旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

歴史の瞬間

2013年09月01日 08時15分17秒 | Weblog

 写真をみれば文字で説明されるよりもわかりやすい。わかりやすいからといって、写真が事実や真実を物語っているとは思えない。それでも写真が歴史の有力な証言であることに相違はない。たとえば、私が在京時に歩いた「渋谷の道玄坂」の、さらにその60年前の写真が掲載されている。明治40年代の道玄坂は大型の木造建築物に挟まれている。関東大震災後または敗戦後にあたりの風景が一変したことがうかがわれる。

これまでおもに文字情報から歴史を学んできた。「決定版 昭和史」を読む(というよりも、みる)と、読む側に時系列の不確かさはあるものの(便覧を利用して照会しながら読めばよい。)、伝聞あるいは文書や絵画、または発掘調査等の資料から導かれた文字・絵画情報とは異なる衝撃が走る。目の前に歴史的な瞬間そのものの断片が表示されているからだ。個別写真の説明には一定の歴史観が表現されざるをえない。それにしても、こういう歴史の説明のやり方があることを「決定版 昭和史」で知った。この全集がでてすでに20有余年が経過しているにしても、たまには図書館で時代の空気を吸わなくてはならないような気分にさせるような全集だ。


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