旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

迫り来る 日本崩壊

2015年05月04日 09時33分17秒 | Weblog

尊大ぶらない態度には好感を持っているのだが、なにやら言動が胡散臭い(と本人も認めている)。金融の世界に身を置いたことがある人間に固有の過剰な律義さと自虐的ないい加減さを併せ持った藤巻健史さんの「迫り来る 日本崩壊」(幻冬舎)を成り行きで買ってしまった。暇つぶしには日本国財政の破綻問題が効く。
もしも彼の著作を金融論の範疇だというのならば、藤巻さんの金融論はかなり読んでいることになる。財政学では最近日銀の副総裁にまでのぼりつめた岩田規久男さん(このひとの得意分野は、金融論よりも財政学だ。)の次くらいに読んでいる。岩田さんは元上智大学教授、前学習院大学の教授だから学問の世界をバックボーンにしてきた。つい最近、「日本銀行 デフレの番人」(日経プレミアムシリーズ2012年1刷)を読んだばかりだ。岩田・鶴巻両氏ともにその論旨の明快さを買って読み続けている。
藤巻さんは、モルガン銀行の日本支社で「伝説のディーラー」(現在は維新の会の参議院議員)として名を馳せた実務家だ。その著作によって実際にはそうならなかった日本経済を何度も破綻に追い込んでいる。文筆業者としての評価はともかく、金融の世界では親分筋にあたるジョージ・ソロスほどの大物ではないようだ。やけに吠える。


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