うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

ステルヴィオ

2018-11-19 20:22:38 | 競馬日記
マイルCSを勝ったのは3歳馬ステルヴィオ。内を進み、直線で先行馬の隙間を見つけると鋭い切れ味で抜け出してきました。父はロードカナロア。今年の3歳馬が初年度産駒で、牝馬3冠馬アーモンドアイに続く2頭目のGI馬です。

このステルヴィオを語る際に誰もが話題に出すのは高祖母のスイートコンコルドではないでしょうか。父パーソロン、母スイートルナで、3冠馬シンボリルドルフの全姉に当たります。そしてシンボリルドルフの1歳上の3冠馬ミスターシービーの父トウショウボーイをスイートコンコルドに付けて生まれたのが曾祖母ファーストクラスです。そのファーストクラスと名種牡馬サンデーサイレンスの仔が祖母のアズサユミ。3冠馬の全姉に3冠馬の父を付けてそこにサンデーサイレンス(これも3冠馬の父)ですから、夢の配合と言ってもいいくらいなのですが、サンデーサイレンスを付けるにはファーストクラスは欧州血統過ぎでして、サンデーサイレンスはこのような母が相手では絶対に大物を出さないという正直さがありました。しかし、それが孫世代にGI馬を出すのですから、短期的な成功と長期的な成功は別という馬産の面白さがあります。
母父ファルブラヴ。中山で行われたJCをデットーリ騎乗で勝利しました。すでに懐かしいですね。世代のズレがあって種牡馬としての難しさがありましたが、ラルケットは割合うまくまとめていると思います。そこに持ってきたのがロードカナロアになります。

ステルヴィオはNureyevとFairy Kingの3/4同血を生かした上でのNorthern Dancer 5. 6. 6. 8 X 4の中間断絶がリードする配合ということになるのでしょう。母方が4代目に対し、父方では8代目とかなり奥の方にNorthern Dancerがありますが、父ロードカナロアではNorthern Dancerクロスが十分に働いいていると考え、大きな問題なしと見ます。ロードカナロアに対してSadler's Wells(= Fairy King)持ち、というのは自分で書いていたんですね(ブログ)。すっかり忘れていました。書いているようにSadler's Wells(= Fairy King)とMill Reefの相性の良さも生かせています。ロードカナロアの特徴である母内Secretariat = Syrian Sea同血クロスがMill Reefと呼応している点(ブログ)については、ステルヴィオの母父ファルブラヴの母父SlewpyがSeatle SlewにさらにPrince John(Princequllo×Count Fleet)を重ねた配合であり、見事に生きています(Secretariat = Syrian Seaの方はBold RulerとPrincequilloで、Mill Reefの方はNasrullah、Lalun、Princequillo、Count Fleet、Red Ray = Khaledと完璧)。Graustark = His Majesty 6 x 4クロスの方は母内にRibotとYour Hostがあってこちらも見事に生きています。ほかにはBalladierやDjebelを抑えていたり、父内Turn-toの位置が丁度良かったり、いろいろきめ細かいように思います。うまくできた配合と言っていいのではないでしょうか。

シンボリルドルフ(の同血)を持つGI馬って最近いましたっけ? 現在でも十分に通用する血であることが分かりましたし、本馬が種牡馬入りした際にシンボリルドルフ = スイートコンコルド同血クロスみたいなのは狙えないんでしょうか。パーソロンまでクロスしたらやりすぎになるでしょうが、単一であればDjebel、Palestine - Fair Trialなど欧州系の血をHail to Reasonと結びつけるような役割を果たせそうな気がします。
※母父トウカイテイオーのブレイブスマッシュが今年オーストラリアでGIを勝っていますね(ブログ)。 2018/11/20 19:45


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