うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

仏1000/2000ギニー

2012-05-14 21:26:29 | 競馬日記
仏1000ギニーは1番人気のディープインパクト産駒Beauty Parlourが勝ちました。鞍上はエキュリ・ヴィルデンシュタインの専属クリストフ・スミヨン(ブログ)。

ヴィルデンシュタインは母バステットを日本に送り、2回連続ディープインパクトを交配しました。最初に生まれたのは日本生まれのBarocci。昨年プランスドランジュ賞(GIII)で2着に入りました。Beauty Parlourはイギリスに持ち出されて生まれました。ディープインパクトでHaloをクロスするのは一つのパターンなんですが、Halo 3 x 6で世代がズレています。フランスで活躍する馬だから、って感じがしますね。バステットはマルセリーナの母マルバイユと持っている血が似ていて、その結果、Sir Gaylord 6 x 6(マルセリーナはSir Gaylord 6 x 5)、Donatello 6 x 8(マルセリーナはCrepello 5 x 6)、Pocahontas 5 x 7(マルセリーナはPocahontas 5 x 8)という似たようなクロスができています。いいとこ取りの配合という感じですが、フランスらしい世代ズレが何とも言えません。


仏2000ギニーはTurtle Bowl産駒Lucayanが勝ちました。1番人気のハットトリック産駒Dabirsimもスミヨンが鞍上だったのですが、不利があって6着でした。

Turtle Bowlはジャンプラ賞の勝ち馬で今年の3歳馬が初年度産駒。スプリントのGIIIを2勝しているDyhim Diamondの産駒で、祖父はNight Shiftです。Dyhim Diamondは他にカドラン賞のBannabyを出しています。
Turtle Bowlは既にGI馬French Fifteenを出しています。クリテリウムアンテルナシオナルの勝ち馬で2000ギニーでは2着でした。仏供用種牡馬の中でかなりのロケットスタートと言っていいのではないでしょうか。
LucayanとFrench Fifteenは5代内クロス馬がNorthern Dancer、Habitat、ヴェンチアで全く同じです。3つの単一もしくは中間断絶(それも少しマニアックなHabitat、ヴェンチアも含む)が共通しているというのは変わったパターンですね。サンデーサイレンス産駒のGI馬ではAlmahmoud系列ぐるみクロスが多い、ってのはそれこそがサンデーサイレンス産駒の構造という感じで理解ができるのですが。
母父はセントジェイムズパレスSのGrand Lodge、祖母父は仏2000ギニー、サセックスSなどスプリント~マイルのGI5勝のソヴィエトスター、曾祖母父は仏2000ギニー、リュパン賞のL'Emigrant。マイル向きの累代交配で、高祖母は世紀の名マイラーMiesqueの母Pasadobleです。この累代交配で、ムーラン・ド・ロンシャン賞、ロッキンジSを勝ったHabitat、セントジェイムズパレスS、サセックスS、ミドルパークSを勝ったヴェンチアのクロスがあって、と言うことになると、距離延長には期待せず、マイル路線で行くのが無難でしょうね。
曾祖母はキュンティアの母。半兄Karluv Mostはスペインで活躍し、西セントレジャー、マドリード大賞典などを勝っています。