うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

重賞回顧(9月19日)

2009-09-28 22:33:56 | 競馬日記
2歳牝馬戦ファースオブクライドS(GIII)はTobougg産駒Distinctiveが勝ちました。Secretariat 4 x 4が父母両方から完全に系列ぐるみを作る様子は見応えがあります。

2歳戦ミルリーフS(GII)はAlhaarth産駒Awzaanが勝ちました。3連勝で重賞制覇です。父Alhaarth、母父Zafonicともに2歳時無敗でカルティエ賞2歳チャンピオンに選ばれており、早くから動けるタイプのようです。母内のインデェアンキング、グランディがいいですね。

ワールドトロフィー(GIII)はVan Nistelrooy産駒Strike the Dealが勝ちました。Crimson Satan 5 x 4がマニアックですね。あまり効果的なクロスではないと思います。

プランスドランジュ賞(GIII)はEven Top産駒Cirrus des Aiglesが勝ちました。父Even Topは2000ギニー、レーシングポストトロフィーで2着、ロッキンジSで3着があるものの重賞未勝利。平地、障害共用の種牡馬として繋養されるも極めてマイナーで、産駒の平地重賞勝ちは初めてです。父もTourbillon系Topanooraというマイナーさ。

2歳戦シェーヌ賞(GIII)はCape Cross産駒Behkabadが勝ちました。アガカーン殿下のオーナーブリーディングホースで、Cape Crossの代表産駒Sea the StarsOuija Boardとは違い、シンプルにNever Bendをクロスしています。この辺はアガカーン殿下らしいです。父Danzig系でNever Bendのクロスというのはアガカーン殿下の配合の一つのパターンですね。母は重賞勝ち馬、祖母はサンタラリ賞の勝ち馬、曾祖母も重賞勝ち馬、マルセル・ブサック生産のAstanaを基礎繁殖牝馬とするアガカーン殿下伝統の牝系です。(Astanaの子孫だけでなくファミリーナンバー9-eがまとめられています。DihistanDazariBaynounはArbelaが共通する牝系祖先です。名繁殖牝馬Astronomieの孫ですね。AstanaとはDame Mashamで合流します。Sassafras直仔Baynoun。もちろん、JCに2年連続で参戦したSandpitの父であり、私のハンドルMuch Betterの父でもあります。)
ジョッキーはスミヨンではなくルメールです。早速降ろされたのかと思ったら、落馬骨折で手術までしていたんですね(記事1記事2)。弱り目に祟り目というやつですか。

おくやみ

2009-09-28 19:45:52 | 競馬日記
9月に入ってから、えらいたくさんの名競走馬、名種牡馬が亡くなりました。

2000ギニーをレコード勝ちしたMister Baileysが病気のため亡くなりました(記事1記事2)。いつ亡くなったのか書いてありませんが、racingpostの記事の日付が4日なのでそれ以前です。Equine grass sickness(EGS)という難病を長年患っていたそうです(Dubai Millenniumの死因もこれです)。闘病生活と病気による受精率低下もあり、あまり活躍馬を出せませんでした。

7日にはGone Westが亡くなりました(記事1記事2)。疝痛を起こし、手術したものの安楽死の処置がとられました。競走馬としてはドワイヤーSを勝ち、種牡馬としては競走馬時代以上に成功しました。産駒のZafonicZamindarMr.GreeleyElusive QualityGrand SlamSpeightstownらがその血を広めています。

17日にIshiguruが亡くなりました(記事1記事2)。膝の負傷のため、安楽死となりました。競走馬としてはフライングファイヴ(GIII)を勝った程度ですが、Danzig直仔、母はスピナウェイS、メイトロンSのStrategic Maneuverで、種牡馬としてコヴェントリーS(GII)のHellvelynらの重賞勝ち馬を出し、良血馬らしいところを見せました。

21日に名種牡馬El Pradoが心臓発作で亡くなりました(記事1記事2)。競走馬としては2歳時に愛ナショナルSを含む重賞3勝を挙げたものの大成しませんでした。しかしながら、アメリカで種牡馬として大成功し、2002年にはリーディングサイアーになりました。Sadler's Wellsの血をアメリカで広めた功労馬です。産駒のMedaglia d'Oroは初年度産駒からRachel Alexandraを出しています。

22日にはSummer Squallが亡くなりました(記事1記事2)。老衰のため安楽死とのことです。A.P.Indy半兄のプリークネスS馬で、種牡馬としては年度代表馬カリズマティックを出しました。

24日にはCryptoclearanceが亡くなりました(記事1記事2)。疝痛の手術後、心臓発作を起こしたそうです。Gone Westと同期でGIは4勝。BCクラシックのVolponiReal Quietの3冠を阻止したVictory Gallop、Ishiguruの母Strategic Maneuverらを出しました。

25日にエクリプス賞チャンピオンスプリンターKona Goldが亡くなりました(記事1記事2)。Da Hoss(Gone West産駒)とともに放牧していたところ、前肢橈骨にらせん骨折を負い、安楽死の処置がとられました。BCスプリントをチャーチルダウンズのトラックレコードで制しました。

日本では15日にエルプス、18日にリードホーユーが亡くなりました。
エルプスはマグニチュード産駒の桜花賞馬で、マグニチュード産駒=短距離向きというイメージ形成に大きく関わったように思います。直仔に活躍する馬は出ませんでしたが、孫に牝馬2冠のテイエムオーシャンを出しました。
リードホーユーはミスターシービーカツラギエースと同期の有馬記念馬で、父がBlandfordを通らないSwynford系(St. Germansを通る)の愛ダービー馬マラケートという非常にマニアックな馬です。この父系は恐らく世界的には衰退していますが(南米には残っているみたいです)、マラケートの父Lucky Debonair(ケンタッキーダービー馬)は種牡馬モガミの母父(つまりメジロパーマーティッカネンの曾祖母父)であり、日本の馬の血統表内に名前が残っています。