旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

舟歌

2006年06月21日 21時04分55秒 | Weblog
広島の太田川でも明治から大正にかけて川運が盛んでした。木材の運搬なら筏を組んで上流から流してしまえばそれでいいのですが、農産物や林産品となるとそうもいきません。行きは一気に川下りとなりますが、帰りののぼりが大変です。

流れが緩やかであれば帆をあげて風の力を借り、急流をさかのぼる際には縄を使って船を岸から人が引く。この川をのぼってゆく作業の困難さが県史にも記されています。

このように書いてきてふと思ったのですが、太田川水域の場合、旧の国鉄の地方線は川運の要所沿いを走っています。幹線の鉄道はともかく地方線は敷設の容易さという利点を差し引いても、川運の大量輸送手段の代替輸送手段として登場したものとみることもできそうです。

川運に従事するひとびとの実態は、大伴家持の時代も明治大正の時代も殆ど変わらない旧態然としたものであったであろうと推測します。

ここでいう船人とは川運に従事するひとびとでしょうから、唄っていたのは「ボルガの舟歌」等と同様に、労働歌であったということになるのでしょうね?

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