフェーヴルなど

2012-05-09 20:55:06 | 競馬日記
国内の分を振り返ります。

天皇賞春は酷かったですね。池添騎手とオルフェーヴルのコンビで昨年3冠+有馬記念を勝ったはずなのですが、人馬一体とはほど遠い状況でした。どうやって立て直すのでしょう。
勝ったのはビートブラック。あのノースフライトの仔ミスキャストの産駒です。石橋脩の積極的な騎乗で春の盾を手にしました。石橋脩はGI初勝利。

香港のクイーンエリザベスIICに出走したルーラーシップは先行策から力強く抜け出し完勝しました。このレースの日本馬の勝利はエイシンプレストン以来です。ルーラーシップは不器用なタイプと思われていましたが、鞍上リスポリが上手く先行させました。
母はあのエアグルーヴ。ノースフライトと同じトニービン産駒で、産駒のGI勝ちはアドマイヤグルーヴ以来になります。

NHKマイルCはダイワメジャー産駒カレンブラックヒルが勝ちました。鞍上秋山が上手く逃げましたね。1年に1回は必ず重賞を勝つことで有名な秋山騎手ですが(重賞を勝てなかったのはデビュー年のみ)、GIは初勝利です。もっともGI勝利に近づいたのはベッラレイアのオークスでしょう。早めに抜け出してふわっとなったところをローブデコルテに差されてしまいました。あれから5年。その5年の間、毎年重賞を勝つことを欠かさず、ようやくこの日を迎えることができました。平田修調教師もGI初勝利。ベッラレイアも管理していました。
ダイワメジャーは初年度産駒からGI馬が出ました。産駒は先行してしぶといが速い脚がない、と個性がはっきりしており、今回のような先行策が合うタイプが多いです。

かしわ記念ではエスポワールシチーが2年ぶりのGI勝利を挙げました。逃げるフリオーソをがっちり手綱を抑えてマークし、3~4角で持ったまま並びかけ、仕掛けて4角で先頭。そのまま一気にゴール板を駆け抜けました。平安Sでは積極さに欠けるレースぶりでまだ本調子ではないような感じ、フェブラリーSではトランセンドマークが裏目に出たものの、上昇しつつあるような感じがありました。そして今回は十分な手応えで4角先頭。実力馬の復活と言っていいかもしれません。

この2週間に行われたGIレースの日本の勝ち馬は全て逃げ先行策でした。前に行ってレースをコントロールするという戦法の優秀さでしょう。

欧米クラシック

2012-05-07 23:58:23 | 競馬日記
ヨーロッパとアメリカでクラシックのシーズンが始まりました。

まずはイギリスの2000ギニー。先日取り上げたCamelotブログ)が人気を背負いました。鞍上はエイダンの息子ジョセフ。若いのに落ち着いて馬群を捌き、見事に突き抜けました。
ダービーで2冠目に挑みます。先日も書いたように12Fはベストであるとは思いません。ただ、2冠馬の先輩Sea the Starsも中距離向きでしたが、能力が抜けていたこと、鞍上の意のままに自由自在にレースを運べる上手さがあって、12Fでも強かったです。あれだけ強ければセントレジャーに出ても勝っていたでしょう。ということで、Sea the Starsになれるのか、注目です。

1000ギニーもBallydoyleのHomecoming Queenが勝ちました。父はHoly Roman EmperorGeorge Washingtonの受胎率が悪く、同じDanehill産駒ということで、3歳になったばっかりのこの馬が代わりに種牡馬入りしました。その2歳時はTeofiloのライバルの1頭でしたが、直接対決となった愛ナショナルS、デューハーストSともに敗れてTeofiloは5戦無敗、Holy Roman Emperorは7戦4勝で競走生活を終えました。散漫なGeorge WashingtonよりコンパクトなHoly Roman Emperorの方が種牡馬適性がありそうだったので、Coolmoreとしては上手くいったんじゃないかと思っていました。ちなみにTeofiloは3冠を目指すという話だったのですが、3歳になって頓挫があってそのままDarleyで種牡馬入りしました。初年度産駒は昨年デビューでHoly Roman Emperorの1年遅れだったのですが、一足早く昨年GI馬を出しています。デューハーストSのParish Hallで、Sadler's Wellsが系列ぐるみを作る次世代配合です。
Homecoming QueenはBold Ruler、Native Dancer、Tom Foolの関係が見事で、マイラーとしては上手く出来ていると思います。Bold RulerとNative Dancerと言えばシーキングザダイヤ、Tom FoolとNative Dancerと言えばアドマイヤドンなんかを思い出します。
母Lagrionの産駒に凱旋門賞、Kジョージ、愛ダービー、愛チャンピオンS(2回)、ガネー賞と6つのGIを勝ったカルティエ賞年度代表馬Dylan Thomas、チェヴァリーパークSを勝ったカルティエ賞2歳牝馬チャンピオンQueen's Logic、オークス3着馬Remember When。その父はDanehillとGrand LodgeとDanehill Dancer。Danzig系種牡馬と好相性ですね。

アメリカの3冠初戦ケンタッキーダービーは伏兵I'll Have Anotherが勝ちました。ZenyattaBlameStudent Councilなどと同じ、Mr. ProspectorとRobertoのニックスですね。もっといっぱいいますが、Roberto系がKris S.なので、この3頭をチョイスしました。Student Council、ノーリーズンなんかではNashuaの影響が強いですが、Roberto、Mr. Prospectorの位置が上がって、Nashuaは脇役になり、Danzig 4 x 4でリードする形態です。安い馬だったそうですが(記事)、配合自体はしっかりしています。

ケンタッキーオークスはBelieve You Canが勝ちました。鞍上はロージー・ナプラフニック。ケンタッキーオークスを勝った初めての女性騎手になりました。イギリスでもヘイリー・ターナーが昨年、2つのGIを勝ちました。日本ではまだ大レースを勝った女性騎手は出ていませんし、そもそも女性騎手自体がJRA所属は増沢由貴子のみであまりにも少ないです。
Believe You CanはTom Foolクロスを伴うBuckpasser 4 x 5とArctic Dancer=Northern Dancer 4 x 4が父の祖母に集結しています。なかなか迫力がありますね。

イタリアではクラシック初戦が4月29日に終わっています。
伊2000ギニー(パリオリ賞)はRahy産駒Malossol、伊1000ギニー(レジナエレナ賞)はOratorio産駒Cherry Collectが勝ちました。どちらもGIIIで、GIの格を保っている英2000/1000ギニー馬と比べると配合的に落ちますね。
Malossolは曾祖母が日本に輸入されているトリプルワウです。世代がずれ気味ですが、大外しはしていないです。Cherry Collectも悪い配合ではありませんが、Nearco、Prince Roseの位置なんかに不満があります。